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技術イベント個人主催コトハジメ ~50人規模イベントの「AIキャラクターオフ会」から学ぶ

Last updated at Posted at 2023-09-17

9/24に東京で開催するAI AgentMeetupを主催するにあたり、本当に事前の準備が不足していないかを確認する備忘録として記事を公開します。

Meetup自体は上記リンクから応募できるので、是非遊びに来てください。

この記事は何?

先日Meetupのイベントを初主催しました。数十人規模とそれなりに大きめで運営ノウハウとして収穫が大きかったので備忘録的な共有と、「技術イベントはやってみたいけど自信がない」という人向けに「意外と怖くないしやってみると面白いよ!」というのを伝えるための記事です。

記事の目標

なんとなくの開発者イベントの流れを運営目線で知ることができる。

やる前の段階

主催をする前の筆者の状態は以下です

  • LT大会は参加・主催経験済み
    • とはいえそこまでLT大会の経験は活きない
  • リアイベ・Meetupは何回か参加済み(あとお手伝いも)
    • 参加することでなんとなくの流れは把握できていた

LT大会は元々前社で定期的に参加していたのと、個人的に開いていたAITuberLT大会という「AIに配信をやらせる」という超ニッチLT大会を主催した経験はありました。

正直オンラインとオフラインは勝手が違うので、そこまでオンラインLT大会の経験は活きなかったように思えました。逆にオンラインイベント参加や主催経験がなくても、なんとかなるということでもあります。

特に大きかったのはMeetupの参加経験でした。直近AIの進化があまりにも激しく、オンラインイベントならではの技術交流がかなり活発だったため定期的に参加していました。

準備に必要な時間や、告知のタイミング、終了付近の原状復帰、必要なカトラリー等、運営側の苦労はイベントに出席すると把握でき、この参加経験は凄い自分の糧になっていました。また、弊社でも開発者イベントの主催を行っておりそこの手伝いをしていたので、かなりノウハウは貯まってる状態でした。

主催をすることを決断、イベント方針の策定

AITuberのイベントは弊社でやっていたものの、「AI+配信者」というかなりニッチなジャンルでの開発者イベントになっていたので、一つ枠組みを大きくして「AI+キャラクター」という風にすれば幅広く人が来て、新しい知見を共有し合えるのではないかと考えました。
これはオフラインに限らずですが、良く自分が主催したり参加したりする時は「どんな情報を渡せて、どんな情報がほしいか」をぼんやり考えています。
例えばLLM技術に関してのイベントであれば、自分はローカル分野のLLMのモデル運用や量子化の現状については話せるな〜とか、逆に複数のLLMを組み合わせたサービスについては知見がないから欲しいな〜とか、そもそも技術の発展が速いから雑談ベースで新しいアイデアを貰おうかな〜とか、それくらいの曖昧さではありますがテーマを決めています。
今回のイベントでは「キャラクターの運用(例えばビジュアルであったり表現方法)はあまり知見がないので欲しい、AITuberという知見は共有していこう」という感じですね。AITuber単体のイベントだとキャラクター運用の知見がそこまで開発者に貯まっていないので、色々なジャンルを混ぜることで新しい知見を生み出すような、そんなイメージです。

目標人数の決定、会場の確保

イベントを開催することが決まったので、具体的にイベント準備を進めていきます。
イベントで一番難易度が高いのは想定参加人数の計算と、想定参加人数が入る会場の確保です。
AITuberの開発者イベントは大体30人だったこと、近しいAI系のイベントも3~40人くらいだったことは参加経験からわかっていたので、50人くらいを予想して会場を探ることにしました。会場の選定基準は以下です

  • 想定人数に対して適切な大きさか(小さすぎないか)
  • Wi-Fiが使えるか
  • プロジェクターが使えるか
  • 机とイスは十分な量あるか
  • 予算は適切か(想定人数を下回っても大赤字にならないか)
  • 会場の入場方法は適切か(凄い大事なので後述)

