はじめに
こんにちは!
サッカー選手から転身してSEをしている@よしきです!
この記事では、Google CloudのVertex AI Agent Builderを使って、ノーコードで作れる「仕様書理解ボット」の構築方法を解説します。
背景
受託開発や社内SE業務において、既存機能の改修を行う際に「そもそもこのシステムってどんな機能があったっけ?」「今回の仕様変更に必要な修正箇所はどこだ?」と、設計書や過去資料を延々と読み返す作業に時間を取られることはありませんか?
僕もそんな状況に何度も直面してきました。
- 設計書を開いても、どのファイルに何が書いてあるのか探すのに時間がかかる
- コードと設計書がズレていて、結局人に聞くしかない
- ナレッジが点在していて活用されていない
そんな課題を解決する手段として、「設計書とプログラムを学習したAIボット」があれば最強なのでは?と考えました。
究極的には「こんなふうに仕様変更したい」と伝えると、「ここをこう改修したら実現できます」と返してくれたり、「過去に似た案件あったっけ?」と聞けば「XXの案件で似たような機能があったよ」と教えてくれるような、社内ナレッジを集約するAIボットが作れたら最高!
まずその第一歩として、今回は Vertex AI Agent Builder(AI Aplications)を使って、仕様書(設計書)を読み込んで質問に答えるBot をノーコードで構築してみた記録をまとめます。
参考
作ったもの
受託開発の設計書の文脈を理解し、問いかけると該当部分を引用して回答してくれるチャットボット
技術構成 : Vertex AI Agent Builder + Cloud Storage
課題
Google Driveが使えない問題
今回は個人のGCPライセンスを使用したため、Agent BuilderからGoogle Driveを直接参照することはできません。
そのため、設計書をCloud Storageに配置することで代替しました。
実装手順
1. Cloud Storage バケットの作成と設計書のアップロード
- GCPコンソールから Cloud Storage を開き、新しいバケットを作成
- 設計書(ExcelやPDFなど)をこのバケットにアップロード
2. Vertex AI の「AI Application」でアプリ作成
- 「AI Application」 セクション内の「アプリを作成する」から新規アプリを作成
- 作成時にアップロードした Cloud Storage のフォルダをデータソースとして紐付け
実際にBotに質問してみた
おぉ!どのドキュメントからの回答なのかも明示してくれてる!
設計書のExcelをきちんと読み込んで理解している!
まとめ
- 設計書や仕様書のナレッジボットは、社内情報を活かす鍵になりそう
- シンプルなBotならAgent Builderを活用すれば、ノーコードで実現可能
- 個人用GCP環境でも、Cloud Storageと組み合わせれば構築できる
今後はGitHubのコードも連携し、「仕様とコードの橋渡し」をするBotに拡張したい!!
以上!ありがとうございました!!