1. はじめに
令和5年度の基本情報技術者試験(以下FE)に合格しました!
せっかくなので、今後FEを受験される方の参考に、勉強方法を書いていきます。
注意:試験内容やそれに準ずる情報を開示することは禁止されているため、当記事では試験内容については全く記載しておりません。
記事の所要時間:10分程度
目次
急ぎの方は、7.具体的な学習方法 から読むことをお勧めします。
章 | タイトル |
---|---|
1 | はじめに |
2 | 対象の方 |
3 | 受験をした理由 |
4 | 勉強開始時の知識量 |
5 | 試験について |
6 | 勉強時間 |
7 | 具体的な学習方法 |
8 | 利用した参考書・問題集・Webサイト |
9 | 試験当日の流れ |
10 | 感想 |
11 | 参考文献 |
2. 対象の方
- IT未経験の方
- FE等の資格取得を目指している方
3. 受験をした理由
-
IT未経験からSEとして就職するにあたり、自身の知識不足を痛感していたため
-
まずは一通りのITの基礎知識学ぶため
-
受験という形式上、期間や費用といった制限やプレッシャーがかかり、短期間で集中して学習できるため
上記の理由から、FEを受験することを決意しました。
4. 勉強開始時の知識量
-
もともとは全くの別業種で働いており、IT知識は0でした。
-
受験する直前まで、2ヶ月半スクールでRuby/RubyonRailsやHTMLといったプログラミングについて学習してました。
-
ただし、試験範囲にある、二進数やハードディスクやネットワークやセキュリティについては学習していませんでした。
5. 試験について
試験の詳細は、IPAの基礎情報技術者試験についてのページに書いてあります。
試験構成
時間 | 問題数 | 形式 | 合格点 | |
---|---|---|---|---|
科目A | 90分 | 60問 | 多肢選択式(四肢択一) | 600点(1000点満点中) |
科目B | 100分 | 20問 | 多肢選択式 | 600点(1000点満点中) |
科目Aと科目Bのそれぞれで、600点以上で合格となります。
試験範囲
試験で問われる内容は、科目Aと科目Bで異なります。
参考: 基礎情報技術者試験シラバス
< 科目A >
以下の知識が問われます。
大分類 | |
---|---|
テクノロジ系 | 基礎理論, コンピュータシステム, 技術要素, 開発技術 |
マネジメント系 | プロジェクトマネジメント, サービスマネジメント |
ストラテジ系 | システム戦略, 経営戦略, 企業と法務 |
< 科目B >
以下の2つを中心とした問題が出題されます。
1. データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)
2. 情報セキュリティ
あとで書きますが、このアルゴリズムが時間との勝負となるため、対策が重要になります。
実施方式
CBT方式で、随時実施されています。
6. 勉強時間
-
2023年7月中旬〜8月中旬の約1ヶ月間学習しました(正確には5週間)。
-
後述のスケジュールを達成するように学習したのですが、
結果的に、1日あたり4~5時間程度学習していました。 -
トータルとしては、大体150時間程度学習しました。
注意: 7.具体的な学習方法で書いたように、①スケジュールを達成するように学習を進めた、かつ、②問題を解いた時の正答率を見ながらスケジュールを見直した結果、上記の学習時間となりました。ご自身の学習の進捗状況・正答率に合わせて学習時間を調節してください。上記については参考程度にご参照ください。
7. 具体的な学習方法
あまり時間をかけて学習するよりも、期間を定めて短期間で学習したいと思い、5週間で合格することを目標としました。
5週間で合格するためにしたことを以下記述します。
1. 試験を合格するためのキーポイントを確認する
<科目A>
試験を合格するには、特に重要な知識や頻出の知識は何であるかを知る必要があります。そして、それを知るには過去問を解くことが1番の近道です。
また、FEについては、色々なサイトを見たところ、概ね40~60%の割合で過去問と同じ問題が出題されているようでした。
なので、科目Aについては、参考書を1周して、知識の全体像をざっと確認してから、どんどん過去問や問題集を解くことにしました
<科目B>
科目Bについては、過去問が使えません(2023年度時点)。
また科目Bは知識がそのまま問われるというより、知識を使えるかという実践的な要素が強いため、問題が解けることが必要だと思いました。
なので、科目Bは問題集をマスターすることを目標としました。
2. スケジュールを立てる
ただ漫然と学習しても、5週間で合格はできないと思いました。
なので、いつまでに何をするかを明確にした、以下のスケジュールを立てました。
期間 | やること |
---|---|
1週目 | ・参考書の前半部分を一通り読む ・参考書についている小問題を解く |
2週目 | ・参考書の後半部分を一通り読む ・参考書についている小問題を解く ・参考書1周目を完了する |
3週目 | ・問題集で2セット分(科目A+Bの両方)解く ・過去問を2年分解く ・問題集や過去問で間違えた部分を参考書で見返す |
4週目 | ・問題集で2セット分(科目A+Bの両方)解く ・過去問を2年分解く ・サンプル問題を解く ・問題集や過去問で間違えた部分を参考書で見返す |
5週目 | ・過去問を1年分解く ・ひたすらこれまで解いた問題集と過去問を解き直す(問題集の4セットと過去問4年分の2周目を行う) |
※問題集は、実際の試験に準じて、制限時間内に解く
3.都度スケジュールを見直す
テストを先に予約してしまった都合上、確実に合格しようと思いました。
なので、自分の正答率を確認し、都度スケジュールを見直し、修正する必要があるか確認しました。
私は、以下の正答率をマークしていたので、上記のスケジュールのまま学習を進めました。
(正答率の状況によっては、学習量を増やすことを検討していました。 ex.参考書を追加で1週読む、問題集をもう1周する等)
