はじめに
こんにちは!株式会社マクニカでDatabricksのエンジニアをしています。@satoshy2です。
Databricksとは?(マクニカ紹介ページ)
Databricks Data + AI Summit 2025にて、Databricks Apps の正式リリースが発表されました。
この Databricks Apps は Databricks が2024年11月にパブリックプレビューをリリースしてから、最短で利用が増えた機能になります。
約6ヶ月間で顧客数が2,500以上、Databricks Apps を利用して開発されたアプリが20,000以上になります。
以下のサイトでも触れられていますが、Databricks Appsについて簡単にまとめた内容をご紹介していきたいと思います。
Databricks公式ページ:Announcing General Availability of Databricks Apps
データやAIをアプリと繋ぐことの難しさ
単純にWebアプリを立てるだけならそれほど難しくないと思いますが、データやAIをセキュリティやガバナンスを保ちながらアプリ上で使用して運用することはとても難しいことです。
Databricksが考える考慮が必要なポイントは、以下の8つになります。
- アプリの認証とデータやAIへのアクセス認証を統合すること(SSOなど)
- アプリからデータへのアクセスに対して適切なコントロールを実施し、ガバナンスに効かせること
- アプリのインフラ環境を適切に管理すること
- データやAIが利用している仮想ネットワーク(VPC)とアプリが利用する環境を統合すること
- アプリの状態を管理するためにデータベースを配置すること
- オブザーバービリティツールと統合すること
- 監査ログやアクセスログを適切に取得すること
- アプリで利用しているパッケージを適切にアップグレードしていくこと
Databricks Appsを使う理由
Databricks Appsを使う理由として以下が挙げられています(Newは正式リリースで実装された機能)。
-
Databricks内に全てが用意されています
-
すぐに認証やSSOが使えます
-
セキュアでガバナンスが効いたDatabricks管理のコンテナやインフラ環境が用意されています
-
Unity Catalogを使用して、リソースレベルでガバナンスを効かせることができます
-
よく使われているPythonフレームワークが使用できます
-
Node.js/ReactなどのJavascriptがサポートされます(New)
実際に利用しているユーザーの事例として以下の3社が挙げられていました。
- ブリジストン
- Addepar(米国のソフトウェア会社)
- 武田薬品工業
アプリ開発のためのエコシステム(New)
Databricks Appsの正式リリースと同時に発表されたこととして、アプリ開発のためのエコシステムがあります。
特に Superblocks
や Lovable
などはAIを駆使して簡単にアプリ開発出来るので、連携によりさらにアプリの開発が楽になると、とても楽しみにしています。
また、キーノートのデモでは、Superblocks
で作成したアプリを [Deploy on Databricks] ボタンからDatabricksにデプロイする様子が見られました。
さいごに
Databricks Appsの正式リリースではびっくりするほど大きな変更というのはありませんでしたが、データとAIの民主化に向けて確実に機能追加されていることが分かりました。
ただ、Databricks Appsの正式リリースと同時にインスタンスの オートスケール機能 が実装されることを期待していたので、今回はそれについてアナウンスが無かったのは残念です。
個人的には以前から Lovable
が気になっていたので、Databricks Appsとの連携でどこまで出来るようになるのか非常に楽しみです。