#はじめに
DockerでPrometheus、Grafana、Alertmanagerを同時に動かしてみました。
その際AlertmanagerからSlackに通知が行くようにしています。
##Prometheusとは
Prometheusはオープンソースの監視ツールで、元々は2012年にSoundCloudで作られたものです。その後様々な企業に採用され、プロジェクトは活発になっていきました。
多次元データモデルやHTTPのpull型通信を用いた時系列収集が特徴で、グラフやダッシュボードがサポートされています。
##Grafanaとは
GrafanaはPrometheusやInfluxDBと連携してグラフ描写を行えるデータダッシュボードソフトウェアです。
Prometheusにデフォルトで付いているグラフ描写機能はカスタマイズ性が少なくて監視するサーバの数が多くなるとただただ見にくいので、Grafanaで独自にカスタマイズしたダッシュボードを使うことがオススメです。
##Alertmanagerとは
Alertmanagerは、クライアントに障害が起きたときにメール、Slack、Hipchatなどに通知を送ることができます。
通知を行うルール自体はPrometheusに設定しておきます。Alertmanagerではどのツールに通知を送るかを定義します。
#実装
最終的なディレクトリ構成は次のようになります。
├── docker-compose.yaml
├── prometheus
│ ├── alert.rules
│ └── prometheus.yaml
└── alertmanager
└── config.yaml
## docker-compose.yaml まずはdocker-compose.yamlです。alertを試すためにダミーでnode-exporterのコンテナを作ります。
version: '3'
services:
prometheus:
image: prom/prometheus
container_name: prometheus
volumes:
- ./prometheus:/etc/prometheus
command: "--config.file=/etc/prometheus/prometheus.yaml"
ports:
- 9090:9090
restart: always
exporter:
image: prom/node-exporter:latest
container_name: node-exporter
ports:
- 9100:9100
restart: always
grafana:
image: grafana/grafana
container_name: grafana
ports:
- 3000:3000
restart: always
alertmanager:
image: prom/alertmanager
container_name: alertmanager
volumes:
- ./alertmanager:/etc/alertmanager
command: "--config.file=/etc/alertmanager/config.yaml"
ports:
- 9093:9093
restart: always
## prometheus.yaml 次にprometheus.yamlです。監視対象、通知ルール、alertmanagerへの通知を定義します。
global:
scrape_interval: 15s
evaluation_interval: 15s
external_labels:
monitor: 'codelab-monitor'
rule_files:
- /etc/prometheus/alert.rules
alerting:
alertmanagers:
- scheme: http
static_configs:
- targets:
- alertmanager:9093
scrape_configs:
- job_name: 'prometheus'
static_configs:
- targets:
- prometheus:9090
- node-exporter:9100
## alert.rules 次にalert.rulesです。ここではインスタンスが5分間ダウンしていたら通知を送るよう設定します。
groups:
- name: example
rules:
- alert: instance_down
expr: up == 0
for: 5m
labels:
severity: critical
annotations:
summary: "Instance {{ $labels.instance }} down"
description: "{{ $labels.instance }} of job {{ $labels.job }} has been down for more than 5 minutes."
##config.yaml 最後にconfig.yamlです。これはalertmanagerがどこに通知を行うかを設定します。今回はSlackに通知を行くよう設定します。
global:
slack_api_url: 'https://hooks.slack.com/services/***/***/******'
route:
receiver: 'slack'
receivers:
- name: 'slack'
slack_configs:
- channel: '#alerts'
#実行
実際に試してみましょう。
$ docker-compose up -d
#確認
##Prometheus
http://localhost:9090/targetsにアクセスしてみます。
2つのインスタンスの状態がupであることを確認できます。
##Grafana
http://localhost:3000にアクセスします。初回はユーザ名とパスワードを要求されますがadmin/adminで大丈夫です。ログインしたら左側のメニューからDashboardsを選びData Sources選択画面に移ります。
Data SourcesにPrometheusを選択すると下の画面が表示されますが、HTTPのURLにhttp://localhost:9090
、AccessにBrowser
を選択しSave&Testボタンを押せば設定完了です。
DashboardsタブからPrometheus 2.0 Statsをimportします。
実際にダッシュボードを見てみましょう。デフォルトで色々なグラフが表示されています。自分でカスタマイズも可能です。
##Alertmanager
http://localhost:9093/#/statusにアクセスします。きちんとSlackの情報がconfigに書かれていることを確認します。
この設定がうまくいっていないとデフォルト設定のままとなってしまい、Slackに通知することができません。試しにnode-exporterのコンテナをstopさせます。
$ docker container stop node-exporter
すると5分後Slackに通知が来るが確認できます。
#まとめ
Dockerを用いてPrometheus、Grafana、Alertmanagerのコンテナを作成し、Slackへの通知の流れを説明しました。ちなみに、Grafanaのグラフは設定ファイルから作成できるのでDockerを用いる場合はファイル作成した方が良いです。