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JavaScript で文字列の配列を数値の配列にしたい

Last updated at Posted at 2018-08-17

文字列の配列 ['1', '2', '3'] の各要素を Array.map() で変換して、数値の配列 [1, 2, 3] にしたい。

失敗例

['1', '2', '3'].map(parseInt);

上記の戻り値は、 [1, NaN, NaN] になってしまう。原因は後述。

結論

小数や指数を含んでもよい場合

['1', '2', '3'].map(Number);

int限定の場合

['1', '2', '3'].map( str => parseInt(str, 10) );

参考

parseInt() のドキュメント
Array.map() のドキュメント (「トリッキーな使用例」の項)
上記のインスパイア元のブログ

以下は、参考ページの内容を自分なりに解釈・要約したものです。
正確な内容は上記ページをご参照ください。

parseInt ではだめな理由

前提1 Array.map()の仕様

構文

var new_array = arr.map(function callback(currentValue[, index[, array]]) {} )

引数

  • callback:
    新しい配列の要素を生成するための関数。次の3つの引数を取る。
  • currentValue:
    現在処理中の要素の値。
  • index:
    現在処理中の要素の配列内におけるインデックス。
  • array:
    map が実行されている配列。

戻り値

与えられた関数を配列のすべての要素に対して呼び出し、その結果からなる新しい配列。

前提2 parseInt() の仕様

構文

parseInt(string, radix);

引数

  • string:
    解析する値。引数stringが文字列でなければ、(抽象操作ToStringにより)文字列に変換される。
  • radix:
    2から36までの整数で、前述の文字列に対する基数(数学的記数法の底)を与える。基数が与えられない場合、通常は10。

戻り値

与えられた文字列を解析した整数値。最初の文字を数値に変換できない場合、NaN が返される。

つまり?

['1', '2', '3'].map(parseInt);

上記のように記述してしまうと、実際の parseInt() の呼び出しは下記のようになる。

parseInt("1", 0); // 第2引数はデフォルトの10になる※
parseInt("2", 1); // 1が基数として渡されるためNaNが返る
parseInt("3", 2); // 2が基数として渡され、"3"は2進数として解析できないためNaNが返る

parseInt() のドキュメントより、第2引数が0のときの基数は10とは限らない。

第2引数のradixがundefinedか0の(または与えられていない)場合は、JavaScriptはつぎのように解釈します。

  • 第1引数のstringが「0x」または「0X」で始まるときは、第2引数のradixは16(16進法)としてその後の文字列を解析します。
  • 第1引数のstringが「0」で始まるときは、第2引数のradixは8(8進法)または10(10進法)とされます。厳密には、基数がどちらになるかは実装によります。ECMAScript 5 の仕様では10(10進法)です。ただし、まだすべてのブラウザがサポートしている訳ではありません。したがって、parseInt()関数を使うとき基数は必ず与えてください。
  • 第1引数のstringがその他の値で始まるときは、第2引数のradixは10(10進法)とされます。

(蛇足)配列の値によっては下記のようになる。

["0XFF","2","10"].map(parseInt); // 戻り値は [255, NaN, 2]( 16進数、NaN、2進数)

parseIntを使うなら

ファンクションを別途定義する。

function returnInt(element) {
  return parseInt(element, 10); // 第二引数を明示する
}

['1', '2', '3'].map(returnInt); // [1, 2, 3]

アロー関数を使うと短く書ける。

['1', '2', '3'].map( str => parseInt(str, 10) ); // [1, 2, 3]

渡す値が決まっているならNumberオブジェクトを使うのが一番簡潔。

['1', '2', '3'].map(Number); // [1, 2, 3]

// 小数表現や指数表現も解釈できる(してしまう)
['1.1', '2.2e2', '3e300'].map(Number); // [1.1, 220, 3e+300]
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