はじめに
遅ればせながら小説三体を読みました。とにかく面白いSF小説でした。
元エンジニアの方が書いた本だけあり、エンジニアの方にもオススメしたいです。
本記事は三体のネタバレを含みます。
三体とは
三体(さんたい)は、中国のSF作家による長編SF小説です。
2019年時点で全世界累計発行部数は2900万部を記録し、20か国以上の言語で翻訳されています。SFの世界最大の賞である「ヒューゴー賞」を受賞しています。
2024年2月に文庫版が発売され、より手に取りやすくなったかと思います。
私は通勤中に読むことが多いので文庫化は嬉しいです。
著名人のレビュー
バラク・オバマ氏
『とにかくスケールがものすごく大きくて読むのが楽しい。これに比べたら、議会との日々の軋轢なんかちっぽけなもので、くよくよする必要はないと思えてくるのも三体を読んだ理由のひとつだね』
小島秀夫氏
「普遍性と、娯楽性、そして文学性の、まさに『三体』の重力バランスの絶妙なるラグランジュ点でこそ生まれた、奇跡の『超トンデモSFだ』
曽根原氏
想像力、知識、哲学の塊のような本。
ページをめくる手を止めたくない。この本と出会えたことに感謝したい。
他にもマーク・ザッカーバーグやジェイムズ・キャメロンも絶賛しています。
そろそろ本題へ
オブラートに包んで紹介しますがネタバレにご注意ください。
はじめに
ある星に生命体(以降 3Body)がいます。その星は過酷な環境が予測できない周期で訪れます。その周期を予測するために莫大な計算量が必要と判明し、登場するのが人列コンピューターです。ちなみに3Bodyのコミュニケーションは方法は人類のように音声ではなく光のため高速です。
Netflixで映像化されているので紹介します。
PCも人列コンピューターと同様で二進数(バイナリ)を使用しています。
3Bodyのコミュニケーションは光のためPCに匹敵するスピードで相互にコミュニケーションを行います。
人列コンピューターの構造
初めて中華統一した秦の始皇帝の配下約3000万の兵士で構成されています。OSの名前は秦1.0です。SFなのに中国史に話が飛躍していますが、詳しくは原作をお読みください。
人列コンピューターでは、以下のような役割分担がされています。
兵士と指揮官
- 兵士: 基本的な算術(加算、減算、乗算、除算)および論理演算(AND、OR、NOTなど)を行う
- 指揮官:兵士たちに指示を出し、全体の計算を管理するユニット
現代のPCの構造との比較
- CPU(中央処理装置) 加算器、レジスタ、スタックメモリ:主に計算を行うユニット
→ 最精鋭の五つの兵団で構成 - ストレージ:データやプログラムを長期間保存する場所
→ 教育水準の高い者たち三百万名で構成し、メモと筆記具を持っている。 - メモリ: データを一時的に記録しておく場所で取り出すのがストレージより早い
→ 外側を囲んできちんと整列している集団。訓練されている。 - バス:各構成要素間でデータをやり取りする通信路
→ 軽騎兵を用いて情報伝達を早めている
おそらくですが人列PCのアーキテクチャはノイマン型と呼ばれるものです。
まとめ
とにかく著者の想像力に驚かされました。始皇帝の兵でPCを再現するという発想を知れただけで三体を読めてよかったです。映像化作品は未見なので楽しみです。
余談
好きな一節
生命にははかりしれない価値があり、すべてが泰山のように重い存在だと思うこともあれば、人間なんかとるにたりないもので、そもそも価値のあるものなんかこの世に存在しないと思うこともあった。ともかく、わたしの人生は、この奇妙な感覚とともに、一日また一日と過ぎていって、知らぬ間に年をとっていた・・・・・・
文庫化を希望している本
文庫化していたら教えて下さい。
最後に
私の働いている会社で経験の有無を問わず採用を行っています。
興味のある方は是非カジュアル面談から応募してみてください!