会場費は当たり前ですが人数が増えるほど単価が高くなります。10人程度であればかなり打てる手が多いです。

  • 自社オフィスを使ってもいいか聞く
  • フォロワーにかけあって、オフィスを借りられるか打診
  • (前職との関係値がよければ)前職の人に土下座して借りられるか打診
  • レンタルスペースを借りる
  • Airbnbを利用する

ただし今回は想定人数が50人のため、レンタルスペースを借りることに決定しました。レンタルスペースはかなりピンキリですが、大体時間あたり5桁を考えました。

最終的に決まった会場はキャパシティ50人程度で、机と椅子は少し少な目な場所ですがお洒落な場所でした。Wi-Fi、プロジェクター共に設置済みで、会場自体はとても使いやすいイベント場所でした。

目標人数が決まったら運営人数が何人くらいが適切かを事前に考えておく必要があります。
大体の目安として以下です。

  • ~10人
    ギリギリ一人で回せる。全体を一人でも見渡せるし、卓も1つか2つで十分。追加調達は自分で行くか信頼できる人にその場を任せる
  • 10~20人
    ギリギリ二人で回せる。ここから受付が必要になり、一人だとパンクする。受付一人、全体統括が一人のイメージ。追加で何か調達する必要がある時は全体統括が受付を引き継ぐ
  • 20~50
    複数人が必ず必須。受付2人、会場前待機1人、全体統括および緊急連絡1人のイメージ。追加調達時は受付か会場前待機が行く。全体統括は常に会場にいてトラブルが起きないかをチェックしておく必要がある

今回の場合は自分一人と知人数人に手伝ってもらいましたが受付でパンクしました。これは後述します。

参加費の設定

会場費+食費+雑費が主な費用になります。この費用をきちんと払える参加費を設定すると良さそうです。一旦参加費2000円で考えてみます。
例えば50人集めて参加費2000円、実際に来たのが40人だとします。学生はいるだけで尊いので学生無料にしたとして、20%が学生とします。つまり32人が今回2000円を払ってくれる対象になるので、64000円の売り上げになりました。

会場費がn万円なので6~7割が消えます。今回は初主催なので、名札入れや予備の充電コードを買って1万円余分に消えます。これでトントンなので、黒字は絶望的、大赤字はないことが確定しました。

なお主催当時はもっとザル勘定だったので「10万貰えて半分くらい会場費に消えて黒字、人来なかったらトントンかな~」と考えてました。無計画すぎる…

真面目に考えるとこの時点で食事は持ち込みになりそうです。

協力企業さんの登場、食費計算

主催をすることを知りあいに伝え始めたところ、「もしよければ食費とか協力します」という有難いDMが飛んできたので甘えることにしました。
食費計算は大体三つの方針があります。

  • 完全持ち込み
    • 計算しなくて良いので楽
    • 少なくともご飯目当ての人は来ない
    • 参加者の人のコストが増える
  • 若干足りないくらい
    • 多すぎた時の廃棄リスクがほぼない
  • 若干余るくらい
    • 参加者の人が満足するレベル

完全個人主催であまり慣れてない場合は完全持ち込みか若干足りないくらいで良いと思います。若干余る計算は参加予定人数の計算ミスが起きた時に取返しが付かず、若干難易度が高いです。

若干足りないの場合、参加予定人数の0.8人前くらいが良いと思います。50人規模で40人が実質の参加だとしたら大体30人前くらい。最悪30人しか来なかったとしても「気合で食べてください」と参加者に圧をかけることで解決します。ソフトドリンクは多めの方が良いです!ただ追加調達が楽なので、一旦ザル計算で何とかなります。50人だとしたら一人350ml飲み切るとして、17ℓくらいです。

食費計算+テナント料計算で大体黒字かどうかがわかるので、この時点で一旦計算すると良いです。意外と食費がかかっていた、のようなケースも多いので、ここで参加費を再度調整することをお勧めします。

