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eeic (東京大学工学部電気電子・電子情報工学科)Advent Calendar 2017

Day 25

ブロックチェーンはどのようなサービスで活用できるのか

Last updated at Posted at 2017-12-24

ブロックチェーンが実際にどういうことに使えるのか? ということで調べたのでまとめました。

ブロックチェーンとは

いろんなサイトや本でブロックチェーン入門ということで扱っていますし、それらよりわかりやすく説明できる気もしないので、ここでは簡単に紹介だけします。
すごい簡単にいうと、各取引の内容(またはその一部)を参加者全員が把握でき、参加者の一部がその取引を検証し、安全性を保つというものです。取引において中心となる組織がないというのも大きな特徴です。
また、ブロックチェーンを大きく分けるとパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの二つがあり、それぞれで特徴が大きく異なるので、気になる方は調べてみてください。
パブリックブロックチェーンの例としてはビットコインが有名ですが、それ以外にもイーサリアムというプログラムをブロックチェーン上に載せられるものや、通貨交換の仲介を目的としたリップルというものもあります。
プライベートブロックチェーンは銀行などが利用しようとして、検証実験を行っているそうです。

何ができるか

ブロックチェーンの活用方法として、大きく分けると二種類になると思います。
メインのサービスとしてブロックチェーン自体の特徴を生かしたものと、ブロックチェーン自体は単なる送金目的で使い、参加者のマシンパワー等をメインとして扱うものがあります。
前者のサービスが例としては圧倒的に多いです。
以下にそれぞれの例をあげていきます。

ブロックチェーン自体の特徴を生かしたもの

  • 取引が可視化でき、改ざん困難

信頼性が大切なものに利用可能。
土地の所有件、絵画やダイヤの真贋保証、著作権、選挙、契約、株式取引、貿易
これらに導入することで、今までその価値や信憑性を保証していた中間の組織が不要となり、手数料の面でのメリットがある。

  • 公平性の担保

中間組織は存在せず、組織の意図が参加者の不利益につながりづらい。
メディアやカジノと相性が良いと思われます。
特にメディアで活用するという考えが気に入っています。
今はメディアが独断で取り上げるニュースを選んでいるので、メディアの意図が入りまくりです。そではなく、いい記事を書いた人に報酬を付与し、またその書かれたいい記事を早くに見つけた人にも報酬を与えることで、参加者は厳選された良い記事を見れるというものです。

  • 信頼性

個人の履歴書に活用しようというもの。
ブロックチェーンの、過去の記録ほど改ざんしにくいという特徴を生かし、自分がしてきたことをどんどんブロック上に記録していき、またそこに第三者の承認も組み合わせていく。
例えばある大学を卒業したという記録をブロックチェーンに自分で書き、大学側もその事実の保証をブロックチェーン上でする。
そうすることでその人の経歴は信頼性のあるものとわかる。

  • 複数の組織を介するとりひきにおいての品質保証の確認が簡単

取引が可視化でき、改ざん困難という特徴と被るが、それに加えて保証の確認が簡単にできるということで、貿易や食品流通での運用と相性が良い。

  • 非中央集権でない

企業のサービスの一部をパブリックなブロックチェーンに載せることができれば、その企業が潰れようともそのサービスは潰れなくなる。企業の発行するポイントをパブリックブロックチェーンに載せるなど。

  • 情報の管理と金の流通が一元化できる

全員がすべての情報を見れると困るが、そこに気をつけた上で、国が管理している個人情報をブロックチェーンで全て管理、給料などもブロックチェーン経由で受け取ることで、税金も全てブロックチェーン上で完了する。
エストニアがこれと似たことをしているらしいです。

参加者のマシンパワー等をメインとして扱うもの

多くの人が参加者になるということを生かしたサービスです。

  • 参加者にマシンパワーを提供してもらい、その対価として報酬を与える。

ビットコインはマイナーがマシンパワーを使って取引の正当性を保証するかわりに、対価をもらいます。
また、ARやVRなどのマシンパワーを必要とするとき、ブロックチェーンの参加者のマシンパワーを借りて、その報酬をブロックチェーン上で払うというサービスの開発もあります。

  • 参加者にストレージを提供してもらい、その対価として報酬を与える。

参加者はストレージをブロックチェーン上で提供し、利用者はそのストレージを分散データベースとして利用できます。参加者はストレージを提供し続けることで、それに対しての報酬を受け取り、その報酬は利用者のストレージ利用料から出ます。

  • インターネット広告の代わり

利用者視点だと、広告は邪魔ですよね。ページやアプリの作成者も邪魔と思われる広告をできれば載せたくないはずです。しかし、収入のためには広告は必要です。
そこで、広告ではなくページやアプリの訪問者のマシンパワーを借りて、マイニングしちゃうことで利益を出そうとするものです。
実際に勝手にその仕組みを導入したサイトがあり、物議を醸していましたが、大抵の人にとってはcpuを少し使われたことの影響はないはずなので、セキュリティなどの課題をクリアすればいいアイデアだと思います。

その他サービス

  • 電力システムをブロックチェーンのように管理する

これもブロックチェーンというのかはよくわからないのですが、面白かったので書きます。中央集権をやめるという意味ではブロックチェーンの特徴があるのだと思います。
今までは電力会社から一方的に電力を買っていただけですが、それが太陽光発電など、家庭でも発電できるようになった現代では、家庭と家庭間でも電力を売り買いできるようにできる方が良いよねというものらしいです。また、家の外での携帯の充電なども、今充電にこれだけ電力を使ったから、携帯の持ち主から何円支払われます、とかいう事ができるかもしれないらしいです。盗電の心配が無くなります。

  • ICO

これはすでに多大なる影響をもたらしていますね。ICOとは、企業が「これからサービスを作るから、そこで使える仮想通貨を安い値段で売ります」みたいな感じで売り出して、資金調達する手段です。アメリカではかなり盛んに行われていて、ベンチャーキャピタルの投資額を上回っているそうです。ICOの良い点は、株を売るわけではないので、経営を外部に管理されるような事態に陥りにくいとこです。また、現時点では規制はほぼないという状況ですので、VCからの資金調達やIPOなどよりはるかに簡単に行うことができます。しかし、問題はかなり深刻です。現在数多くあるICOの大半は詐欺か、ちゃんとした計画がない状況です。ICOでは悪い情報を公開する義務もなく、プロジェクトの進行状況も報告する義務もないので、そのような状況になるのは当然ですね。ICOという資金調達手段はかなり画期的ですが、何らかの規制や監査機関は必要不可欠です。

まとめ

ブロックチェーンを使った意味のあるサービスはなかなか難しいです。
これをブロックチェーンでやろう!となっても大体は中央集権的な今までの仕組みでよくない?となります。
しかし、うまく活用すれば今までに無い価値が提供できる可能性を秘めていると思うので、ブロックチェーンのメリットとデメリットをちゃんと捉えていきたいですね。

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