さくらのクラウドでは共有セグメントに接続するとグローバルIPアドレスが1つ付与されます。
しかしこのIPアドレスは他のサーバに移すことは出来ません。
サーバを削除したりするとIPが開放されてしまいます。
そこでスイッチに追加出来るルータ機能を使えば、IPv4アドレスが最低16個から付与されるので
必要なサーバやアプライアンスにIPアドレスを付けたり外したり出来る様になります。
(APメンテナンス時などにかなり有効です)
それに共有セグメントは100Mbps共有ですがルータ機能を使うことで増速が可能になります。
また、ロードバランサを利用する際にも必要となります。
まとめると
- メリット
- 使い回しできるIPv4アドレスが付与される
- 最低16IP(/28)のネットワークが使える
- 帯域の増速が可能
- ロードバランサ利用可能
- デメリット
- スイッチ、ルータ、IPアドレス分のコストが必要(最低7,776円から)
- 増速にはそれなりにコストがかかる(デフォルトでは100Mbps共有)
多少コストをかけても大丈夫であれば導入するメリットの方が多いと思われます。
というわけでルータ機能付のスイッチを作成してみます。
##スイッチ+ルーター作成
メニューからスイッチを選択して「+追加」ボタンをクリックするとこの画面になります。
ここで名前など(名前だけが必須です)を入力した後、「ルータ」を「はい」に変更すると
プリフィックスや帯域を選択できるようになります。
「プリフィックス」は付与されるIPv4アドレスのサブネットマスクを選択します。
最低16IPからですが、実際に利用出来るIPアドレスは
ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス、ゲートウェイ、ルータ自体のIPアドレス、など引かれて11個しか利用出来ません。
VPCルータをルータ経由で利用するとIPを3個消費します。
WEBサーバ、開発サーバ、メールサーバ、DNSサーバなど個別にIPを付与するとすぐに枯渇するので慎重に選択しましょう。
後からスイッチの編集でプリフィックスを拡大することは出来ず、スイッチの再作成になってしまいます。
※追記:ただし、最初に割り当てられたIPをネクストホップにしたネットワークを追加することはできます。
この場合、必然的にIPも変わります。
「帯域幅」はこのルータに割り当てられたグローバルIP経由での通信全体の帯域になります。
このFAQ(転送量に応じたトラフィック制限はありますか?)を見た感じでいうと
帯域幅の10%前後の転送を常時行う場合は上位の回線に変更を求められることがあるかもしれません。
(総転送量の目安も示されているので扱っているコンテンツが重い場合は要注意です)
ただ、帯域幅はあとから上位や下位に都度変更が可能なのでサービスの拡張に合わせて変更していくのもありだと思います。
「IPv6アドレス」はデフォルトで無効になっています。
あまり普及しているとは言いがたいので無効のままでよいかと思います。
また、これは後から変更出来ます。
次に続きます。