PythonのAIフレームワークをまとめてみました。個人的に見た感じ、Tensorflowが一番ドキュメントと事例が豊富そうでした。
1.Pythonフレームワークとは?
Pythonフレームワークとは、Pythonを使用して機械学習・ディープラーニングなどのAI(人工知能)やWebアプリケーション開発する際の土台として機能するソフトウェアのことを指します。つまり、共通するコード(それぞれのプログラミング言語)に機能性を加えて形成された骨組み、枠組みです。
特に機械学習・ディープラーニングなどのAI(人工知能)やWebアプリケーションなどを開発する際、膨大な量のプログラムを書かなくてはなりません。しかし、フレームワークを使用することで、プログラムの記述量を大幅に削減し、工数をさげる事が可能です。経験が浅いエンジニアでもセキュリティが担保されたプログラムを作成する事ができます。
2.フレームワークとライブラリの違い
フレームワークとライブラリの簡単に違いについてお伝え致します。
・フレームワーク
フレームワークは、プログラミングにおいて、特定のオペレーティングシステムのためのアプリケーションの標準構造を実装するのに使われるクラスやライブラリの集まりを指します。つまり、汎用的に必要なものをまとめている枠組みや骨組みのことです。
・ライブラリ
ライブラリは、汎用性の高い複数のプログラムを一つにまとめたもののことを指します。つまり、クラスや関数といったパーツのまとまりで提供されるソースコードの部品のことです。
3.Pythonフレームワークを利用するメリット・デメリット
Pythonフレームワークを利用するメリット・デメリットについてお伝えいたします。
メリット
・作業効率の改善
フレームワークを使用して開発をすることは作業効率の向上に繋がります。
フレームワークは、原形で利用できるテンプレート、再利用可能なクラス、ライブラリ、API等で構成されています。多くの人が利用して信頼できるフレームワークを導入することで、大部分のコーディングは用意する必要がなくなる為、作業効率の改善に繋がります。
さらに機能やデザインのカスタマイズも簡単に出来るため、短時間で高品質なアプリケーションを開発することが可能です。
・コードの統一性を保持
チームで開発を行う際、フレームワークを使用するとコードの統一性を保持出来るというメリットがあります。特にコーディングなどの技術力はフリーランスエンジニア毎で異なるため、コードに統一性が無くなり、結果として作業効率や開発スピードは落ちることが多いです。フレームワークという共通ルールを使うことにより、フリーランスエンジニア毎のコーディングの違いを減らします。
・バグの減少
フレームワークなしでコーディングをすると多くの箇所でバグが発生する可能性が高まります。
これは単純に開発の力量が足りなかったこともあり得ますが、フレークワークを使用することで自力で書く際よりもバグが出にくくなる傾向にあります。
デメリット
・ある程度の学習時間が必要
Python自体の学習の他にPythonフレームワークの学習にも時間を使わなければいけないことが挙げられます。知識の素早いキャッチアップが必要になります。また、ドキュメントは英語で作成されていることや市場規模が小さいPythonフレームワークは情報があまりないことなども有り得ます。
・費用がかかるフレームワークがある
Pythonフレームワークには無料で利用できるものもありますが、費用がかかるものもあります。事前にしっかりと調べてから、Pythonフレームワーク学習をしましょう。
4.Pythonフレームワークの市場動向
Pythonは技術としても安定しており、年々開発エンジニア人口が増加しているため、開発言語同様Pythonフレームワークのニーズも高まっていくでしょう。
2030年までに、IoTやAI(人工知能)などの最先端技術を担うITエンジニア人材は55万人不足する見込みがあります。
特にTensorflow・Keras・Pytorchの機械学習・ディープラーニングフレームワークを使った開発は今後拡大する可能性が高いでしょう。
ただ、フレームワークは流行り廃りがあり、現在も新しいものがどんどん開発されています。そのため、常に最新の市場動向を確認して、知識をアップデートし続けましょう。
5.おすすめのPythonフレームワーク5選
PythonはWebアプリケーションから機械学習・ディープラーニングなどのAI(人工知能)まで近年、注目されている開発言語です。また、YouTube・Dropbox・Reddit・Instagramなど数多くのサービスでPythonを使用して開発をしており、求人・案件数も年々増加傾向にあります。そのため、機能が豊富なフレームワークから軽量化を目指したフレームワークまで、様々なものが使われています。
この章では、Python開発の際によく使用されるPythonフレームワーク5選をご紹介します。
