私が個人的に勘違いしていた発音、あるいは実際に誰かが発音しているのを聞いたことがあるものの、辞書を引いてみたら間違っていたものをリストアップました。
記事の内容はアメリカ発音に準拠しています。また、辞書は Oxford Learner を、実際の話者の発音例は YouGlish を参考にしています。
単純な勘違いのパターン
単語 | 正 | 誤りの例 | 備考 |
---|---|---|---|
administrator | /ədˈmɪnɪstˌreɪtɚ/ | /ˈædmɪnɪstˌreɪtɚ/ | 第1ストレスは "ad" ではなく "min" に置かれる。 |
asynchronous | /eɪˈsɪŋkrənəs/ | /əˈsɪŋkrənəs/ | 第1音節がストレスのない /eɪ/ で発音される。略形の "async" も /eɪˈsɪŋk/ と発音される。 |
capacity | /kə'pæsəti/ | /kæ'pæsəti/ | カタカナの「キャパシティ」につられて第1音節を /kæ/ のつもりで発音して、/k/ が硬口蓋化しがち。「キャリア」 V.S. "Career" (/kəˈrɪɚ/) も同様。 |
daemon | /ˈdimən/ | /ˈdeɪmən/ | カタカナの「デーモン」に引きづられがち。 |
debug | 名詞: /ˈdibʌɡ/ 動詞: /ˌdiˈbʌɡ/ |
/dɪˈbʌɡ/ | カタカナの「デバッグ」に引きづられがち。また、名詞の場合ストレスが第1音節に置かれる。 |
demo | /ˈdɛmoʊ/ | /ˈdɪmoʊ/, /ˈdimoʊ/ |
カタカナの「デ」が /dɪ/,/di/ に対応することが多いため、「ディモ」のように過剰修正しがち。潔く「デモ」と言った方が辞書に近い。 |
execute | /ˈɛksɪkjut/ | /ˈɛgzɪkjut/, /ɪksɪˈkjut/ |
接頭辞 "ex-" の部分が無声音で発音され、かつ第1ストレスが置かれる。ちなみに .exe ファイルは日本語で俗に「エグゼ」と呼ばれているが、YouGlish を見る限り /ˈi ˈɛks ˈi/ と発音されている。 |
library | /ˈlaɪbrɛri/ | /ˈlaɪbræri/ | カタカナの「ライブラリ」に引きづられがち。「ディクショナリ」V.S."dictionary" (/ˈdɪkʃəˌnɛri/), 「テンポラリ」V.S. "temporary" (/ˈtɛmpəˌrɛri/) も同様。 |
machine | /məˈʃin/ | /məˈsin/ | カタカナの「シ」が /sɪ/,/si/ に対応することが多いため、「マスィン」のように過剰修正しがち。潔く「マシン」と言った方が辞書に近い。 |
reconcile | /ˈrɛkənˌsaɪl/ | /ˈrikənˌsaɪl/ | 反復を表す "re-" は /ˈri/ と発音されることが多いが、この例には当てはまらない。 |
許容されているパターン
よくパターン2で言いがちなものの、間違いとも言い難い、あるいは許容されているもの。
単語 | パターン1 | パターン2 | 備考 |
---|---|---|---|
router | /ˈraʊtɚ/ | /ˈrutɚ/ | 辞書的には両方とも許容されているが、YouGlish で探す限りパターン2で言っている話者が見つからない……。 |
status | /ˈstætəs/ | /ˈsteɪtəs/ | YouGlish を確認する限りパターン1が主流に見えるが、パターン2の話者も見かける。 |
template | /ˈtɛmplət/ | /ˈtɛmpleɪt/ | YouGlish を確認する限りパターン1が主流に見えるが、パターン2の話者も見かける。 |
variable | /ˈvɛriəbl/ | /ˈværiəbl/ | アメリカ英語ではパターン2でも発音できる。 "various" も同様。 |