ITの世界に踏み込むと、まず「技術書を読んだ方がいい」というアドバイスを受けることがあります。しかし、私は初学者の段階では読まない方がいいと考えています。
今回は「なぜ初学者は技術書を読んではいけないのか」を3つの理由から解説します。
また技術書を読むべきタイミングがあるのか、効率的に読むにはどうすればいいのかについて紹介します。
なぜ技術書を読んではいけないのか?
その1: 前提知識がない
技術書というものは、ある程度の前提知識を持っている読者を想定して書かれています。例え「入門」とタイトルに書かれていても、それは「ある程度の学習履歴と実務経験を持つ人」にとって入門なのです。
何の知的な基礎もない初学者が技術書を手に取ると、いきなり専門用語や難解な概念に面食らって、内容を理解する前に挫折するのがオチです。
その2: インプットの費用対効果が低い
初学者は実務経験を積んでいないので、現場での具体的なイメージをもたずに技術書を読むことになります。
技術書には特定領域の膨大な情報が詰まっていますが、実務経験の有無でこれらの定着率が大きく変わります。
実務経験のない初学者は読み進めても頭でわかった気になっただけで、実際にはそこまで知識が定着していません。インプットに時間をかけた割には仕事の成果につながりにくく、学習効率が悪いというのが実情ではないでしょうか。
その3: 「何かを成し遂げた」と勘違いする
技術書を一冊読み終えると勉強した気分になりやすいです。しかし、前述の通り、実際にはほとんど何も身についていません。
「技術書を読みきった」という行為に満足してしまい、得られた知識をアウトプットもしないので、1週間もすれば読んだ内容なんてキレイさっぱり忘れています。
本人は読み終えたことで悦に浸っており、もう一度読み直すこともしないので、失った知識を再び取り戻す瞬間は永遠にやってきません。
読んだ方がいい人とは?
実務経験が2年以上ある人
技術書は、ある程度の知識を持った人がさらに深掘りする際に効果的です。
実務経験が2年ほどあるエンジニアなら、基礎的な用語や実務の流れが身につき始めているので、「自分の現場でどう使えるか」をイメージしながら読み進められます。
実際にどう使いこなすか?を想像しやすいほど、技術書で得られるインプットが即戦力として活かしやすいのです。
どう言うふうに読めばいい?
最初は通しで読む
実務経験があり、技術書が読めるレベルに達したら、まずは通読して全体像をつかみましょう。読んでいて「?」となっても無視して構わないので、「どのような構造で何が書かれているのか」をざっくり把握します。
2回目は気になる箇所だけ読む
2回目は、自分が特に必要としている章や、気になる箇所を中心に再読します。この時、1回目に読んでいて「?」となった箇所を精読するのもオススメです。
実装でつまずいたときや、興味のある機能の解説を重点的に確認し、実務やスキルアップに役立てるための土壌を整えましょう。
3回目以降は辞書として使う
3回目以降は辞書のように使うのが効果的です。開発中などに疑問が出てきたら、その部分だけを再度読み返し、答えを探る形で活用します。そうすることで技術書の情報を実務へダイレクトに結びつけることができます。
技術書は読み方やタイミングを間違えると効率が悪くなったり、学習を挫折する原因になることがあります。初学者は無理に技術書を読み始めるのではなく、実務経験をしっかり積むことをオススメします。
実務を通して前提知識や業務フローが身についた段階で、技術書を通して足りない知識の補強をしましょう。正しいタイミングで使えば、技術書はスキルアップの大きな味方になってくれます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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