フロントエンド インタビュー ハンドブックとは?
フロントエンド インタビュー ハンドブックは、フロントエンドエンジニアが面接で聞かれそうな問題について集めた問題集です。HTML5/CSS/JavaScriptの三部に分かれており、全ての分野の知識がまんべんなく問われるようになっています。そのため学習教材として便利です。
フロントエンド インタビュー ハンドブック 公式リポジトリ
モチベーションと解いた感想など
- 新卒で会社に入って、機械学習からフロントエンドにジャンルが移ったので、知識面で界隈共通了解との差を埋めておきたい気持ちがありました。
- JavaScript編は妙に古く感じることも多かったです。他の言語と足並みが揃ったES2015以降よりも、オールドなJavaScriptのほうが挙動についての問題を作りやすいからかもしれません。
- React/Vue/Angularといったライブラリの話題は出てきません。AltJSについては一部触れられますが、回答例を調べるとかなり昔のAltJSについて述べているものが多く、TypeScriptの話はあまり出ていないようです。自分が問題集を作るなら、ES5の問題を抜いて、React/Vue/Angular + TypeScriptの問題を加えるかなと思いました。
問題本文
- Explain event delegation.
- Explain how `this` works in JavaScript.
- Can you give an example of one of the ways that working with `this` has changed in ES6?
- Explain how prototypal inheritance works.
- What's the difference between a variable that is: `null`, `undefined` or undeclared?
- How would you go about checking for any of these states?
- What is a closure, and how/why would you use one?
- What language constructions do you use for iterating over object properties and array items?
- Can you describe the main difference between the `Array.forEach()` loop and `Array.map()` methods and why you would pick one versus the other?
- What's a typical use case for anonymous functions?
- What's the difference between host objects and native objects?
- Explain the difference between: `function Person(){}`, `var person = Person()`, and `var person = new Person()`?
- Explain the differences on the usage of `foo` between `function foo() {}` and `var foo = function() {}`
- Can you explain what `Function.call` and `Function.apply` do? What's the notable difference between the two?
- Explain `Function.prototype.bind`.
- What's the difference between feature detection, feature inference, and using the UA string?
- Explain "hoisting".
- Describe event bubbling.
- Describe event capturing.
- What's the difference between an "attribute" and a "property"?
- What are the pros and cons of extending built-in JavaScript objects?
- What is the difference between `==` and `===`?
- Explain the same-origin policy with regards to JavaScript.
- Why is it called a Ternary operator, what does the word "Ternary" indicate?
- What is strict mode? What are some of the advantages/disadvantages of using it?
- What are some of the advantages/disadvantages of writing JavaScript code in a language that compiles to JavaScript?
- What tools and techniques do you use debugging JavaScript code?
- Explain the difference between mutable and immutable objects.
- What is an example of an immutable object in JavaScript?
- What are the pros and cons of immutability?
- How can you achieve immutability in your own code?
- Explain the difference between synchronous and asynchronous functions.
- What is event loop?
- What is the difference between call stack and task queue?
- What are the differences between variables created using `let`, `var` or `const`?
- What are the differences between ES6 class and ES5 function constructors?
- Can you offer a use case for the new arrow `=>` function syntax? How does this new syntax differ from other functions?
- What advantage is there for using the arrow syntax for a method in a constructor?
- What is the definition of a higher-order function?
- Can you give an example for destructuring an object or an array?
- Can you give an example of generating a string with ES6 Template Literals?
- Can you give an example of a curry function and why this syntax offers an advantage?
- What are the benefits of using `spread syntax` and how is it different from `rest syntax`?
- How can you share code between files?
- Why you might want to create static class members?
