ChatGPTのAPIがリリースされて以来、さまざまなソフトウェアやウェブサイトにChatGPT搭載の機能が実装されるようになりましたね。PDF界隈では、PDFをAIチャットボットに取り入れて、PDF内容について質問して情報をすばやく入手できる「ChatPDF」が話題になっています。ChatPDFの後、「mapdeduce」、「humata」や「pandagpt」なども似たサービスが続々と登場しました。今回はさらに最新リリースの「LightPDF」という文書チャットツールを利用し、ChatPDFと比較していきます。
ChatPDFの公式サイト:
https://www.chatpdf.com/
LightPDFの公式サイト:
https://lightpdf.com/jp/chatdoc
まずは利用前の比較:
LightPDFは日本語対応で、日本人ユーザーに対してよりフレンドリーで分かりやすいです。
それにたいして、ChatPDFの方は英語しかありませんが、画面がよりシンプルです。
対応する文書形式について、ChatPDFはPDFしか対応しませんが、URLからのPDFの読み込みも可能です。一方、LightPDFはPDFだけでなく、doc、docx、pptx、xlsx、epubもサポートしますが、ローカルPCからファイルをアップロードしかできず、インターネット上のURLからの読み込みはできません。
実際同じPDFファイルで検証して比較:
今回使うのはソニーの「第105回定時株主総会招集ご通知」というPDFファイルです。参考にリンクも置いておきます:
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/stock/shareholders_meeting/Meeting105/105_ogm_J.pdf
ChatPDFにアップロードした後、ご覧のとおり、画面こそ英語ばかりですが、日本語のファイルを読み込んだら、日本語のまとめと質問のサンプルが表示されます。まとめは簡単ですが、問題はありません。
続いてはLightPDFの方をみます。同じ内容を日本語で要約し、質問のサンプルを3つ提供してくれます。内容も間違いはなく、ChatPDFより少し詳しいです。さらに機能の違いですが、上の「閲覧」をクリックすれば、アップロードしたファイルの閲覧もできます。
提供される質問をクリックして投げつけると、ChatPDFとLightPDFはどれも正確かつ詳細に答えてくれます。
では、自分で考えた「ソニーの取締役候補者を教えてください」という質問を問いかけてみます。正解は下記の画像にあります。
ChatPDFの方は慎重で、候補者は複数いるため、その情報のあるページを教えるだけですが、再度要求すれば教えてくれますが、人数も情報のページ数もあっていませんでした。
さらに確認すると、人名も間違っています。最初の吉田と十時だけが合っていて、その後はすべてデタラメで、試しに伊藤博之さんを検索してみましたが、ぜんぜんソニーと関係のない人物でした。こういうのはChatGPTがよく犯す過ちの一つですね。
一方、LightPDFの方は一回の質問だけで正しく返答できています。えらいえらいですね。
結論
このファイルはスキャンしたものなので、情報のページソースは表示されていませんが、スキャンしたものではない場合は、ChatPDFもLightPDFも回答の情報がのっているページを教えてくれるはずです。さらに、LightPDFはほぼ制限がなく無料で利用できます。
以上のように比較してみた場合は、日本語対応でより正確な答えを出してくれるLightPDFの方はなんと勝ちましたね。ChatPDFも今後英語圏以外の市場に進出する場合は、日本語の対応や日本語ファイルの解析なども改善されるといいですね。