はじめに
この記事は「リフレクション(内省)」(以後リフレクションとする)について筆者の学習記録となります。
なるべく目に留まるようにタイトルにChatGPTと入れましたが、ChatGPTには一切触れていません。
しかしながら、ChatGPTを使う人間も同時に成長しなくては、せっかく良いツールを与えられても使いこなせずに終わってしまいます。
この機会にリフレクションへの理解を深めて自身の成長を促してみてはいかがでしょうか。
本記事では以下の書籍を参考にしています。
リフレクション
私たちは得たい結果を手に入れるために誰しも「行動」をしています。
例:成果を残す為に難しい仕事をする。
また、得たい結果が得られていない場合は、その「行動」の見直しは誰しも行っていると思います。
しかし、行動を変える為には実はその背景にある「経験・感情・価値観」を捉える必要があります。
リフレクションでは、この「行動」を行なった背景まで踏み込んで振り返りを行います。
定義
「自己を客観的かつ批判的に振り返る行為」です。
リフレクションを行うことにより、これまで通りのやり方やのモノ見方を、そのまま適応するのではなく、批判的スタンスで、経験から学び、考え行動することが可能になります。
少し脱線しますが、最初に「リフレクション」と聞いた時、私はファイナルファンタジーの呪文にある「リフレク」をイメージしました。(全然違いますが)
私は知りませんでしたが、プログラミング言語のPHPでもReflectionクラスなるものがあるらしいです。
Wikipedia|リフレクション (情報工学)
反省との違い
振り返りと聞くと、思い浮かべる単語の一つとして「反省」があるかと思います。リフレクションも振り返りの方法ですがその反省とは似て非なるモノです。
反省は、自分の行動や結果に対して、過失や誤りを認め、自責の念を持って悔い改めることを指します。
過ちを認めることができるため、自分自身を高めるための学びや気づきを得ることもありますが、申し訳ないと感じたり、後悔の念により学びに必要な「心理的安全性」が失われて しまい、結果として学べない可能性も多くなります。
反省 | リフレクション |
---|---|
どんな間違いが起きたのか | 実際の結果は |
誰の責任か | ありたい姿と結果のギャップは? |
謝罪・言い訳 | なぜギャップが生まれたのか? |
結果に価値がある | 経験に価値がある |
過去に向いている | 未来に向いている |
まとめると下記のような違いがあります。
- 反省:変えられない過去に対する反省と責任追求
- リフレクション:学びの可視化と活用
メタ認知
認知とは「外界にある対象を知覚して、それが何なのかを判断する」ことです。
この行為は誰もが当たり前のように実践していることです。
例:(知覚)目の前のレモンを見て->(判断)食べたらすっぱいな
メタ認知とは「認知していることを認知する」ことです。
リフレクションにはあらゆる経験を学びに変える力がありますが、やみくもに取り組んでも効果が薄れてしまいます。
メタ認知力を高めることにより、より質の高いリフレクションを行うことができます。
認知の4点セット
このフレームワークを用いるとメタ認知を可視化し、メタ認知力を高めることができます。
やり方は、自分が認知している事柄を「意見」「経験」「感情」「価値観」の4つに分類し言語化します。
こうすることにより自分の内面を他面的に深掘りし、柔軟な思考を持つことができるようになります。
項目 | 内容 |
---|---|
意見 | あなたの意見はなんですか? |
経験 | その意見の背景には、どのような経験や、経験を通して知っていることがありますか? |
感情 | その経験には、どのような感情が紐づいていますか? |
価値観 | 意見、経験、感情を俯瞰して、あなたが大切にしていることが何かを明らかにする |
意見について
「考え」「学び」「思ったことを」について書き出します。
経験〜価値観を含めてしまいそうになりますが、最初は含まれてしまうことに躊躇せずにまずは切り分けることに意識を向けます。
経験について