## Coding questions
- Make this work:
duplicate([1,2,3,4,5]); // [1,2,3,4,5,1,2,3,4,5]
- Create a for loop that iterates up to `100` while outputting **"fizz"** at multiples of `3`, **"buzz"** at multiples of `5` and **"fizzbuzz"** at multiples of `3` and `5`
回答
イベント デリゲーションについて説明せよ。
イベント デリゲーションは、親要素が子要素に対し同一のイベントリスナの参照を与えることをいい、JavaScriptによる直接的なDOM操作の一つである。イベント デリゲーションを用いると、たとえばul
配下の複数のli
に同一のonclick
を渡すことができる。event delegation
命令で最もよく用いられるのはEventTarget.addEventListener()
メソッドで、このメソッドはイベントに対応する任意オブジェクトの子要素たちに対して再帰的に機能する。
JavaScriptにおけるthis
の働きについて説明せよ。
this
はjsにおいて他の言語と違った特性を見せる。特にthis
は関数の 呼ばれ方 によって決定され、その関数の 内部で決定されない という特性がある。
より詳しく言うと、グローバルコンテクストにおいてthis
はグローバルオブジェクトに等しい。例えば、
this === window
はグローバルコンテクスト(全てのスコープの外)において真である。この文脈においてはthis
はスコープを超越して値を共有する特別な領域である。しかし、オブジェクトのメソッドやメンバとしてthis
が呼ばれるとき、this
は自身の所属するオブジェクトを示す参照である。たとえば、
var o = {
prop: 37,
f: function() {
return this.prop;
}
};
このときthis
は所属するオブジェクトo
への参照である。それなので何らかの理由でこのオブジェクトに後から何かメソッドが追加されたとしても(JavaScriptではオブジェクトに後付けでメソッドを加えられる)、このthis
の参照が変わることはない。
そのほかにも、new
コンストラクタでの振る舞いや、apply
での振る舞い、アロー関数の上での振る舞い、全ての場合でthis
が参照するものは異なる。ルールが競合した場合優先順位の高いものが有効となる。
プロトタイプ継承がどのように振る舞うか説明せよ。
プロトタイプの継承の振る舞いについて、まずJavaScriptにおけるプロトタイプについて説明し、それから本題のプロトタイプ継承について議論する。プロトタイプとは、JavaScriptのすべてのオブジェクトがもつ原型であり、他のオブジェクトへの内部的な繋がりである。プロトタイプ オブジェクトそのものもプロトタイプをもっており、その連鎖は最後にはnull
に行き着く(null
はプロトタイプをもたない)。そのようなプロトタイプの繋がりをプロトタイプチェーンと呼ぶ。
そして本題に入ると、プロトタイプの継承とは、このプロトタイプチェーンを結ぶことに相当する。より具体的にいうと、extended.a
が命令されると、JavaScriptはオブジェクトextended
のプロパティをまず探し、そこに適切なプロパティが見当たらないと、継承元であるorigin
に.a
がないかを探しに行く。このようにして遡っていき、お目当てのものを見つけると探索を打ち切ってその答えを返す。これがプロトタイプチェーンによって実現されるプロパティ継承である。
補足的な事項を三点述べる。
- このようなプロトタイプチェーンの仕組みは、実のところES6になっても変わっていない。
class
構文のように見えるものは結局のところプロトタイプチェーンと継承のラッパーに過ぎない。 - このような理由から、プロトタイプチェーンのどこにもないプロパティの探索を命じるのはコストがかかる。
.hasOwnProperty
メソッドは唯一のプロトタイプチェーンを辿らないメソッドで、これはObject.prototype
から継承されたメソッドである。 これは そのオブジェクト自身 が該当するプロパティを持つかどうかだけを判定する。 -
new
演算子は、全てのオブジェクトがもっている特別なプロパティprototype
に深く関係する。
var a1 = new A()
を例に取る。new
演算子が宣言されると、A()
の実行よりも前に、a1.[[prototype]] = A.prototype
を計算する。こうしてJavaScirptにおける変数は型のようなものをランタイムに得ることになる。
null
とundefined
とundeclared
の違いについて説明せよ。
null
はリテラルでundefined
はグローバルオブジェクトである。undeclared
はプロトタイプチェーン上を探索した結果そのプロパティが見当たらなかったという探索結果の表明であり、リテラルやオブジェクトではない。
開発の立場では、null
とundefined
は
- 厳密等価演算子
===
では等しくないこと -
null
はプロパティが存在しないことを明示するために用いられること
を特に覚えておく必要がある。
クロージャについて述べよ。クロージャとは何か、どのように機能するか、利用する理由について特に説明せよ。
クロージャは独立した変数を参照する関数である。もう少し詳しく言うと、クロージャという概念は関数そのものと関数が生成された環境に分割される。
function makeAdder(x) {
return function(y) {
return x + y;
};
}
var add5 = makeAdder(5);
var add10 = makeAdder(10);
