はじめに
組織のオープンマインドの現れとして、SlackのDM比率の低さをアピールする事例をいくつか見かけるようになりました。とても素晴らしいことだと思います。
例)
- https://mercan.mercari.com/entry/2018/04/10/163322
- https://speakerdeck.com/miyasho88/we-are-hiring?slide=46
- https://speakerdeck.com/hideakiishikura/20180718ren-shi-kaben-yin-takewohua-suhui-deng-tan-zi-liao?slide=15
一方で自社のDM比率を見てみると、かなりの割合でDMが使われていてギャップに落胆する、という人も少なくないのではないでしょうか。なぜDM比率が高くなるのか?ということについて自分なりに整理してみました。
理由1:組織の心理的安全性が低い
「心理的安全性」は、 Googleの re:Work によると以下のように述べられています。チームの効果性を高めるために最も重要なファクターと言われています。
心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。
例えば、Slack上で誰かが質問をしたとします。
心理的安全性が低い状態では、その質問に回答したいとしても、トンチンカンな回答だと嫌だな、チャンネル全員にそれを見られたくないな、という心理が働き、DMで回答するという行動に繋がる、という話を聞きました。特に #general
などの参加人数が多いチャンネルだとその傾向が高くなるようです。個人的にはこの理由が一番重要だと思います。
理由2:Slackの活用方法の周知不足
Slackはかなりメジャーなコミュニケーションツールになりましたが、チャットによる業務に慣れていない人・職種はあります。
私は、もともとエンジニアだけでSlackを利用していたのを、全社利用に切り替えたタイミングで、DM比率が急激に上がった、ということを経験しました。
エンジニアの場合、コードレビューやOSSを通じてオープンにコミュニケーションすることのメリットを肌で理解していることが多いです。一方で、非エンジニアだとそういったコミュニケーションに不慣れな場合もあります。
例)
- 受注前のクライアントの情報をむやみに公開したくない営業
- 普段から取扱注意な情報を扱いがちな人事
職種ごとの事情や背景について尊重しつつも、オープンにコミュニケーションすることのメリットを啓蒙し続けていくのが良いのかな、と思います。
理由3:業務が属人化している
属人化した業務だと、業務の依頼がDMでとんでくる、ということが少なくありません。社内ITなど、なんとなく詳しい人がなんとなく担当している、という場合に属人化傾向が高くなると思います。
その業務用のチャンネルを開設するなどして、依頼のフローを標準化することで解決できました。
理由4:ゲストアカウントが多い
Slackのゲストアカウントはchannelを作ることができません。
正社員のみにMemberを付与、業務委託はGuestなどの運用だと、DMを使わざるを得ないという状況が生まれやすいと思います。
理由5:根回しの重要性が高い
twitterで、
Slack、DM禁止することはできないけど禁止したいって言ってる知り合いの会社が最近多くて、理由はサイコパスとか社内政治に全振りしてるような人に有利すぎるかららしい。https://t.co/43Et8yaegF
— takano (@iototaku) 2018年11月12日
という投稿を見かけました。根回しをオープンにやることは考えにくいので一理ありそうです。ある程度の根回しは必要だと思いますが、その重要性が高くなりすぎるとひきづられるようにDM割合も高くなる、という感じでしょうか。
理由6:正しいDMの使い方をしている
おまけっぽい要素です。個人の DM にメモやファイルを保存する は、Slackが公式に使い方として案内しているやり方です。スターやリマインダのセットもできるのでわりかし便利です。
おわりに
DM比率が高くなる理由について自分なりにまとめてみましたがいかがでしょうか。感想、編集リクエストお待ちしております!