基本的な考え方
Blender 2.8 betaをmacOS上のUnity(2019以降)と組み合わせて使うための操作メモです。Blender 2.8からは細かい設定をしなくても、かなり自然に使えると思います。
Blender 2.8の設定
[インターフェイス]の設定
英語に慣れているプログラマであれば、メニュー項目を日本語化しなくてもいいと思います。グラフィックス系のソフトはメニュー項目が多いので、[インターフェイス]設定の[Translation]で言語を日本語にしておく方が、探しやすくなるかもしれません。ただし、Tabキーで出てくる「コマンド検索」で使いやすいのは英語です。
[視点の操作]の設定
macOS標準のスクロール方向と合わせるために、[視点の操作]の設定の[ナチュラルトラックパッドの方向]のチェックマークをONにします。
[キーマップ]の設定
なるべくUnityと同じ操作感で使用したいので、[キーマップ]の設定を「Industry Compatible」にしています。
Industry Compatibleにはシェーディング・モード切り替えのショートカットキーが用意されていませんので、[3Dビュー]-[3D View (Global)]に以下の設定を追加します。こうすることで、Cmd+1/2/3/4でシェーディング・モードを切り替えられます。
Blender 2.8の主な操作
マウス・トラックパッドの操作
Magic Mouseのタッチ・スクロールまたはトラックパッドの2本指スクロールで、編集画面の回転操作です。
Commandキーを押しながらのスクロールでズーム、Shiftキーを押しながらのスクロールでパンになります。
Zキーを押して範囲選択をすると、その範囲がズームされます。
編集画面の操作
- Cmd+[:ツールバー表示切り替え
- Cmd+]:右サイドバー表示切り替え
- Tab:コマンド検索
- Cmd+Page Up/Down(Cmd+fn+↑↓):ワークスペースの切り替え
- ,(コンマ):座標系切り替えのパイメニュー表示
- F5:カメラをZ軸中心に180度反転
- Cmd+1/2/3/4:シェーディング・モードの切替(上記キーマップの設定が必要です)
- C:3Dカーソルの移動(3Dカーソルは新しくメッシュなどを追加する時の初期位置を定めます)
- D:アノテーション(手書きメモ)の追加
追加したアノテーションは、アノテーションツールを選択した状態で、右サイドバーの[ツール]からレイヤーを削除すると消すことができます。
選択の操作
- 左クリック:選択する
- Shift+左クリック:選択の追加
- Cmd+D:選択部分の複製
- Cmd+C/V:選択部分のコピー&ペースト
- Cmd+A:すべて選択
- Cmd+Shift+A:選択解除
- Ctrl+H:選択部分を隠す
- Shift+H:選択部分以外を隠す
- Shift+I(アイ):選択部分のみを表示/解除
- Alt+H:隠したものを再表示
- Delete:選択部分の削除
- F:選択部分にフォーカス
- A:可視オブジェクトをすべて表示
移動・回転・スケーリング
移動・回転・スケーリングは、Unityエディタの基本操作と同じショートカットキーで使えます。矢印などの操作方法もほぼ同じです。
- Q:選択ツール
- W:移動ツール
- E:回転ツール
- R:拡大・縮小ツール
- T:トランスフォーム・ツール(移動+回転+拡大・縮小)
操作中にCtrlキーを押すと、1m単位や5度単位といった移動や回転となります。
Ctrl+Altキーを押すと、0.1mあるいは1度単位での移動や回転となります。
参照画像(下絵)の追加
Blenderのエディタ上に、Finderから画像ファイルをドラッグ&ドロップすれば、参照画像(下絵)を追加できます。
モデリング操作
Modelingワークスペースでの、頂点/辺/面の操作です。
- 1/2/3:頂点/辺/面操作の切り替え
- ダブルクリック:ループ選択
- Cmd+E:面の押し出し
- Cmd+B:面のベベル
- I(アイ):インセット(面の頂点を内側に押し出す)
- Alt+C:ループカット
- K:ナイフツール
- B:プロポーショナル編集のON/OFF
表面のスムージングのON/OFFは、[Object]メニュー(オブジェクトモード)または[Face]メニュー(編集モード)の[Shade Smooth]または[Shade Flat]で切り替えます。
マテリアルの割り当て
面を選択して、画面右側にある[マテリアル]プロパティでマテリアルを選択して「割り当て」ボタンを押すことで、マテリアルを割り当てることができます。
ここで複数のマテリアルを割り当てた3Dモデルには、Unity上のMesh Rendererの設定でも、複数のマテリアルを割り当てることができるようになります。
書き出しと読み込み
トランスフォームの適用
オブジェクトを選択して、エディタエリアのメニューから[オブジェクト]-[適用]-[全トランスフォーム]を実行すると、現在の形状を保ったまま、移動・回転・スケーリングを初期値に設定できます。
Blenderからの書き出し
Layoutワークスペースで書き出す対象のオブジェクトを選択して、メニューから[ファイル]-[エクスポート]-[FBX (.fbx)]を選択します。
[メイン]タブで[選択したオブジェクト]にチェックを入れ、shiftキーを押しながら[アーマメント][メッシュ][その他]のみを書き出し対象として選択します。
書き出し先のディレクトリとファイル名を入力して、「FBXをエクスポート」ボタンを押して、書き出しを完了します。
Unityでの読み込み
Blenderで書き出したFBXファイルをUnityのAsset上にドラッグ&ドロップして追加すると、Unityでそのモデルを利用することができます。
読み込んだ3Dモデルに対して、Unityのインスペクタで、アニメーションやマテリアルをインポートする/しないを設定することができます。Blender上でのマテリアルはUnity上で違った見え方になる場合がありますので、そういう場合には、インスペクタの「Material」タブにある「On Demand Remap」という機能を使って、各マテリアルをUnity内で用意した別のマテリアルで置き換えることができます(下図参照)。