isinstance(XXX, type)のtypeってなんだ？

unittestパッケージのソースコードリーディングをする中で遭遇したisinstance(XXX, type)について整理します。Pythonのバージョンは3.6.3です。

isinstance関数とは

公式ドキュメントにあるように，あるオブジェクトの型（Class）を判定するときに利用します。

利用例

>>> a = 2
>>> isinstance(a, int)
True
>>> b = [1,2]
>>> isinstance(b, list)
True

unittestでの利用方法

unittestのmain.pyの236行目に以下のコードがあります。

236  if isinstance(self.testRunner, type):

この第2引数に指定されている"type"は何でしょうか。これは上記で示した"int","list"といったクラスではなく，メタクラスと呼ばれるものです。

メタクラスとは？

Pythonのオブジェクトはクラスのインスタンスとして生成されます。また，Pythonではクラスもオブジェクトです。そして，クラスはメタクラスのインスタンスとなります。このため，上記で示したunittestのコードは，"self.testRunner"オブジェクトがtypeのインスタンスであるかどうか，つまりクラスであるかどうかを判定しています。main.py:234行目の上を確認すると，isinstance関数の第1引数である"self.testRunner"にrunner.pyで定義されたTextTestRunnerクラスがif文を満たす場合に代入されることからもそれがわかります。

232  if self.testRunner is None:
233      self.testRunner = runner.TextTestRunner
234  if isinstance(self.testRunner, type):

isinstanceの例からも，そのことがわかります。

>>> isinstance(int, type)
True
>>> isinstance(list, type)
True

Pythonにおけるtypeとは

typeは型を返す組み込み関数として利用するのが一般的ですが，引き数を３つ指定した場合，クラスを生成することができます。

>>> type(list)
<class 'type'>
>>> a = list()
>>> type(a)
<class 'list'>

>>> X = type('X', (object,), dict(a=1))
>>> isinstance(X, type)
True
>>> X.__dict__
mappingproxy({'a': 1, '__module__': '__main__', '__dict__': <attribute '__dict__' of 'X' objects>, '__weakref__': <attribute '__weakref__' of 'X' objects>, '__doc__': None})

>>> class Y(object):
...     a = 1
... 
>>> isinstance(Y, type)
True
>>> Y.__dict__
mappingproxy({'__module__': '__main__', 'a': 1, '__dict__': <attribute '__dict__' of 'Y' objects>, '__weakref__': <attribute '__weakref__' of 'Y' objects>, '__doc__': None})

typeからみれば，すべてのクラスはインスタンスです。これはすべてのクラスの親クラスとなるobjectも例外ではありません。また，type自身もtypeのインスタンスです。

>>> isinstance(object, type)
True
>>>
>>> isinstance(type, type)
True

typeとobjectの関係

typeはメタクラスなので，すべてのクラスのクラスとなります。このため，objectもtypeのインスタンスになりますが，継承関係においては，objectがtypeの親クラスとなります。

>>> issubclass(type, object)
True
>>> issubclass(object, type)
False