console.log(add5(2)); // 7 と表示される
console.log(add10(2)); // 12 と表示される
このmakeAdder()
関数はクロージャの性質をよく表している。すなわち、makeAdder()
によって作成された関数たちは、その関数が生成されたときの環境を引き継いでおり、両者はx
の値の点で「環境が異なる」。これがクロージャの概要と動作の様子である。
このようなことはごく一般的におこなれていることである。たとえばReactコンポーネントModal
から、ほとんどの動作が共通でありしかし微妙にプロパティが異なるUserModal
とPaymentModal
は同じ関数から生成できる。クロージャは関数の再利用性を高め、オブジェクト指向に似たデータ構造を提供する。興味深いことに、クロージャを利用してJavaのようなプライベートメソッドを模倣することもできる。
オブジェクトのイテレーションにどんな構文を用いるか述べよ。
for/in
forEach
for(let i; i<n;i++){}
JavaScriptにはたくさんのループがあり、気に入ったものやその場で見通しが立ちやすいものを使えばよい。
foreachとmapの違いについて説明せよ。どのような場合にどちらを用いるのが適当か。
語義のままであるが、Array.foreach()
は配列の一つずつに対して行う処理を示し、Array.map()
は配列(ベクトル)に適用する写像である。ゆえに後者は新たな配列値を返すことを期待する。利用シーンでいうと、例えばデータベースに一つずつの要素を登録していく処理であれば前者のほうが向いているし、あるベクトルに線型写像を適用するならArray.map()
を使うべきだ。
無名関数のユースケースを一つ示せ。
ES2015以降、無名関数はアロー関数として用いられることが多くなった。例えばPromise()
は良い例で、多くのコードがpromiseに無名関数(アロー関数記法)を用いている。
const promise = new Promise( (resolve,reject)=>{
setTimeout(() => {
resolve("hello world!")
},100);
});
promise.then((v) =>{
console.log(v)
})
host objects と native objectsの違いを述べよ。
どちらもグローバルスコープにある概念だが、host objectはwindow
やdocument
のように実行環境によって提供されるオブジェクトである。一方native objectはJavaScriptが組み込みとして持っているオブジェクトである。たとえばArray
はそうである。
注)テクニカルタームとしてhost object
およびnative object
という語があるわけではないようだ。少し調べてみると「開眼! JavaScirpt」に書いてある分類概念のようである。
次の2つの文の違いを説明せよ
function Person(){}があるとき、
var person = Person(), var person = new Person()
この問題を言い換えると、new
演算子が何者でどのような振る舞いをするか、結果としてどのような返り値になるかということである。ゆえに、new
演算子について説明する。
new
演算子は組み込みの計算でオブジェクトのインスタンスを定義するものである。new Person()
をすると、まずPerson.prototype
を継承する新しいオブジェクトが生成される。次にコンストラクタが呼ばれる。指定した引数があればそれを利用してオブジェクト内部の計算が行われる。最後に完成したオブジェクトが返り値として表現される。
この問題の結論としては、前者は関数の返り値の格納であり、後者はインスタンスであるということである。
Function.call および Function.applyの働きを説明せよ。またその顕著な違いについても説明せよ。
Function.call
はあるオブジェクトに所属するプロパティを、別なオブジェクトに割り当てて呼ぶ関数である。
function Product(name, price) {
this.name = name;
this.price = price;
}
function Food(name, price) {
Product.call(this, name, price);
this.category = 'food';
}
console.log(new Food('cheese', 5).name);
// expected output: "cheese"
ゆえに、ここでFood()
のプロパティには3つのプロパティが設定されたことになる。
.apply
はほとんど同じものであるが、2つめ以降のargsにおいて、リスト(ES5以降は.length()をもつようなオブジェクト全て)を引数の型として取るようになっている点で異なる。
MDN - call
Function.prototype.bind について説明せよ。
.bind()
は関数を生成する。生成された関数オブジェクトにはthis
の参照先が追加されている。具体例をみると、
var module = {
x: 42,
getX: function() {
return this.x;
}
}
var unboundGetX = module.getX;
console.log(unboundGetX()); // The function gets invoked at the global scope
// expected output: undefined
var boundGetX = unboundGetX.bind(module);
console.log(boundGetX());
// expected output: 42
当然ながら、getX
関数のみをmodule
