サーバー移行を行う際、IPアドレスの変更やDNS設定が重要なポイントとなります。
本記事では、移行時にDNSを利用した名前解決がどのように影響するか、またNAT導入のメリットについて解説します。
変更時に影響を受ける対象
移行対象のサーバーに直接影響を受けるのは、そのサーバーに通信を行っているクライアントや他のサーバーです。
具体的には、以下の2つの通信パターンが考えられます。
1. PCクライアント等の不特定多数の通信元
ほとんどの場合、DNSを使って名前解決を行っているため、影響は小さいと考えられます。
2. サーバー間の通信や連携
サーバー間の通信では、DNSを利用していれば問題は少ないです。
ただし、DNSを利用していない場合、手動で設定を調査する必要があります。
サーバー単位でのDNS利用確認
DNSログとサーバー一覧を参照することで、DNSを利用しているかどうか確認できます。
一定期間ログに出力がない場合、そのサーバーはDNSを利用していない可能性が高いです。
個々の通信がDNSを利用しているかの確認
通信ログからの判断は難しいです。
アプリケーションやソフトウェアの設定を調べ、IPアドレスが直接記述されていないかを確認します。
私見
DNSを利用した名前解決が行われているかどうかがポイントとなります。
しかし、スマートで確実な確認方法は存在しないのが現状です。
維持した場合の課題
サーバー移行において、IPアドレスの変更を避けるためには、同じネットワークセグメント内での移行が必要です。
ただし、新旧のサーバーが同時稼働しないことが前提条件となります。
私見
この選択肢は一見シンプルに見えますが、前提条件が多く事故のリスクが高いです。
派生的な解決策としてNATを利用してIPアドレスを変換することも考えられます。
結論:どうすれば良いか
いろいろな要素を考慮および様々な前提を無視した結果、以下の手順で進めるのが最善とこの記事ではお伝えします。
- IPアドレスの変更を前提として移行を進める
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各サーバーの名前解決の利用状況を調査する
- 調査は基本的に人力で行う必要があります。
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NATの導入を検討する
- 名前解決の利用有無や調査の難易度
- 通信が途絶えた場合の影響
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新サーバーへの切り替え手順
- NATに新旧IPアドレスのマッピングを登録する
- DNSサーバーのホスト名とIPアドレスのマッピングを変更する
- NATのログを確認し、旧IPアドレスへの通信があるかどうかを確認する
- 旧IPアドレスへの通信があれば、通信元の接続設定を変更する
- 最終的にNATへの通信がなくなったら、NATを廃止する
サーバー移行時のIPアドレス変更やDNS利用の確認は、手間がかかる作業ですが、適切な手順を踏むことでスムーズに移行が完了します。問題が起きないよう、DNSやNATの設定を事前にしっかり確認して進めてください。