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カスタマーサクセスの原則に学ぶエンジニアリングマネジメントの心構え


はじめに

長いタイトルですみません :bow:

さてみなさん、カスタマーサクセスとは何かご存知でしょうか?カスタマーサクセスとは、自社の製品を利用する顧客を成功に導くことによって、製品の利用継続率を高め、自社と製品のファンになってもらう取り組みのことです。特にサブスクリプション型のサービスでは極めて重要で、ここを怠っているとサービスの解約が続いてなかなか成長できない :arrow_heading_down: なんてことに繋がってしまいます。

ちなみに2018年は日本で多くのサブスクリプション型のサービスが広まってきており、「SaaS元年」と呼ばれるほどでした。

日経の記事 からの引用


ソフトウエアをクラウド上で利用する「SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)」が急速に広がってきた。導入の黒子役はスタートアップ企業だ。


カスタマーサクセスの解説をするととんでもないボリュームになるので、ここでは紹介に留めておきます。

※以下は詳しく知りたい方向け

ここからが本題です。エンジニアリングマネジメント(EM)を経験していた私が、カスタマーサクセス(CS)について学んでいると、EMとCSの間にとてもよく似た関係性があることがわかりました。この記事ではCSの原則と、EMとの相似関係についていくつか紹介したいと思います。


CSの原則:正しい顧客に販売しよう

顧客が成功するためには、正しい顧客に販売する、ということがとても重要です。自社の製品に合っていない顧客に販売してしまうと、顧客の課題は解決されず、不満をもってしまいます。結果的に、オンボーディングのコスト増、製品サポートに対するクレーム、ネガティブな風評が広まる、などの悲しい結果に繋がりますし、なにより顧客が幸せになっていません :cry:


:arrow_up_down: EMとの関係性:会社にマッチする人を採用する

この原則に対応するのが採用です。EM.FM podcast でも「会社に合わない人はとにかく採用しないことが大事」という趣旨のことをおっしゃっていました。もし採用しちゃった場合、その人と粘り強く会話し続けなければなりません。どんなに優れた技術力を持った人でも、会社のミッションや行動指針と合わない人を採用するとお互い幸せになれないよ、ということに似ていますね。


CSの原則: 顧客とベンダーは何もしなければ離れる

顧客が契約を開始してからCSの出番です。定期的に顧客とのタッチポイントを作ることで顧客を成功に導けているかを確認します。逆に契約開始後にほったらかしにされてしまうと、製品の価値を感じることができず、解約につながる可能性が高くなってしまいます。


:arrow_up_down: EMとの関係性: 効果的な1on1の実施

どんなに優秀な人が採用できたとしても、ほったらかしの状態では期待する成果を出す可能性は低くなってしまうでしょう。また、評価において上司と部下のギャップが大きくなりがちです。1on1を開催することで、定期的に会話する時間を確保し、メンバーが成功できているか確認しましょう。


CSの原則: タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう

タイムトゥバリュー(TTV)とは、製品の価値を実感してもらうまでにかかる時間のことです。これが長いと、製品導入の初期段階で価値を感じることができず、早期の解約に繋がってしまいます。TTVを短くするための施策が オンボーディング です。製品の価値をいち早く感じてもらうために、製品の使い方のレクチャーを行います。CSが作業を代行するのではなく、顧客が製品を理解し活用するための手ほどきをします。


:arrow_up_down: EMとの関係性: 入社した人のオンボーディング

オンボーディングは、入社直後の社員に対しても適用できる考え方です。

入社直後は、どうしても不安を感じ、心理的安全性が低い状態からスタートします。

早く会社に慣れて、最速で成果を出してもらうためのプログラムを考えてみましょう。お互いを紹介し合い、オンボーディングプログラムを共に考えてみると良さそうです。

例) Kaizen Platformで行っているOnboardingプロセス


おわりに

他にも原則はあるのですが、特に関連が深いと感じたものを紹介してみました。いかがだったでしょうか。なぜこのような相似形が生まれるかというと、顧客と製品の関係性が、社員と会社のそれに似ているからなのだと思います。


  • 顧客はお金を支払って製品を利用する。成功できれば継続、アップセル(別の機能の購入)するし、さもなければ解約する。

  • 社員は自分の時間を投資して会社で働く。成功できれば定着、成長するし、さもなければ離職する。

最近のエンジニア採用は激化する一方です。だからこそ今、会社で働いてくれているメンバーが成功するためにエンジニアリングマネージャーとして何ができるのか、考えてみると良いのではないでしょうか。