もう2月なのですが、このタイミングで、2025年の展望など書きたいと思います。単に気づいたら2月でした。時間の流れは怖い。
さて、今年はIT業界にとって昨年以上に変動の年になるのではないかと感じています。理由は言わずもがな生成AIの進化によるところです。これから恐ろしいスピードで私たちの仕事の在り方が変換していくことでしょう。果たしてエンジニアとして生き残ることができるのだろうかという危機感もありますが、楽しみな気持ちの方が大きかったりします。
「エンジニアの仕事がなくなるのでは?」という声もあちこちで聞こえてきますが、個人的には短期的にそのような事態が起こるとは考えていません。むしろ、日本のIT業界は依然として深刻な人材不足に直面しており、経済産業省の試算では2025年には最大で43万人のIT人材が不足すると予測されています。いわゆる「2025年の崖」です。
2023年2月時点の日本のITエンジニア数は約144万人と推計されています。単純計算すると、現在のIT人材1人あたりの生産性を約1.3倍に高める必要があることになります。数字だけを見ると「生成AIを活用すると何とかなるのでは?」と思えるかもしれませんが、ここで我々エンジニアが忘れてはならないのが『人月の神話』です。1人の生産性が1.3倍になったところで、システム開発全体の生産性がそれに比例して向上するとは限りません。むしろ、開発組織をうまくドライブさせなければ、その恩恵を受けることすら難しいのが実情です。
こうした状況を踏まえると、生成AIの恩恵を最も受けやすいのは、大企業ではなく、フリーランスやスタートアップのような小規模な組織であると考えています。個人や少人数のチームは、意思決定が早く、柔軟に新しい技術を取り入れることができるため、AIの進化を武器にできる可能性が高いです。
2025年以降のフリーランスエンジニアに求められること
2025年以降のエンジニアにとって最も重要なのは、「AIを活用した仕事に慣れること」です。AI駆動開発、AIを用いた技術研鑽、AIを活かした業務の自動化などで、フリーランスエンジニアは、AIを使い倒し、その知見を組織にフィードバックできる人材となることが生き残る鍵になると個人的には考えています。
仕事がなくなるわけではない。しかし、仕事のスタイルは劇的に変化する。2025年は、この変化を最大限に楽しみながら適応していきたいものです。