NumPyとは
NumPy(Numerical Python の略) は、Pythonで数値計算を効率的に行うためのライブラリ。
特に多次元配列を操作するための強力な機能と、さまざまな数値計算用の関数が提供されている。これにより、Pythonで機械学習のコーディングやデータ分析を行う際には欠かせないツールとなっている。
数値計算やディープラーニングの実装にも使われており、このライブラリを使うことによって、以下のようなメリットがある。
- NumPyを使うことで、時間がかかる計算を高速に処理できる
- 計算に必要な配列を簡単に作れる
- シンプルな書き方で配列の演算処理ができる
- AI や機械学習を実装する際に便利な関数が多く用意されている
NumPyを使うことで、演算処理時間の短縮、ソースコードをシンプルに記述できる。
このようなメリットから、データ分析、機械学習では特にNumPyが多く使われている。
NumPyの機能
NumPyの主な機能は以下。
- 多次元配列を作る機能
- 機械学習と統計
- 数値計算
多次元配列を作る機能
NumPyでは、複数の一次元配列によって作られる 「多次元配列」 を簡単に書ける。
NumPyの多次元配列は、行列として扱え、データ分析や機械学習での計算をシンプルにできる。
ディープラーニングでは 「テンソル」 と呼ばれる多次元配列を入力することで、データ分析、機械学習の基礎になる。
機械学習と統計
NumPyは行列同士の演算はもちろんのこと、行列演算がもととなっている 機械学習や統計 にも使える。
例えば「最小二乗法」という機械学習におけるシンプルなアルゴリズムも、NumPyを使えば簡単に実装可能。
また、統計量も、合計、平均、分散などを求める関数を使用して算出できる。
数値計算
Numpyを使えば、データ分析や機械学習を構成する基礎にもなっている 「数値計算」 といわれる分野にも応用できる。
数値計算は簡単には解けない問題に対して、近い数値を答えとして求める手法を扱い、例えば、
- 最小二乗法
- ニュートン法
- 固有値計算
- フーリエ変換
など機械学習やディープラーニングではよく使われる手法を扱う。
NumPyを利用するメリット
NumPyを利用するメリットは多くあるが、そのうちの2点を列挙。
- 高速な計算の仕組み
- ブロードキャスト
高速な計算の仕組み
NumPyは、Pythonだけで書くよりも処理を高速化できる。
NumPyのコアとなる部分は、主にC言語やC++言語という、Pythonと比べると高速に処理を実行できるプログラミング言語で作られているため、Pythonだけで書くよりも速くなる。
そのほかにも、NumPyはCPUの最適化やビルド時に利用する「BLAS」や「LAPACK」と呼ばれる機械学習に必要な行列演算を処理するライブラリを使った高速化も可能にしている。
ブロードキャスト
通常、行列の足し算や掛け算は要素数と次元が同じでないとできず、多次元配列の場合、要素数が異なる多次元配列同士では計算が不可能。
NumPyには、このルールを緩和できるメリットがあり、それが 「ブロードキャスト」 という機能。
このように、本来はタブーである計算を有効にする機能であり、このブロードキャストのおかげで実装を直感的に行うことができる。
もちろん足し算だけではなく、引き算、掛け算などでも同様に機能する。
まとめ
- NumPyはPythonで数値計算を効率的に行うためのライブラリ
- データ分析、機械学習では多く使われている
- 「多次元配列」「機械学習」「統計学」「数値計算」といった機能がある
- NumPyを使うことで計算の高速化、ブロードキャスト等のメリットがある
NumPyは機械学習だけでなく、画像処理、音声処理、他にも多くの問題に適用できる。