37
29

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Modeling Relational Data with Graph Convolutional Networksのまとめ

Last updated at Posted at 2017-05-04

Modeling Relational Data with Graph Convolutional Networks
https://arxiv.org/pdf/1703.06103.pdf についてまとめる。

#概要

  • 現実的な知識ベースに特徴的な、多くの関係性を持ったデータを扱うために開発された。Graph Convolutional Networks(GCNs)の一般形。
  • relational graph convolutional networks(R-GCNs)を紹介し、2つの知識ベース完成タスクに適用する。
    • Link prediction
      • 与えられた不完全なグラフに対して、明らかでないエッジ(ノード同士の関係)を予測するタスク
    • Entity classification
      • ノードの属性を予測するタスク

#グラフについて
グラフ$G=(\mathcal V,\mathcal E,\mathcal R)$を考える。
ノード$v_{i}\in \mathcal V$、エッジ同士の関係のタイプ$r\in \mathcal R$、ラベルのついたエッジ$(v_{i},r,v_{j})\in \mathcal E$とする。
ノードの情報は属性に対するone-hotベクトルとして表現する。(例えばノードが単語を表すとすれば、単語のone-hotベクトル)

#Graph Convolutional Networks(GCNs)とは
画像を入力できるのがConvolutional Neural Networkなら、グラフをそのまま入力できるネットワークがGraph Convolutional Networkである。

#Relational Graph Convolutional Network(R-GCN)
R-GCNの各層では、エッジの種類と方向を考慮して情報が伝播していく。各層は下のような構成になっている。

h^{(l+1)}_{i}=\sigma\Bigl(\sum_{r\in\mathcal R}\sum_{j\in\mathcal N^{r}_{i}}\frac{1}{\mathcal c_{i,r}}W^{(l)}_{r}h^{(l)}_{j}+W^{(l)}_{0}h^{(l)}_{i}\Bigr)

ここで、$h_{i}^{(l)}\in\mathbb R^{d^{(l)}}$はノード$v_{i}$のl層目の隠れ層の状態、$d^{(l)}$はl層目の表現の次元、$\sigma$は非線形活性化関数、$c_{i,r}$は問題に固有の正規化定数である。$\mathcal N_{i}^{r}$は$r\in\mathcal R$関係下でのノードiの隣接ノードのインデックスを表す。

この式の意味するところは、それぞれのノード$v_{i}$に対して、グラフの結合関係からl層目の隠れ層の状態$h_{i}^{(l)}$を計算し、その情報が次の層に伝わって行くということである。

$W_{r}^{(l)}$は

W_{r}^{(l)}=\sum_{b=1}^{B}a_{rb}^{(l)}V_{b}^{(l)}

のように基底変換$V_{b}^{(l)}\in\mathbb R^{d^{(l+1)}\times d^{(l)}}$と係数$a_{rb}^{(l)}$(スカラー)の積で表される。(Bは基底関数の数を表す。)
正規化係数$c_{i,r}$(例えば$c_{i,r}=|\mathcal N_{i}^{r}|$)を導入することで、グラフ全体で同じようなスケールのアクティベーションができるようになる。これにより、グラフの大きさによらないモデリングが可能となる。
image.png
(https://arxiv.org/pdf/1703.06103 より)
上の図(a)はR-GCNの構造を示している。
この図について説明すると、
赤く示されているものが、今注目しているノード(上の式だと$v_{i}$)を表している。
それぞれの関係(向きも考慮して)について、その関係性により$v_{i}$と結合しているノード(青で表現されている)を取り出し、それらのノードの隠れ層の状態の和をとる。

\sum_{j\in\mathcal N^{r}_{i}}h^{(l)}_{j}

それぞれの関係に対して定義された重みを掛ける。(緑の層)

\sum_{j\in\mathcal N^{r}_{i}}\frac{1}{\mathcal c_{i,r}}W^{(l)}_{r}h^{(l)}_{j}

全ての関係について(self loopも含めて)足し合わせる。(緑から出た矢印)

\sum_{r\in\mathcal R}\sum_{j\in\mathcal N^{r}_{i}}\frac{1}{\mathcal c_{i,r}}W^{(l)}_{r}h^{(l)}_{j}+W^{(l)}_{0}h^{(l)}_{i}

2項目はself loopを表す。

あとは、活性化関数を施せば、上で示した構成式と同じになる。//

$V_{b}^{(l)}\in\mathbb R^{d^{(l+1)}\times d^{(l)}}$と$a_{rb}^{(l)}$は、CNNでフィルターのパラメーターが画像全体で共有されるように、グラフ全体で共有される。