参加ページ作成

connpassで参加ページを作成します。
場所と日付、参加方法を必須情報とし、どんなイベントか、どんな人が参加すると楽しいかを軽く記載しておきます。
一律での参加費の場合はconnpassで完結できますが、学生無料等があるとconnpassのみでは設定できないので現地清算でも良いかもしれません。

告知

connpassでの公開だけだと人が来ないので、きちんと告知を打ちます。
自分はTwitterをメインとし、discordコミュニティで宣伝が許可されている場合はdiscordコミュニティ、後は知り合いを直接お誘いする等を継続的に行っていました。
大事なのは 「告知はしすぎてもしすぎることはない」 ということです。特にTwitterは情報が流れてしまいやすく、「知らなかった、知ってたら参加してたのに」という人が発生しやすいので数日に一回ペースで再度の告知やエゴRTをしても良いと思います。

準備(前日まで)

大体以下のことを決めておきます

  • 受付に何人常駐するか
  • どのタイミングで参加費を貰うか
  • 何時開場何時撤収か
    また、ご飯を自分達で調達する場合、特にピザは前日までに予約しておくと良いです。ご飯の受け取りタイミングは事前に貰うか、会が始まってから少し経っての二択になります。ここは運営人数によって左右されます。

準備(当日)

当日の会場時刻の大体90~60分前を目安に準備を始めます。
大体以下が発生します。

  • 設備チェック
  • Wi-Fiの接続先をホワイトボードに書く
  • 机の配置替え
  • ゴミ捨て場所作成
  • ご飯の受け取り

前日までがうまく行っていればそこまでパニックにならないです。ただ、どれだけ考えても当日トラブルは一定確率で起こり得るので、トラブルに対応するために90分を余裕持って動くイメージです。ツイッターで何時開場かを改めてツイートしても良いです。

本番

最初の挨拶さえ何とかなれば後は開発者たちが話し始めるので、大丈夫です。受付でお金を貰うことと名札ケースを渡し、紙とペンで自分の名前を書いてもらうと良いです。ドリンクはなくなるペースが速いので、もう少しでなくなりそうというタイミングで追加調達に行くと良いと思います。
最後の原状復帰があるので、30分早めに終わりのあいさつをして、片付けを始めると余裕を持って終わらせることができます。これで原状復帰含めレンタルスペースの延長をせずに終わることができ、イベントの個人主催完遂となります。

(参考)AIキャラクターオフで発生したトラブル

無事40-50人程度集まった今回のイベントでしたが、一つ大きなトラブルがありました。それは「レンタルスペースの会場入り口がオートロック」という所から発生した運営のキャパオーバーでした。

今回借りたレンタルスペースの仕様として、「オートロックの入り口」と「地下階開催」いうものがありました。地下階開催は事前に知っていたのですが、オートロックの入り口は当日に判明しました。このオートロックによって、施設入り口に運営が常に常駐する必要があり、随時参加者が入場する際にオートロックを開ける必要がありました。参加者50人がそこに殺到するので、入り口を開ける人員しか確保できず、参加費を受け取る受付業務をするだけの余裕がなくなってしまいました。取り敢えず入れて最後に参加費を受け取る流れにしましたが、結果的に主催者である自分が常に一階に常駐し参加者の方と全く話せず、序盤に至っては受付が崩壊してしまいました。 もし主催をおこなう前は当たり前ですが事前に会場をチェックすることをお勧めします。

まとめ

技術イベントとまとめていますが、運営側で見ると技術要素よりも「以下に不確実性をなくし、不確実な部分に柔軟に対応できるか」という別の要素が重要になっていきます。
長く書いてしまいましたが、小規模イベントであれば最低限、以下を抑えれば気楽に開催できます。

  • どこでやるか
  • いつやるか
  • 何のテーマにするか
  • ご飯どうするか

もし気になっている方がいれば、まずは小規模でエイヤでやってみると新しい趣味になるかもしれません。

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