「意見の背景にある経験」について書き出します。「いつ」のような時間も含められると次の「感情・価値観」が出しやすくなります。
読んだり聞いたことであってもかまいません。
感情について
「その経験や知識に対して、どのような感情を抱いているのか」について書き出します。
大きくはポジティブかネガティブの2種類に分類されます。
感情を言葉にすることが難しい場合は「プルチックの感情の輪」を参考に近しい言葉をあてはめてください。
Wikipedia|感情の一覧
価値観について
「判断に用いた基準や尺度」「モノの見方」について書き出します。
価値観は抽象概念のため、慣れるまではGoogleで「価値観 リスト」のように検索し、そのリストを使うのも良いです。
実践例
テーマ:犬を見た時
Aさん | Bさん | |
---|---|---|
意見 | 犬が好き | 犬が嫌い |
経験 | 昔から犬を飼っていた | 手を噛まれて怪我をしたことがある |
感情 | 喜び・安心 | 怖い |
価値観 | 犬はかわいい・癒しの存在 | 近づくと危険 |
上記のように同じ犬を見ても、その人が持つ「意見」「経験」「感情」「価値観」には違いがあります。
そのため同じような経験(今回は犬を見た)をしたとしても、その経験から何を受け取るのかは人によって異なります。
(私は幼い頃はBさん、大人になってAさんの価値観になりました)
自分を知るリフレクション
リフレクションには4つの方法がありますが、本セクションでは「自分を知るリフレクション」について紹介します。
このリフレクションは自分の動機の源でもある「内発的動機」について知れます。
動機の源を把握しておけば、自分のモチベーションを自ら動かしやすくなります。
外発的動機と内発的動機
外発的動機とは「報酬や評価、罰則や懲罰といった、外部からの働きかけによる」動機のこと。
内発的動機とは「物事に対する強い興味や探求心など、人の内面的な要因によって生まれる」動機のこと。
近年注目されている組織論の一つの「自立型組織」ではこの「内発的動機」によって駆動されることが重要視されています。
やり方
今回は「キーワードを活用したリフレクション」を紹介します。
キーワードはニューメキシコ大学が公表している「価値観リスト80」を使います。
いろいろなページにありますが、今回は下記ページの記載内容を使います。
知ってトクする!|自分を知るための80の価値観リスト
上記のリストの中から「最も大切」だと思うキーワードを選んで、認知の4点セットでリフレクションをします。
項目 | 内容 |
---|---|
意見 | どのキーワードを選びましたか? |
経験 | このキーワードを大切だと感じた経験は、どのようなモノでしたか? |
感情 | どのような気持ちでしたか? |
価値観 | そこから見えてくる、あなたを突き動かす大切な価値観は何ですか? |
※書籍には他のやり方も紹介されていたので気になった方は是非。
実践
では実際にリフレクションをやってみます。
下記は筆者の自己のリフレクション内容となります。
テーマ:私が大切にすること
項目 | 内容 |
---|---|
意見 | 正義 |
経験 | 幼い頃、酒・タバコ・ギャンブルなどに依存している人間をみて、幼心にこういう人間にはなりたくないと感じていた。 会社員時代にとあるミャンマー人の同僚と出会い、快楽に溺れていない高次元な立ち振る舞いに刺激を受けた。 |
感情 | 嫌悪:自己を律することができない人間にたいする。 尊敬:理想とする振る舞いではあるが、他者に強制することのない姿勢に対する。 |
価値観 | 誘惑に負けない強い心 本質の追求 |
私の価値観は上記ということがわかりました。
このようなワークを通じて自己・他者理解が進めば、より良い組織が造れると思います。
まとめ
変化の激しい現代社会において、今は情報が溢れています。そんな中、取捨選択を行い適切な情報を受け取り、解釈する為にはまず自分を知ることが大切なのだと改めて感じました。
そのためにも自分自身と向き合う時間を意識して、価値観を知り、必要に応じて変化し、自己実現していきたいと思います。