フリーランスエンジニアの方は、ぜひ興味のあるPythonフレームワークを見てみてください。
・Django
Djangoは、2005年に公開されたWeb開発用のオープンソースフレームワークです。PythonのWebフレームワークの中では、最も人気の高いフレームワークです。大規模のWebアプリケーション開発に適しています。また、Python求人・案件等で開発経験として要求されることが多いPythonフレームワークです。Djangoはサイトマップ・ユーザー認証・RSSフィードなどのWebの機能あり、Webシステム開発が簡単になるように工夫されていることが特長です。
DjangoはInstagram・Pinterestの有名なWebアプリでも使用されています。
・bottle
bottleは、非常にシンプルに作られたWeb用Pythonフレームワークです。WSGI(Web Server Gateway Interface)であるということが特長です。WSGIとは、PythonでWebサーバーとWebアプリケーションを接続するためのインタフェースを定義することを指します。
簡単な仕組みを理解するだけで使いこなせるため、bottleはPythonフレームワークを初めて学習される方はオススメです。小・中規模のWebアプリケーション開発に適しています。
・Flask
Flaskは、bottleと同様WSGIでWebアプリケーションを開発するPythonフレームワークです。マイクロWebフレームワークと呼ばれることもあり、Webフレームワークで軽量で機能が最小限しか備わっていないということが特長です。Flaskで実装したアプリケーションはWSGI対応のHTTPサーバーで簡単に動かすことができます。
なお、小・中規模のWebアプリケーション開発に適しています。
・Tornado
Tornadoは、FriendFeedが開発したWeb用Pythonフレームワークです。他のWeb用Pythonフレームワークとは異なり、時間がかかるIO処理を後回しにして、先にリクエスト処理を受け付けることができる、機能があることが特長です。
なお、2009年にFriendFeedはFacebookに買収されています。
・Plone
PloneはオープンソースのWebアプリケーション用Pythonフレームワークです。Ploneは必要な機能をすべて備えたオールインワンのパッケージであることが特長です。そのため、データベース・WebサーバはPloneに備えられており,ApacheやMySQLをインストールする必要はないです。
Ploneは、企業向けのCMS(Content Management System)の作成で主に活用されています。
6.機械学習・ディープラーニングフレームワーク3選
現在、機械学習・ディープラーニング開発が増えています。今後、AI(人工知能)関連開発に携わる時に経験としてあると良い機械学習・ディープラーニングフレームワークを3つお伝え致します。
機械学習・ディープラーニングなどのAI(人工知能)エンジニアや興味があるエンジニアなどは詳細をぜひご覧ください。
・Tensorflow
Tensorflowは、Googleが開発しオープンソースで公開している機械学習やディープラーニングに対応したフレームワークです。元々はテンソル計算を扱うために開発されたライブラリですので、計算処理が可能であることやニューラルネットに関する関数が豊富なフレームワークです。
AI(人工知能や)機械学習の分野は発展途上ですので、TensorFlowを活用したサービスが増加することが見込まれます。その他、GoogleのOSS(オープンソフトウェアライブラリ)ということもあり、公開されてから数ヶ月でユーザー数が激増したことでも有名です。
・Keras
Kerasは、TensorFlowやTheano上で動くニューラルネットワークライブラリです。ニューラルネットワークライブラリは、機械学習・ディープラーニングなどの実装をサポートするソフトウェア群のことです。Kerasは、エンジニア初心者でも実装可能なほどわかりやすく作られているため、機械学習・ディープラーニングを学習し始めるエンジニアの方には、非常に優秀なPythonフレームワークです。
・Pytorch
Pytorchは、Facebookが主導して開発されたディープラーニングフレームワークです。Pytorchは、非常に柔軟なニューラルネットワークの記述が可能でディープラーニングライブラリの中でも大変人気があります。利用者のコミュニティも年々拡大傾向にあるため、他の研究者が記述した実装を探しやすいことが魅力です。
7.Pythonフレームワークの求人・案件数
実際にPythonフレームワーク求人・案件数はフリーランスエージェント毎でどのぐらい公開されているのかを見ていきたいと思います。
フリーランスエージェント各社に公開されているPythonフレームワーク求人・案件数をお伝え致します。(2019年5月時点)