はじめに

Windows 11でLinux開発環境を構築したいけど、どこから始めればいいかわからない。
そのような方のために、WSL2 + Ubuntu環境にAmazon Q Developer CLIまで導入する手順を一気通貫で解説します。

この記事では、環境の前提条件から実際のコマンド実行まで、すべて実践的な内容で構成しています。

📌 この記事で学べること

Windows 11でのWSL2環境構築手順
Ubuntu 最新版のセットアップ方法
Amazon Q Developer CLIの導入と使い方
よくあるトラブルシューティング

🖥️ 環境の前提条件

システム要件チェック

まず、あなたのPCが以下の要件を満たしているか確認しましょう：

ハードウェア要件

プロセッサ: 64ビットプロセッサ（仮想化サポート必須）
メモリ: 最低4GB（8GB以上推奨）
ストレージ: 5GB以上の空き容量

ソフトウェア要件

OS: Windows 11（全エディション対応）
Windows Update: 最新の更新プログラムが適用済み
仮想化: BIOS/UEFIで仮想化機能が有効

🔍 仮想化サポートの確認

Step1: PowerShellを管理者権限で起動

Windows + R → powershellと入力
Ctrl + Shift + Enterで管理者権限で実行

Step2: PowerShellコマンドを実行する

Get-ComputerInfo -Property "HyperV*"

期待される結果:

HyperVRequirementVMMonitorModeExtensions      : True
HyperVRequirementVirtualizationEnabledInFirmware : True
HyperVRequirementSecondLevelAddressTranslation   : True
HyperVRequirementDataExecutionPreventionAvailable : True

重要: HyperVRequirementVirtualizationEnabledInFirmware : True が表示されることを確認してください。

🚀 WSL2の有効化とインストール

Step1: PowerShellを管理者権限で起動

Windows + R → powershellと入力
Ctrl + Shift + Enterで管理者権限で実行

Step2: Linux 用 Windows サブシステムを有効化する

dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart

Step3：仮想マシン機能を有効化する

dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart

Step4: システム再起動

Restart-Computer

🐧 Ubuntuのインストールとセットアップ

Step1: PowerShellを管理者権限で起動

Windows + R → powershellと入力
Ctrl + Shift + Enterで管理者権限で実行

Step2：既定のWSLバージョンを2に設定する

wsl --set-default-version 2

Step3：WSLをインストールする

wsl --install

Step4: Unix User,Passwordを設定する

Create a default Unix user account:
New password:
Retype new password:

Step5: パッケージリストを更新、最新化する

sudo apt update
sudo apt upgrade -y

Step6: UbuntuからExitする

exit

🤖 Amazon Q Developer CLIのインストール

Step1: ファイル名を指定して実行

Windows + Rを押下、「ファイル名を指定して実行」で“wsl”と入力して「OK」をクリック

Step2: Amazon Q Developer CLIをダウンロードする

wget https://desktop-release.q.us-east-1.amazonaws.com/latest/amazon-q.deb

Step3: 必要なパッケージをインストールする

sudo apt install -f

Step4: Amazon Q Developer CLIをインストールする

sudo dpkg -i amazon-q.deb

🤖 Amazon Q Developer CLIの初期設定

Step1：Amazon Q Developer CLIにログインする

q login

Step2 : ライセンスを選択する

Select login method ›
❯ Use for Free with Builder ID
Use with Pro license

ログインオプション

AWS Builder ID: 無料アカウント
Pro License: 有料ライセンス

Step3：表示されたURLにアクセスする

Open this URL: https://view.awsapps.com/start/#/device?user_code=＜認証キー＞

Step4：認証する

AWS Builder IDを新規作成する場合は、画面遷移が異なります。
適宜、画面の指示に従ってください。

Step5：認証されたことを確認する

	Device authorized
	Logged in successfully

✅ 動作確認

#Amazon Q CLI の環境が正しくセットアップされているかを検証
q doctor

#Amazon Q Developer CLIのヘルプを表示する
q --help

#チャットセッションを開始する
q chat

#チャットセッションをテストする
>こんにちは！

#チャットセッションのヘルプを表示する
>/help

#チャットセッションを終了する
>/quit

🛠️ トラブルシューティング

仮想化が無効の場合

Step1：PCを再起動する

Step2. BIOS/UEFIでの仮想化有効化手順

PC再起動時にBIOS/UEFIに入る（F2, F12, DELキーなど）
以下の設定を探して有効化：
- Intel: VT-x または Intel Virtualization Technology
- AMD: AMD-V または SVM Mode
設定保存後、Windowsを再起動

メモリ不足の場合

Step1：ファイル名を指定して実行

Windows + Rを押下して「ファイル名を指定して実行」を実行。以下を入力して「OK」をクリックする

"C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\WSL Settings.lnk"

Step2：メモリとプロセッサ画面で、メモリサイズを変更する

📚 WSL基本的なコマンド集

#シャットダウンする
wsl --shutdown

#ディストリビューションをアンインストールする
wsl --unregister <Distribution Name>

#ディストリビューションを一覧表示する
wsl --list --verbose

#既定のディストリビューションを設定する
wsl --set-default <Distribution Name>

#ユーザーのホームでWSLを起動する
wsl ~

#WSLを更新する
wsl --update

#WSLの状態を確認する
wsl --status

#WSLのバージョンを確認する
wsl --version

#ヘルプ コマンドを表示する
wsl --help

🎯 まとめ

この手順に従うことで、Windows 11上にWSL2 + Ubuntu環境を構築し、Amazon Q Developer CLIを正常に動作させることができます。

環境構築が完了したら、Amazon Q Developer CLIの豊富な機能を活用して、効率的な開発作業を進めることができます。

何か問題が発生した場合は、トラブルシューティングセクションを参照してください。Happy Coding!

📖 参考リンク

Windows Subsystem for Linux のドキュメント
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/

Amazon Q Developer とは?
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/amazonq/latest/qdeveloper-ug/what-is.html

Ubuntu on WSL
https://documentation.ubuntu.com/wsl/stable/