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OpenWRT導入マニュアル ③VLan編

Last updated at Posted at 2025-02-04

今回は、VLanについて解説します。
ルーターを複数台繋いで、2階にWifiのAPを設置したり、有線で使うPCやチューナーレスTV、カメラなどを置きたい場合、下記のようにセグメントが別れているため、普通に繋いだだけではLANにあるセグメントしか拡張できません。
4つあるLANポートにそれぞれ割り当てるのも良いですが、ケーブルは3本必要になってしまいます。こういった場合、ルーター同士はVLanというイーサネットプロトコルでそれぞれのセグメントに壁を作って、セグメント間で干渉しないようにルーター間を接続することができます。
下記のネットワークでは、ルーターAとルーターBがそれに当たります。
ルーターAの3つのセグメントを、ルーターBでもケーブル1本で同じように拡張することができます。

{D937CF0D-0DC8-448A-A9DE-2AD81E969382}.png

VLanについては、こちら(YAMAHAのサイト)に詳しく解説されています。今回使うのはタグVLanポートベースVLanです。
これは、イーサネットフレームに12ビットのVIDと呼ぶタグを設けて、1~4094までの番号をつけてそれぞれを区別する仕組みです(0,4095は予約済みで使用禁止)。イーサネットフレームのためWifiでは使うことができません。(この辺は調査不足ですが、おそらくそうです)またIPプロトコルより下の階層ですから、ブロードキャストパケット、UDPパケットも通せます。

まず、3つのセグメントに対してVIDを割り当てる必要があります。VIDは若い番号は(10以下)避けたほうが無難です。何か他のシステムを導入した場合、デフォルトで若い番号が割り振られていたりします。
今回は分かりやすく、IPアドレスの第3オクテットに+500した番号を振ることにします。

セグメント VID
LAN 520
GUEST 521
IOT 522

また、ルーターのLANポート(イーサネットの口)の割当も決めておきましょう。
これがポートベースVLanとなります。

ルーターA

ポート セグメント
1番 LAN
2番 LAN
3番 IOT
4番 ルーターBと接続
WAN ONUへ接続

ルーターB

ポート セグメント
1番 LAN
2番 LAN
3番 GUEST
4番 IOT
WAN ルーターAと接続

ポイントは、ルーターAの4番ポートルーターBのWANポートをルーター間接続専用にしてしまうことです。
ここに、スイッチングハブなどを利用してPCを接続しても直接通信できません(設定次第では可能ですがお勧めしません)。イーサネットの正式な規格ですから、スイッチングハブ自体は市販ベースの安いハブで問題ありません。

これを踏まえてOpenWRTに反映させます。まず、ビルド時に特別な設定は必要ありません。標準の構成ですでに利用可能になっています。

ルーターAの設定
まず、ブリッジでbr-mainを作ります。
このブリッジは、VIDの割当とポートの割当を決めるための設定となります。
br-mainが使用するポートとして、lan1~lan4まで登録します。
image.png
Bridge VLAN filteringで下記のように設定します。
UはVIDなしのフレームを扱うポート
TはVIDありのフレームを扱うポート
image.png
次にlan用のブリッジbr-lanを登録します。
これはすでにあると思うので、設定変更になります。
ポイントは、先程作成したbr-main.520を割り当てることです。
image.png
guest用のブリッジbr-guestの登録です。
同じようにbr-main.521を割り当てます。
image.png
iot用のブリッジbr-iotの登録です。
同じようにbr-main.522を割り当てます。
image.png
以上の設定を終えると、以下の4つのブリッジが登録されているはずです。
image.png

ルーターBの設定
ルーターAと同じように、ブリッジでbr-mainを作ります。
このブリッジは、VIDの割当とポートの割当を決めるための設定となります。
br-mainが使用するポートとして、lan1~lan4,WANまで登録します。
image.png
Bridge VLAN filteringで下記のように設定します。
UはVIDなしのフレームを扱うポート
TはVIDありのフレームを扱うポート
image.png
lan用のブリッジbr-lanを登録します。ルーターAと同じ設定にします。
image.png
guest用のブリッジbr-guestを登録します。ルーターAと同じ設定にします。
image.png
iot用のブリッジbr-iotを登録します。ルーターAと同じ設定にします。
image.png
以上の設定を終えると、以下の4つのブリッジが登録されているはずです。
image.png
インターフェース全体としては以下のようになります。
image.png
LANセグメントにはIPアドレスを割り当て、設定画面を開いて設定できるようにしておきます。
image.png

image.png
DHCPはルーターAが担当するので、ignore interfaceにチェックを入れておきます。
image.png
v6側は、RA DHCPv6 NDP すべて disabledにしておきます。
image.png
guestはセキュリティの関係で、IPアドレスの割り当てはしません。
image.png
image.png
image.png
iotもセキュリティの関係で、IPアドレスの割り当てはしません。
image.png
image.png
image.png
image.png
image.png
Firewallの設定です
image.png
ルーター間接続したポートに通常のPCなどをつなげたい場合、ルーターA側のbr-mainを以下のように設定すと、LANセグメントのPCとして使うことができます。
image.png
VLanの設定は以上となります。
ルーターBと同じように設定したルーターを増やせば、ルーターC、ルーターDと数珠繋ぎに増やすことができます。

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