こんにちは。Kaneyasuです。
お盆の間にこちらの本を読みました。
プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」
いろいろと感じるところはあったのですが、その中でバッファの取り方に関する部分が刺さりました。
極限のトラブル対応状態では、どれだけバッファーを作り出せるかが勝負の分かれ目の1つです。図に、チームAとチームBの作業計画があります。チームAは作業タスクごとにバッファーを計画しているもの。チームBは、1つひとつのタスクからバッファーを排除し、すべてのバッファーを一番最後に持っていくスケジュールです。どちらのチームのほうがすべてのタスクを早く終わらせられるでしょうか?理由とともに考えてみてください。答えはBです。理由は、バッファーというものは子供のお小遣いと同じだからです。つまり、各メンバーにバッファーを与えると、それをすべて使ってしまうのです。チームBの計画はバッファーをチーム全体で計画しています。どれかのタスクで遅延が発生してバッファーの一部を使うことはありますが、バッファーのすべてを使うことはありません。
木部 智之. プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」 (Japanese Edition) . Kindle 版.
こちらですね。
この「各メンバーにバッファーを与えると、それをすべて使ってしまうのです。」という考えはパーキンソンの法則と言われる考え方です。
パーキンソンの法則とは
- 第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する - 第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
タスクの予定工数には十分に余裕を持たせたのに、なぜかギリギリになった・・・。
そんな経験はないでしょうか?私はあります(汗)
人は追い詰められないと本気にならないので、バッファはどうしても食い潰してしまう。
そういうことですね。
このことを知らずに、タスク毎にバッファーを設ければ、ただ工数が膨らむだけの結果になる。
ですから、バッファは最後にまとめて設けておくべきというのが、というのが冒頭の書籍の主張ですね。
なぜタスク毎にバッファを設けてしまうのか
そもそも、なぜタスク毎にバッファを設けるのか?
私の経験からすると、これは、リーダーが楽をするためだと思います。
この工数に収まる形で実装してくれ!あとはよろしく!の方が指示する側としては楽です。
バッファのない工数だと、順調に進まないとすぐ工数オーバーするので丁寧なフォローが必要になると・・・そのように思ってしまいます。
だが、このパーキンソンの法則によるこのバッファの設け方は意味がありません。
そして、メンバーの成長の機会に奪うことになりかねません。
普通にやればバッファを使うことなく終わらせられそうなタスクを、余裕を持たせた振り方をしてるわけですから。
あらためて考えるバッファの設け方
再びこちらの本の話戻ります。
プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」
まず、最後にまとめてバッファーを用意するというやり方は賛成です。
各タスクはバッファーのない通常の工数にするべきだと思います。
各タスクが普通の工数に収まるよう努力する方向に仕向けないと、チームの成長はないでしょう。
加えて、私個人としてはバッファを最後にまとめて用意するなら全体で共有のバッファであることを説明しようと思います。
最後にまとまったバッファがあるので、いざとなったら全体がズレるだろうと思われるのはちょっと違うかなと。
誰かが遅れれば、バッファとして用意していた工数と期間が消費され、他の人が使えるバッファが減るという説明はした方が良いと思います。
少々性悪説っぽいので嫌な考え方ではありますが。
[余談]だれでも完了させられる工数にすべきか?
昔、上司から「新卒でも完了させられる工数で見積するべき」と言われたことがあります。
今考えれば、この考え方は流石に違うと思います。
全体的に「新卒でも完了させられる工数」で工数を見積をするのは流石に盛り過ぎだし、お宅の会社には新卒レベルしかいないのか?と思われかねません。
この時の上司の発言は不安から来てると思うので、リーダーの方はメンバーの立ち上げプランとか、設計上の課題と対策などを説明して安心してもらい、無意味なバッファは避けるよう努めたいものです。