1.はじめに
・日本ディープラーニング協会主催のG検定(ジェネラリスト検定)は、2020年11月7日に開催され、私も受験いたしました。
・主催団体による試験結果概要は以下の通りです。
日本ディープラーニング協会(以下JDLA)は、2020年 第3回 G検定(ジェネラリスト検定)を2020年11月7日(土)に実施しました。今回G検定の受験者数は7,250名。そのうち合格者数は4,318名で、合格率は59.56%でした。
公式ニュース:2020-11-19 【2020年 第3回 G検定結果】7,250名が受験し、累計合格者数は3万人を突破。
・私の結果に関しては、11月19日昼過ぎに連絡があり、「合格」であった。
・自分なりの学びを本記事にまとめ、公開することで、これから受験する人の参考になればと思います。
2. 試験のポイント
・AIの歴史、主要な人物などはもちろん出題される。参考図書などで覚えていく。
・画像分析は、深層学習の得意分野であるため、こちらもそれなりの頻度で出題されている。
・技術分野だと、以下の分野の割合が、公式テキストなどより多かった印象。
- 強化学習
- 音声認識
- 自然言語処理
・各国の法制度、昨今の社会的問題についても出題されていた。1割は超えていた。
「営業機密」、「GDPR」あたりの理解が、問われていた試験であった。
3. 試験突破のために覚えた方が良いこと
ほぼ毎回出題されており、かつ私が覚えることができなかった暗記物を以下に示す。
・活性化関数の発展
勾配消失問題を回避するために、以下のように活性化関数を変えてきた。
ポイントは、微分しても0にならず、微分後の値が幅広い値域をとることが望ましい。
ステップ関数=>sigmoid関数=>tanh関数=>ReLU関数=> Leaky ReLU, Parametric ReLU, Randomized ReLU
・学習手法
ニューラルネットワークの学習手法として、一番基本的なSGDがあるが、課題があるため、以下のように改善された手法が提案されてきた。
SGD=>モーメンタム=>Adagrad => Adadelta => RMSprop => Adam
特にRMSpropとAdamがよく使われる。
・Deep Neural Networkの主要なネットワークのリスト
名称 | 開発年 | 開発者 | 層の数 | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
AlexNet | 2012年 | アレックス・クリチェフスキー、ジェフリーヒントン 他 | 8層 | Wiki(English) | |
GoogLeNet | 2014年 | Christian Szegedy, Wei Liu 他(Google) | 22層 | Inception構造を持っている | 元論文 |
ResNet | 2015年 | Kaiming He Xiangyu Zhang 他(Microsoft) | 152層 | 残差ブロックとshortcut connectionの導入。 | 元論文, Residual Network(ResNet)の理解とチューニングのベストプラクティス |
・AlphaGoの歴史
名前 | 概要 |
---|---|
AlphaGo Fan | 2015年10月、コンピュータ囲碁として初めてプロ棋士(樊麾)に互先での勝利を収めた(5戦5勝)。 |
AlphaGo Lee | 2016年3月、韓国棋界で「魔王」と呼ばれる世界トップ棋士の一人の李世乭と戦い、4勝1敗と勝ち越した。 |
AlphaGo Master | 2016年暮れから2017年初頭にかけて、ネット碁でプロ棋士相手に60連勝を達成した。その後同年5月、人類最強の棋士である柯潔に3戦全勝した。 |
AlphaGo Zero | 2017年10月に発表された。従来のバージョンとは大きく異なり、棋譜やビッグデータを必要とせず自己対局によって強化される。 |
AlphaZero | 2017年12月に発表された。AlphaGo Zeroのアプローチを汎用化。 |
4. 参考書・文献
1.ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト(Amazon.jpサイト)
2.徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集(スキルアップAI社)
3.最短突破 ディープラーニングG検定問題集(AVILEN社)
->個人的には、この問題集が一番役に立った。単純にテスト問題というわけではなく、空欄を埋めるタイプの教科書。
4.AI白書2020
5. 今後の方針
・受験過程で、自分の専門外(例:自然言語処理)の深層学習実装例や基礎知識を知るいい機会になった。
・合格・不合格にかかわらず、G検定を受けるための勉強は、エンジニアとしても有用であり、満足度は高かった。
・純粋な学習も必要だが、テスト対策として種々の準備、例えばGoogle検索の慣れやまとめサイトのブックマーク化などは必要。疎かにしてはいけない。
・E資格を受験しよう。
・他にも、以下の検定を受けたい。
<サイエンス系>
- 統計検定準1級
- 画像処理エンジニアエキスパート
- バイオインフォマティクス技術者認定試験
<エンジニア系>
- 基本情報技術者試験
- 応用情報処理試験
- AWS認定ソリューションアーキテクト
- Pythonエンジニア認定基礎試験