から抜き出しても、module.x
が抜き出されるわけではない。ゆえに最初の出力はundedinedになるが、bind()
を用いて作成された関数では、this
の内容も関数にバインドされて42
が得られる。
以下の各語の違いを示せ。
feature detection, feature inference, using the UA string
- Feature Detectionはある機能がその環境でサポートされているかを調べるコードである。その方法はいくつかあるが、基本的な戦略はグローバルオブジェクトの中に期待するメンバが含まれているかどうかを調べるということである。例えばユーザの物理位置情報について知りたければ
window.navigator
のgeolocation
が定義されているかどうかを調べる。 - Feature interfaceはそのメンバがあるという前提で書かれる処理である。
- UserAgent stirngとは
navigator.UserAgent
の内部に定義されるブラウザ固有のstringである。一般的に、ブラウザ特定のためにUA stringを用いるのは信頼性の低い方法であるとされ、するのであればバージョン番号を用いるのが良いとされている。
medium - @nupoor_neha
MDN - Browser_detection_using_the_user_agent
MDN - Navigator
Feature Interfaceについては正確な資料が見つからない状況である。
巻き上げについて説明せよ。
巻き上げ
はJavaScriptのコードの処理順の独特な機構である。var
やFunction
などの定義宣言はファイルの先頭にあるものとして扱う。一方でその実行や初期化についてはその処理を実行しない。
なお、現代的な変数宣言であるところのlet
およびconst
では(一般的な局面では)巻き上げが起こらない。
event bubblingについて書け。
event capturingについて書け。
eventのbubblingとcapturingは対の関係にある語なのでまとめて説明する。
HTML要素は通常入れ子状になっている。ある要素においてイベントが発火したとき、そのイベントはどのように伝搬するだろうか。bubblingとcapturingはその伝搬方法である。
- 子から親にイベントが流れていくことをbubblingという。
- 親から子にイベントが流れていくことをcapturingという。
( TODO: capturingのコードを書く状況が思いつかないですね。理屈としては書きうるよな、というくらいです。モダンなコードで書く例があったら追記したいのでご教授いただければ!)
attributeとプロパティの違いを説明せよ。
簡単に言うとattributeはDOM要素に渡す引数で、propertyはオブジェクトのメンバ変数である。
attributeは、Documentオブジェクト上ではElement.attributes()
によって返却されるリストである。それらのリスト要素を参照してレンダラは適切な修飾を与えて描画する。一方でpropertyは(特にJavaScriptにおいて)あるデータ構造と関連づけられた情報群を指す。オブジェクトに与えられるメンバ変数と言い換えてもよい。
JavaScriptの組み込みオブジェクトを拡張する利点と欠点について述べよ。
組み込みオブジェクトを 拡張してはいけない 。組み込みオブジェクトはグローバルに位置するために、これを改変することは他人のコードを破壊することにつながる。
==
と ===
の違いを説明せよ。
両者はそれぞれ等価演算子と厳密等価演算子と呼ばれ、通常同値の判定には==
ではなく===
を使うべきである。両者のもっとも大きな違いは==
においては暗黙的に型変換が行われることだろう。逆に===
では型変換が起こらず、型が異なった時点で右辺と左辺は異なるオブジェクトとして判定する。
MDN - Euality
同一オリジンポリシーについてJavaScirptの観点から説明せよ。
同一オリジンポリシーとは、あるオリジンから読み込まれた文書やスクリプトは、他のオリジンからのスクリプトに改変されないという原則である。同一オリジンポリシーはウェブ セキュリティの重要な一項目であり、悪意ある行動を起こしかねないリソースを分離するのに役立つ。
一方で、モダンなJavaScript web開発にとっては、クロスサイトリクエストすなわち異なるオリジンからの情報を入手することは必要不可欠なことである。例えばTwitterのSNSボタンは典型的なクロスサイトリクエストである。このようなアクセスを安全に許可する仕組みとしてオリジン間リソース共有/CORSがある。
MDN - Same Origin Policy
MDN - CORS
三項演算子について説明せよ。またその命名の由来についても書け。
condition ? A : B
すなわち
if (condition) {
return a
} else {
return b
}
である。三項/Ternaryは、例えば+
や-
が二つの項を取り扱う演算子であるのに対して、?:
はcondition,A,Bの3つの項を取り扱う演算子であることを意味している。
Strict Modeとは何か。その長所と短所についても説明せよ。
use strict
strictモードはES5に存在した、その名の通り厳格な文法規則を定めるオプションである。ECMA ScriptによればES6は常にstrictモードで動作することが定められている。ナチュラルなJSと異なる点として代表的な要素を三つあげると、例えば予期しないグローバルオブジェクトの生成を防止することや、オブジェクト プロパティに対しての無効な代入を検知することや、eval
の仕様がより単純になっていることが挙げられる。
JavaScriptへとコンパイルする言語について、利用することのメリットとデメリットを説明せよ。
