はじめに
オンプレミスのネットワークを仮想ネットワークを使用して疑似的に作成して、そこから閉域構成の Azrure Databricks へ接続する方法を検証してみました。
構成は以下のようなイメージとなります。仮想ネットワーク vnet_on-premises にある VM(vm-client)から Databricks ワークスペース(adb_nw_pr_strict)に接続できるように設定していきます。
閉域構成の Azrure Databricks の作成
Azrure Databricks のデプロイについてはこちらの記事をご参照ください。
(本構成では vnet_hub 内のワークスペースへの接続用 VM は不要のため、作成しなくても問題ないです)
疑似オンプレネットワークの作成
疑似オンプレネットワークおよび VM(vm-client)の作成についてはこちらの記事をご参照ください。
(本構成ではプロキシサーバは不要のため、作成しなくても問題ないです)
VNet 間接続の構成
VNet 間接続の概要は以下となります。
VNet 間接続を構成することでオンプレミスのネットワークとの接続を再現できると考えました。
こちらの手順で構成していきます。
ゲートウェイサブネットの作成
今回は各 VNet に以下のようにゲートウェイサブネットを作成しました。
パラメータ名 | vnet_on-premises 設定値 | vnet_hub 設定値 |
---|---|---|
サブネットの目的 | Virtual Network Gateway | Virtual Network Gateway |
名前 | GatewaySubnet | GatewaySubnet |
開始アドレス | 10.0.0.32 | 172.16.0.64 |
サイズ | /27 | /27 |
VPN ゲートウェイの作成
今回は各 VNet に以下のように VPN ゲートウェイを作成します。
デプロイにはそれぞれ30分以上かかりました。
パラメータ名 | vnet_on-premises 設定値 | vnet_hub 設定値 |
---|---|---|
名前 | GW_vnet_on-premises | GW_vnet_hub |
リージョン | Japan East | Japan East |
ゲートウェイの種類 | VPN | VPN |
SKU | VpnGw1 | VpnGw1 |
世代 | Generation1 | Generation1 |
仮想ネットワーク | vnet_on-premises | vnet_hub |
パブリック IP アドレス | 新規作成 | 新規作成 |
パブリック IP アドレス名 | GW_vnet_on-premises_pip | GW_vnet_hub_pip |
アクティブ/アクティブモードの有効化 | 無効 | 無効 |
BGP の構成 | 無効 | 無効 |
接続の構成
GW_vnet_on-premises の接続ページから接続を追加します。
今回は以下のように接続を構成しました。
パラメータ名 | 設定値 |
---|---|
接続の種類 | VNet 対 VNet |
双方向接続の確立 | 有効 |
最初の接続の名前 | vnet_on-premises-to-vnet_hub |
2番目の接続の名前 | vnet_hub-to-vnet_on-premises |
リージョン | Japan East |
最初の仮想ネットワーク ゲートウェイ | GW_vnet_on-premises |
2番目の仮想ネットワーク ゲートウェイ | GW_vnet_hub |
共有キー (PSK) | (任意の値) |
正常に構成できると状態が「接続済み」となります。
プライベート DNS ゾーンのリンク
Databricks のフロントエンド用のプライベートエンドポイントと Web ブラウザー認証用のプライベートエンドポイントへの名前解決のためにプライベート DNS ゾーン(azuredatabricks.net)を vnet_on-premises にリンクさせます。
プライベート DNS ゾーン(azuredatabricks.net)のレコードは以下のような形です。
接続確認
リモートデスクトップ接続で VM(vm-client)に入って、Databricks ワークスペースに接続すると以下のように接続できました。
ワークスペースに接続できない場合
こちらの記事で VM(vm-client)をデプロイしてプロキシ設定をしていると、接続ができない事象が発生しました。
そのため、プロキシ設定を元に戻すことでワークスペースに接続できるようになりました。
おわりに
実際のオンプレミスネットワークとvnet_hubとの接続に使用されることがある Express Route の場合は他にも必要な設定があるのかなと思います。(名前解決のための Azure DNS Private Resolver など)
以下の記事をご参照ください。
また、VNet 間接続については以下の記事がとても参考になりましたので、併せてご参照ください。