モデルでは、l層目の出力がl+1層目に入力される。最初の層の入力は各ノードについてのone-hotベクトルとする。

最終層の出力をR-GCNの出力とする。

#Link prediction
Link predictionでは、不完全なグラフ(ノード間の関係が全て明らかになっているわけではないグラフ)に対して、明らかになっていない新しい関係を予測する。つまり、ノードsubjectとobjectの間の関係を表すエッジ (subject, relation, object) を予測する。
可能性のあるエッジ(s,r,o)に対してスコアf(s,r,o)を割り当てることで、そのエッジがどれくらい関係性を反映しているかを決める。

どうするかというと、エンコーダーと評価関数(デコーダー)を組み合わせたグラフオートエンコーダ作る。エンコーダーは各ノード$v_{i}\in \mathcal V$をベクトル$e_{i}\in\mathbb R^{d}$に写像する。デコーダーはエッジ(subject, relation, object)を評価する。つまり、$\mathbb R^{d}\times\mathcal R\times\mathbb R^{d}\to\mathbb R$のような写像をする関数である。

論文の実験では、エンコーダーとしてR-GCNを用い、$e_{i}=h_{i}^{(L)}$とし、デコーダーとしてDistMultを用いている。DistMultは単独でリンク予測ベンチマークで良い性能を発揮することが知られている。DistMultでは各関係$r$に対して行列$R_{r}\in\mathbb R^{d\times d}$を割り当て、(s,r,o)を

f(s,r,o)=e_{s}^{T}R_{r}e_{o}

によって評価する。

コスト関数は交差エントロピー

\mathcal L=-\frac{1}{(1+\omega)|\hat{\mathcal E}|}\sum_{(s,r,o,y)\in\mathcal T}y\,log\,\sigma(f(s,r,o))+(1-y)log(1-\sigma(f(s,r,o)))

を使う。
$\omega$はネガティブサンプルの割合で、ポジティブ例からランダムにobjectとsubjectを選んでネガティブデータを作る。
$\hat{\mathcal E}$はグラフの不完全なエッジ集合を表す。$\mathcal T$は(s,r,o)の組の全体、$\sigma$はロジスティックシグモイド関数、$y$はポジティブ(関係がある)なら1ネガティブ(関係がない)なら0となる数である。
上図の(c)がモデルの構造を表している。

#Entity classification
ノード(エンティティ)分類の(半)教師あり学習。単純にR-GCN層を積み重ね、出力にsoftmaxを使う。
以下の交差エントロピーを用いて評価する。

\mathcal L=-\sum_{i\in\mathcal Y}\sum_{k=1}^{K}t_{ik}\,ln\,h_{ik}^{(L)}

$\mathcal Y$はラベルのついたノードの集合、$h_{ik}^{(L)}$はネットワークの出力のノードiのk番目のエントリーの値、$t_{ik}$はラベル(0 or 1)を表す。
構造は上図の(b)。

#結果
##Link prediction
WordNet(WN18)データセットとFreebase(FB15)データセットで評価した。
正規化係数として$c_{i,r}=c_{i}=\sum_{r}|\mathcal N_{i}^{r}|$を用いた。

R-GCNとDistMultを組み合わせたモデルR-GCN+

f(s,r,t)_{R-GCN+}=\alpha\,f(s,r,t)_{R-GCN}+(1-\alpha)f(s,r,t)_{DistMult}

も定義して評価した。

結果(https://arxiv.org/pdf/1703.06103.pdf より)
スクリーンショット 2017-05-05 15.22.00.png

Freebaseデータセットに対しては、R-GCNとR-GCN+は既存手法より性能が良く、R-GCN+の方がより良かった。
WornetではR-GCN+の方がR-GCNより良かったとはいえ、既存手法とあまり変わらなかった。

##Entity classification
3つの知識グラフデータセット、AIFB、MUTAG、BGSで評価した。
正規化係数には$c_{i,r}=|\mathcal N_{i}^{r}|$を用いた。

結果(https://arxiv.org/pdf/1703.06103.pdf より)
スクリーンショット 2017-05-05 15.22.54.png

AIFBしか既存手法と同じくらいの性能にならなかった。
他の2つに対しては正規化係数を変えると性能が向上する可能性がある。

37
29
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
37
29

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?