問題のような言語(AltJS)で、最も勢いがある言語がTypeScriptであることは論を待たない。TypeScriptを採用するメリットはそれがスケールするからだとされている。言い換えると、保守性が高くランタイムエラーが生じにくくなる。また特にTypeScriptにはVSCodeを始めとする周辺ソフトウェアが整理されており、生産性が高いということである。
TypeScriptはJSのsupersetであるから、JSに比べて不利な点はその設定にまつわる部分、コンパイル工程を除けば存在しない。チームメンバーが新しくTypeScriptを学ぶためのコストや、既存プロジェクトを順次TypeScriptに置き換える工数を鑑みて、その取引が特になるなら採用をするべきである。
JavaScriptのデバッグについて、あなたのツールやテクニックを説明せよ。
- console デバッグ
consoleオブジェクトには.log()
だけでなく.table()
などの機能もある。どんな場合にも使えるもっとも基本的なデバッグ手法である。 - Chrome DevTool など
Chrome Devtoolは、コンソールやDOMの状態を調べるのに使う以外にも豊富な使い道がある。例えばネットワークタブや、JavaScriptのable/enable、cookieやローカルストレージの検査、Vueコンポーネントの調査ができるアドオンなど、外部拡張も含めてたくさんの機能が詰め込まれている。 - テストを書く
テストを書くことはデバッグのために重要である。テストを書いていれば、プログラムのうちどの部分までは正常なのか担保できる。それは発生したバグの範囲を絞り込むことに繋がり、結果的にデバッグに貢献する。
ミュータブル / イミュータブル なオブジェクトについての問いに答えよ.
イミュータブルなオブジェクトの例を一つ挙げよ。
string
はその一例である。
オブジェクトがイミュータブルであることの利点と欠点を述べよ。
pros:
- 関数の参照透過性を維持できる。参照透過な関数とは、引数の値によって一意に出力が決定されるような関数である。例えばsin()やcos()は参照透過な関数である。一方で、クラスメソッドでそのクラスメンバ変数の値を計算中に用いるような関数は参照透過ではない。このような性質を持つ関数は単体テストが容易で、保守しやすい特長がある。
cons:
- 実装の自由度を犠牲にする。
あなたのコードをイミュータブルにするにはどのようにしたらよいかを説明せよ。
immutable.jsを使うとよい。
immutable js 公式ページ
同期処理と非同期処理の違いについて説明せよ。
同期関数は計算結果の返却タイミングが一定な関数で、非同期関数は不定な関数である。非同期関数の具体例として外部のサーバとのHTTP通信がある。例えばサーバと通信するアプリケーションを例にとると、同期関数のみでプログラミングしたとすると通信の完了を待たねば後続の処理を行うことができないが、非同期の関数として通信を実装すれば先方のレスポンスを待つことなく後続の処理に取りかかることができる。
イベントループについて説明せよ。
イベントループとは、javascript処理エンジンのランタイムにおける実行モデルである。
前提として、実行中の関数はスタックとして積み重ねられている。実行中の関数の内部である関数が呼ばれると、新しく実行中の関数としてそれがスタックにプッシュされる。
一方で、処理されるメッセージのリストはキューの形を取っている。スタックが空になると、メッセージがキューから取り出され、新しい処理が始まる。これはJavaScriptのランタイムの基本である。(補足:ここから分かるように、「メッセージ」とは一つのスタック内で相互に収まらないような処理単位を意味している。メッセージはOSなどjsの外部が管理するものである)。
さて、イベントループは次のようなコードで抽象化できる。
while(queue.waitForMessage()){
queue.processNextMessage();
}
これは先頭のメッセージの返答を待っている間にも先に次のメッセージを処理してしまうということを意味している。これは非同期通信の実装やGUI操作において非常に役立つ。あるメッセージAの処理が遅れても、メッセージBの処理が滞ることはないからである。より具体的に言えば、DBやファイルの書き込みによってユーザのタイピングをブロックされることがない。
コールスタックとタスクキューについて説明せよ。
上述イベントループで説明したスタック / キューがそれぞれコールスタック / タスクキューである。スタックは関数の入れ子構造をスタックとして取り扱い、タスクキューはメッセージを管理する。
let,var,const の違いについて説明せよ。
var
はjsの初期からある変数宣言で、const
およびlet
はES2015によって追加された変数宣言である。まず、var
とlet
/const
の大きな違いは、後者においては、利用可能な期間がそのスコープにいる間に限定されているということである。これは意図しない空間汚染を防ぐのに役立つ。そのため、あらゆる局面で新しいコードではlet``const
を利用すべきである。
let
とconst
の差は、それが再代入を許す変数であるかどうかの点である。再代入をしない変数であれば、後で誤りがないようにconst
として宣言しておくのが安全なコーディングである。
ES6のクラスとES5の関数コンストラクタの違いについて説明せよ。
ES6によって追加されたクラス構文は、ES5の関数コンストラクタに比べてよりC++ライクなスタイルを提供するものである。ユーザはクラス コンストラクタや、メンバ変数、オブジェクトメソッド、インスタンスの作成や継承などを行うことができる。ただし実際のところそれらは糖衣構文であり、両者に差異はない。どちらもプロトタイプチェーンに基づくものである。
アロー関数の例を示せ。また、アロー関数がほかの関数と異なる点についても説明せよ。
ex.
