こんにちは。Kaneyasuです。
後輩と飲んでいたら、昔唱えてた持論を思い出したので書いてみます。
タイトルの通り、システム開発のプロジェクトにおいて、3日遅れはスケジュールと人員とか何か変えないと自力で挽回は不可能なんじゃないかという説を書いています。
前提
本記事が想定しているプロジェクトは、一定期間中毎日フル稼働するプロジェクトです。
途中に期間が開くなどはないとします。
メンバーは案件掛け持ちをしておらず、1日8Hの労働時間を想定しています。
3日遅れを個人の遅れと仮定して真面目に考えてみる
まず、3日遅れを個人の遅れと仮定して真面目に考えてみます。
また、案件掛け持ちはなしで、ガントチャート上1日=8Hで計算するとします。
この場合、3日遅れというのは、8H * 3 = 24Hの遅れです。
どこかの週で挽回するとします。
残業が許されるとしたら、1日2H残業するとして、月から金曜日で10H挽回できます。
その上で、土日も休日出勤するとして、土日で8H * 2 = 16H挽回できます。
これで、計26H、これなら3日遅れを挽回できる計算になります。
・・・厳しいですね。
特に、土日8H働くという仮定が無茶があります。
多分出ても8Hも働けないと思います。
何周かに分けて挽回するしかありませんね。
3日遅れをプロジェクト全体の遅れとして考える
3日遅れをプロジェクト全体の遅れとして考えると、さらに厳しいものが見えてきます。
先ほどと同じにように残業と休日出勤での挽回を考えてみます。
リーダー経験者ならわかると思いますが、メンバー全員がその方針に素直に従ってくれる絵があまり描けませんよね。
特に休日出勤は怪しい、朝から出勤をお願いしても、大体の人は昼ぐらいから出勤すると思います。
これもやっぱり何周かに分けて挽回するしかありませんね。
・・・何周かかけてるうちに他の問題が起きそうですが。
EVM(Earned Value Management)のSPI(Schedule Performance Index)で考える
EVM(Earned Value Management)は、プロジェクトの進捗を数値化する手法です。
その中で、SPI(Schedule Performance Index)という指標があります。
これは、1より大きい場合は進捗が良い、1より小さい場合は進捗が悪いという指標です。
こちらは私が昔からプロジェクト管理の際に参考にしている書籍です。
こちらにはSPIについて以下のように書かれています。
米国防総省によると、SPIやCPIには「10%ルール」が存在するといわれています。10%以上の予実差異が生まれると、プロジェクトは自力でベースラインに回帰させることが困難であると意味しています。
そして、SPIについて以下のように表が載っています。
指数値 | 指数値の意味 | 予実差異の影響範囲 |
---|---|---|
1.0 | 計画(ベースライン)通り | 特に問題なし |
0.99 〜 0.95 | 許容水準 | プロジェクト内のチーム単位での対応 |
0.94 〜 0.90 | 要注意水準 | プロジェクト全体での対応 |
0.89 〜 | 危険水準(10%ルールを逸脱) | ユーザーを含めた対応 |
これによるとSPIの許容水準は0.99〜0.95となっています。
0.95ってどれぐらいかというと、プロジェクト開始後60日(月20日換算で3ヶ月)で3日遅れで、SPIが0.95になります。
60日時点から1日でも早い段階で3日遅れが発生すると、SPIが0.94台になります。
要注意水準
に突入ですね。
0.94からの要注意水準
における影響範囲はプロジェクト全体での対応となっています。
プロジェクト全体での対応というのは、ぱっと思いつくのは社内におけるスケジュール・人員の調整ですね。
ガントチャートの作り直しが発生そうです・・・。
0.94と言われると94点みたいでまだまだいけそうに見えますが、数字の耳障りとは裏腹に重い数字です。
まとめ
ネタくさいですが、3日遅れはその響き以上に重い数字だということを書いてみました。
できれば3日も遅れる前に誰かに相談しましょう。
3日以上遅れちゃった場合、潔くスケジュールか何かを変えた方がいいですね。