期間 | 問題の正答率 |
---|---|
1週目 | 参考書の小問題の正答率40%程度 |
2週目 | 参考書の小問題の正答率40%程度 |
3週目 | 1周目(初見)の問題<科目A>50~60%<科目B>80%以上 |
4週目 | 1周目(初見)の問題<科目A>70~80%<科目B>80%以上 |
5週目 | 2周目の問題<科目A>90~100%<科目B>90%以上 1周目(初見)の問題<科目A>75~80%<科目B>80%以上 |
4. 科目別の学習方法
ここでは科目毎の学習方法を記述していきます。
<科目A>
上記のように、ざっと参考書を読んで、ひたすら問題集を解くという戦法を取りました。
この戦法を取る上で注意したのは以下の点です。
-
参考書を1周する時点では60%程度の理解度で読み進めた
-
参考書は暗記するのではなく、理解することを優先した
-
参考書を読む時点ではノートは作らない
-
問題集は解きっぱなしにせず、参考書に立ち返って、基礎知識を確認する
-
覚えられない知識はノート・メモにまとめて、時々見返す
最初から完璧に暗記することを求めたり、ノートを作ると5週間での合格はできないと思い、ある程度見切りをつけて読み進めることにしました。
<科目B>
「令和05年 基礎情報技術者パーフェクトラーニング予想問題集」を問題集として利用しました。
こちらには4セット分科目Bの問題が収録されています。
解いた問題自体は、
この問題集の4セットとサンプル問題のみです。
-アルゴリズムについて-
アルゴリズムについては問題量を解くことも大切だと思いますが、あまり理解しないで解き捨ててしまうより、まずは、一問一問をしっかりと理解して、着実に力をつける方が、合格に近づくと考えました。
解いてみるとわかるのですが、アルゴリズムの問題は1問1問の問題文が長く、プログラムの全容を理解するのに時間がかかります。
なので、時間感覚を身につけ、本番での環境を意識するために、問題集を解く際は、時間を測って解くことを、強くお勧めします。
また、問題にも難易度にばらつきがあるので、どの問題を先に解いて、どの問題を後回しにするかも考えながら解くと、合計点が上がると思います。
-セキュリティの問題について-
セキュリティ問題についても、よく解説を読むことと、参考書を見返すことで、知識を深めることができると思います。
8. 利用した参考書・問題集・Webサイト
利用した書籍類やWebサイトは以下になります。
< 参考書 >
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和05年
< 問題集 >
令和05年 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
< Webサイト >
基礎情報技術者試験ドットコム
詳しい説明は以下に書きます。
【キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和05年】
-
初心者が1冊目に読むには最適な参考書。イラストが多用されており、とてもわかりやすく説明されています。
-
FEを受験する初心者は、最低1周は読んでおく必要があります。
-
ただ、この参考書の知識だけでは、試験範囲のすべての知識はカバーできない可能性が高いため、より点数を得点したいというのであれば、他の参考書を併用することも検討した方が良さそうです(※私は参考書はこの1冊しか読みませんでした)。
【令和05年 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集】
-
科目Aと科目Bの問題セットが4セット収録されており、問題の経験値を上げることができます
-
わたしは主に科目Bの対策のために購入しました
-
比較的解説もしっかり書いてあるので、科目Bの経験値を上げるためには、購入しても良いと思います
-
こちらの問題集のアルゴリズムについては最低2周は解き直しておくことをお勧めします
【基礎情報技術者試験ドットコム】
-
こちらの基礎情報技術者過去問道場というサービスを利用しました
-
比較的解説もしっかり書いてあり、また、得点率もわかるので、科目Aの学習に有用です
-
一問一答形式であり、隙間時間にちょこちょこ学習もできます
-
年代別や分野別に問題を解くことができるので、ただ過去問演習するだけでなく、弱い分野を集中して学習することが可能です
-
私は問題集をメインで、こちらのサイトをサブで使っていましたが、科目A対策については、メインとして使っても良いと思います
【サンプル問題】
-
科目Bの経験値を増やすために、利用しました
-
IPAには回答はありますが、解説がないため、YouTube等で解説動画などを見ました
9. 試験当日の流れ
試験の流れについては試験概要のうちの「受験の流れ」に記載してあります。
注意事項としては、
・本人確認書類が必要なこと
せっかく頑張って勉強して、試験が受けられなかったら切ないので準備しましょう。
他は、
・ご飯は取っておくことをお勧めします(試験時間が長いため)
・難しい問題は後回しにして、解ける問題から解いていく(特に科目B)
結構アルゴリズムは焦ってしまって余計わからなくなることもあるので、解けるものを解いて、後から解き直す方が結果解けることが多いです。
10. 感想
ここまでお読みくださりありがとうございました。
ここからは感想です。
今回は仕事が始まる前に、ITの基礎知識を身につけるためにFEを受けることにしましたが、受けて良かったと思いました。
確かに、これらの知識が直接的に業務に役立つかは不明ですが、基礎知識が0の状態から、一度はベースの知識をある程度浅く広く学んだことに意味があると思います。
もし、働く中で同じ用語や同じ概念が出てきた時に、ふわっとでも知っていることは全く知らないよりかは学習コストが下ります。そういった意味でも良かったと思います。
お読みくださりありがとうございました
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。