RaspberryPiでcondaもpython3.6も使いたければ、Berry Condaを使うのがよさそうです。
Berry CondaはRaspberry Pi用のcondaディストリビューションです。
condaとは何か、何がいいのか、という点についてはこちらが詳しいです。
#環境
RaspberryPi3 Model BにRaspbianを入れています。
検証していませんが、おそらくほかのRaspberryPiの型でも可能です。
#背景
2017/12/6現在、RaspberryPiでcondaを使いたいと思って調べると、かなり古いバージョンのminicondaを使う方法が出てきます。(このページなど)
これはRaspbianに対応するminicondaがアップデートされていないからなのですが、このminicondaを使うとpython3.4までしか入らないみたいです。
python3.5以上を使うにはどうすればいいかというと、python自体のソースコードをビルドする方法が真っ先に出てきます。面倒ですね。
追記 Raspbianのバージョン9.0以上ではもともとpython3.5が入っているようです
私は、まあpython3.4でもいいかと思ってminicondaを使っていました。
#それでもpython3.6を使いたい! あ、でもcondaも……
一度condaの便利さを知ってしまったら、もうcondaなしでは生きていけません。
調べていると、Berry CondaというRaspberryPi用のcondaを作って管理してくださっている方がいました。
思いのほか簡単にインストールできたので紹介します。
#え、もうminiconda入れたんだけど……
という方は、ターミナル上で、
$conda config --add channels rpi
$conda install python=3.6
($は先頭を表しているだけなので打ち込まなくていいです)
とすればpython3.6がインストールされます。Berry Condaの作者、jjhelmus氏が rpi というRaspberryPi用のチャンネルを作ってくださっているみたいです。
そのあと、python3.6を使う場合には、
$conda create -n py36 python=3.6
とすると、python3.6の仮想環境が作られます。py36の部分は各自お好みの名前を付けてください。
#minicondaなんてしらん! Berry Conda入れたい!
という方、https://github.com/jjhelmus/berryconda のREADME.mdが正確ですので、できればそちらを参考にしてください。ただ、現状ではBerry Condaについての日本語ページが全くないようなので、念のためここにインストール方法を書いておきます。
###0. 初めに
Berry CondaはRaspbianのバージョンがjessieでないと保証していないようです。
バージョンを調べるには、
$cat /etc/debian_version
として、
8.0
と出力されればjessieであるとわかります。8.1など、8から始まるならjessieです。
ここでもしjessieでなければ、Berry Condaは保証されません。
###1. インストーラをRaspberryPiにダウンロードする
自分のRaspberryPiのモデルに合わせてBerrycondaのバージョンを選択します
- RaspberryPi 2 または 3 の場合はarmv7lインストーラを使います
- RaspberryPi 1 または Zero の場合はarm6lインストーラを使います
また、使うpythonのバージョンも選択することができます。
- python2.7で使いたい人はBerryconda2を選択してください
- python3.6で使いたい人はBerryconda3を選択してください
以下にリンクを貼っておきますが、心配な方は公式ページでダウンロードしましょう。
armv7l installers (Raspberry Pi 2 or 3)
armv6l installers (Raspberry Pi 1 or Zero)
私の場合、RaspberryPi3にpython3.6を入れたかったので、Berryconda3-2.0.0-Linux-armv7l.shを選択しました。
###2. インストーラを実行する
インストーラはそのままでは実行できません。
ターミナルからインストーラのあるディレクトリまで行きます。そこで、
$chmod +x Berryconda3-2.0.0-Linux-armv7l.sh
$./Berryconda3-2.0.0-Linux-armv7l.sh
とするとインストールが始まります。ここで、Berryconda3-2.0.0-Linux-armv7l.sh はダウンロードしたファイルですのでバージョンなどによって適宜変えてください。
実行が始まると、
- 初めに、CUIでライセンスを表示しだします。Enter を押すと下の行に進んでいって、最後まで行くとライセンスに承諾するかと聞かれるので、承諾するなら
yes
と打って Enter キーを押します。 - 次に、Berry Conda のためのディレクトリの場所は usr の home の下でいいかみたいなことを聞かれるので、良ければEnterキーを押します。特に希望があれば、指示に従いながら変更してください。
- 最後に、.bashrc にPATHを追加していいかと聞かれるので、競合するソフトウェアなどなさそうなら追加していいと思います。
###3. 確認
インストーラの実行が終わったら新しいターミナルを立ち上げて、
$python -V
などとしてpythonのバージョンを確認してみましょう。3.6になっていたら成功です。
あとは通常のcondaと同様に操作が可能です。Anacondaと違って初めはほとんどパッケージが入っていません。
入っているパッケージは、
$conda list
などで確認できます。
condaの使い方は、
- https://conda.io/docs/user-guide/index.html (英語、公式)
- https://qiita.com/t2y/items/2a3eb58103e85d8064b6 (日本語、ほぼAnacondaの解説)
- https://gist.github.com/aphlysia/d5fcee79ff81b8272faf (日本語、簡潔)
などを見てください。
#終わりに
初投稿です。記事を投稿するのはやはり大変ですね。
Berry Condaでしばしば表記揺れがありますが、できるだけ公式ページに準拠しています。
このページで初めてBerry Condaを知りましたが、berrycondaで検索しても英語のページばかり35件しかヒットしなかったので紹介させていただきました。
余談ですが、僕はminicondaを既に入れていた場合の方法を見逃していて、一度minicondaをアンインストールしてBerry Condaを入れました。ですので、実はminicondaのままrpiのchannelからpython3.6を入れる方法は試していません。
需要があるかわかりませんが、minicondaのアンインストール時に参考にしたページを貼っておきます。このページではminiconda用のPATHの位置が~/.bashrcだとか~/.bash_profileだとか書いていますが、私の環境では~/.profileの中にありました。
さらに余談ですが、作者のJ.J.Helmus氏のGitHubページをみていると、Anaconda, Incと書かれていました。Anaconda謹製といっても過言ではありません(過言です)。いずれAnacondaのページからもリンクが貼られるといいですね。