この記事は、Fusic Advent Calendar 2024 11日目の記事です。
昨日は、@mmm-kato さんの サイバー攻撃(Dos/XSS/CSRF)について深掘りしてみた の記事でした。
はじめに
私は株式会社Fusicのプロダクト部門360(さんろくまる)チームに所属しています。
360(さんろくまる)とは、360度フィードバックを実施しやすくするツールです。
この記事では「360度フィードバック」を様々な企業様にご提案をしてきた中で感じた自分が思う大事なことをシェアいたします。
360度フィードバックとは
社内メンバーを「さまざまな角度=上司や部下、同僚など複数の立場」からフィードバックを集める手法を指します。従来の上司による一方的な評価とは異なり、公平かつ客観的な評価が可能になりことが特徴です。(超簡単に紹介しました)
なんで導入するの?
上記で記載通り、多角的な目線でフィードバックをもらえるため自身が気づいていない特性が把握でき、成長に繋がること。行動規範や企業理念に基づいた設問を設定することで、メンバーが評価を通じて組織の価値観を再認識し、日常業務に取り入れやすくなり理念浸透が促進されること。そして、多角的=複数の目からフィードバックをもらうために、フィードバックを受けるメンバーにとって納得感の溢れるものになるため成長に向けた次のアクションを定めやすくなる。これらのことから実施企業が増えています。(他にもまだまだ利点があります。)
また、
- 最近ではリモートワークも導入され、上司の目線だけでは評価できなくなっている
- VUCAの時代に適応できるように自らの特性を理解して活かせる人材が求められている
- 現代の日本では人材確保が困難な影響から、会社として「育成・成長」に力を入れる必要がでてきた
こういった理由もあり制度として導入する企業が増えてきています。
ここまでが360度フィードバックとは?の前段でした。
ここから私が感じたことを記載いたします。
実施する上で大事な考え方
それは企業がメンバーに成長して欲しいと願う 「成長への本気度」 があるかどうかです。
もちろん、全ての企業はメンバーに成長して欲しいと願っていると思います。ただ、どれだけ想っているか 「本気度」 が重要なのです。上で述べたように360度フィードバックはメリットもある施策ですが、多面的にフィードバックをもらう=耳の痛い意見の数や質も通常のフィードバックよりも高い傾向にあります。この痛みを超えてまで成長させたいか。が重要と捉えています。(もちろん、この痛みを軽減するスキル的な動きはあります。)
では、どうすればメンバーに本気度が伝わる?
※他の施策でも言えることです
- TOP層がやる、示す
- 継続する、伝え続ける
-
成長を評価する、賞賛する
が重要と感じております。
TOP層がやる、示す
上で述べたように、多少の痛みを伴う施策です。
それをメンバーだけにさせるのでは企業のTOPや幹部層から実施して、学びや気づきをシェアする事で会社全体に「熱意・本気度」が伝わります。
継続する、伝え続ける
一度の実施で止めてしまう。また、実施こそしているが日常の業務に活かされていなかったり、会社に浸透していないことは360度フィードバックに関わらず様々な施策でよく目にします。そうなると形骸化して「意味」がないものになります。継続・伝え続けるということの一例を出すと、週終わりに360度フィードバックの結果から定めたアクションに対してどのような行動が出来たのか振り返りの場を設けてあげる。或いは、社内報などで、TOPや幹部からフィードバック結果を活かして変化したことなどの発信の実施。etc
とにかく重要なことはメンバーに「実施した後に、自分だけでなく皆が意識をしているのだ」という意識を持ってもらうことです。
成長を評価する、賞賛する
上で述べたように継続する、伝え続けるの一種になりますが、変化した結果や変えようとした行動 に対して賞賛をすることも重要です。その機会を設けることでメンバーに「360度フィードバックを実施する意味」が芽生えます。そのきっかけが出来たときに 「本気度が伝わった」 と言えるでしょう。
ここまでのことをしっかりと計画、運用、浸透する 覚悟 を持って実施するべきと捉えています。
ただ、人事の担当者様や人事のメンバーだけではここまで推進することも難しいと感じているため、当社のようなサポート会社が伴走することに価値があると感じています。
ここで急ですが、たられば劇場
ナポレオンが360度フィードバックを受けていたら
ナポレオンは、フランス革命後の混乱期に頭角を現し、やがてフランス皇帝となった卓越した軍事指導者です。彼のリーダーシップに対する評価を、側近や部下、同時代の指導者たちからいただいてみましょう。さて、どのような結果になるのでしょうか。
- ルイ=ニコラ・ダヴー(元帥): 「ナポレオンは天才的な戦略家だ。しかし、時々私の助言を無視して突き進むことがある。今度のロシア遠征は忠告を聞いてほしい。」
- ジャン・ランヌ(元帥): 「ナポレオンとは戦場で何度も肩を並べてきた。彼のカリスマ性はすごいが、時々無茶な命令を出すこともある。それでも、私たちは彼を信じてついていきたい。」
- ミシェル・ネイ(元帥): 「ナポレオンは私を『勇者の中の勇者』と呼んでくれる。しかし、彼の急進的な戦略にはついていけないこともある。特にこれからのロシア遠征のときは、もっと慎重になるべきだ。」
- アレクサンドル1世(ロシア皇帝): 「ナポレオンの野心は止まるところを知らない。今度のロシア侵攻は無謀としか言いようがない。もし彼が他国の主権を尊重していれば、違う未来もあるかもしれないのに。」
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- 違った世界のナポレオン:「みんなの意見を聞いて、ロシア遠征はリスクが高すぎると判断した。広大な領土、厳しい気候、長い補給線を考えると、無謀な進軍で兵士たちを危険にさらすわけにはいかない。フランスの繁栄と安定が最優先だから、別の戦略を考えよう。」
現実世界ではナポレオンのロシア遠征は壊滅的な失敗に終わります。たらればの話、且つフィードバック内容もビジネス的なものではありませんでしたが、この歴史的事実は、 周囲の意見を受け入れることの重要性 を示していると捉えています。効果的なフィードバックを上手く活用することは、リーダーシップ(個の影響力)の成長を促進し、組織やチームのパフォーマンス向上に寄与します。反対にフィードバックを素直に受けることができなければ、ナポレオンのように物事の失敗を招く恐れがあります。(少々過剰ですが)
「自身の判断に自信を持つと同時に、周囲の意見に耳を傾け、柔軟に対応する姿勢が成功への鍵となる」
これは現代のビジネスでも言える原理原則のことと感じております。
まとめ
360度フィードバックは、上司、同僚、部下など多方面からの評価を集める手法であり、個人の自己認識と他者からの評価とのギャップを明らかにし、自己理解を深めることができます。これにより、個人の行動変容を促し、組織全体の成長にも寄与し、効果的な360度フィードバックの実施は、組織の健全なコミュニケーション文化の醸成にもつながります。
その価値をこれからも伝え続けてまいります。
Fusic Advent Calendar 2024 11日目は @Shinshin13さんが書きます!皆様お楽しみ!