const p = new Promise((resolve,_reject) => {
setTimeout(() => {
resolve("hoge"),
},300)
})
p.then( (v) => {
console.log(v)
})
処理の面では特にthis
を束縛しないことに意義がある。従来の場合、関数の生成とともにthis
を新しく関数内で作りだしていた。ES6のクラス記法でthis
を頻繁に使用する点を考慮し、その定義と競合しない無名関数の宣言として便利に利用できる。また、単に非メソッドの関数を作り出すのに省略記法として使うのも便利である。
コンストラクタ メソッド内部でアロー関数を使う利点について説明せよ。
上述の通りthis
を束縛しない点が重要である。メンバ変数にアクセスしたい際に、そのメソッドのクロージャによって作られるthis
を意識しないで済む。
高階関数について説明せよ。
高階関数とは関数を返す関数である。すなわち
function ham(){
return () => {console.log("hoge")}
}
const spam = ham();
のような関数である。
分割代入の例を一つ示せ。
let a,b;
[a,b] = [10,20]
テンプレートリテラルの例を一つ示せ。
getTemlateLiteral(){
const template = "world"
return `hello ${template}`
}
カリー化の例を挙げ、その利点を説明せよ。
function div(x,y){
return x/y
}
console.log(div(1,2)) // => 0.5
をカリー化すると、
function cdiv(x){
return function inv(y){
return x/y
}
}
console.log(cdiv(1)(2)) // => 0.5
カリー化は、複数の引数を持つ関数であっても一つの引数しかもたない関数に置き換えて処理できることを意味している。
スプレッド構文について説明せよ。また、rest構文との違いについても説明せよ。
const arr = [1,2,3,4,5]
sum(...arr) // => 15
const newArr = [...arr, ...arr] //=>[1,2,3,4,5,1,2,3,4,5] これはコーディング質問の回答例の一つ
const originObj = {a:"1",b:"2"};
const newObj = { ...originObj,{a:"10"} } // 一部のプロパティだけ変更して新しいオブジェクトを作成できる
.map
やforループを使わなくて良いので短く書けるのが利点である。
ところでrest構文は
function rest(...arr){
console.log(typeof arr,arr)
}
rest(10,20) // => object, [10,20]
このとき関数内でのarr
はリストオブジェクトである。これは不特定多数の引数をまとめてリスト化し引き取るものである。記号は同じだが両者は別の者である。
ファイルを越えてコードを共有する仕方を説明せよ。
import
/ export
を用いる。
static class methodを作成するモチベーションについて説明せよ。
static
はユーティリティ関数をひとまとめにするのに用いられる。static
によって宣言されたメソッドは、クラスのインスタンスからは呼び出せず、直接クラスそのものから呼び出して用いる。例えばStringUtil
クラスのインスタンスを作成するのではなくStringUtil.myStaticFunc()
などと用いる。
FizzBuzzを書け。
for(i=0;++i<101;console.log(i%5?x||i:x+'Buzz'))x=i%3?'':'Fizz'
これが現在最短のfizzbuzzのようです。
https://gist.github.com/jaysonrowe/1592432#gistcomment-1412755
https://qiita.com/butchi_y/items/59d45e8212643b43cba4
HTML5編に続く。