皆さんはすでにChatGPTやCloud3.5などの生成AIを活用しまくっていますよね?
とても便利な反面、昨今でもAIが生成した画像の著作権等々で問題が起き続けていますね...
そんな中、政府が考える生成AIについてのガイドブックが公表されました。
詳細はこちら↓
経済産業省:「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公表しました
著作権に影響するかは時と場合によりますが、政府の見解としてはこうだという内容が書かれています。
※ここに書かれているから大丈夫!というわけではないです。
当然、我々クリエイターやプログラマーにかかわる部分もあります!
全63ページと結構なボリュームですので、内容をかいつまんで要約していきます。
ガイドブックの趣旨
先ほども述べたように、このガイドブックの趣旨は「このように使えば大丈夫!」ではなく、あくまで「こういう風に使ってもらうと問題が起きにくい」といった内容です!
日々活用している生成AIの利活用の方向性について記載されています。
これに書いてあることが正しい!というのはお門違いなのでご注意を...!
位置づけ
位置づけとしては政府のAI戦略会議がもととなって作成されたもののようで、各省庁から発表されたガイドライン等を前提に作成されたものとなっています。
ガイドブックの対象
主に、ゲーム、アニメ、広告などのコンテンツ制作をしている業界を対象としています。
事例紹介
前半部分は主に事例紹介になっています。
各産業ですでに活発に使用されているみたいですね!
個人的に驚いたところは...
- マーダーミステリーなどの文章や言語が重要となるゲームで活用され始めている
- 大手がCMなどですでに使い始めている
この2点は知らなかったのより広く、多くの分野で活用されていることが実感できました
著作権について
法律関係の話になるので、ところどころ、難しい用語で書かれていますが、法律に疎い私でもわかるよう、丁寧に説明されていました。特に、各分野で、こういうパターンは大丈夫なの?といった疑問点にこたえる形で書かれている部分はとても分かりやすかったです。
また、実際、生成AIは著作権に関わるのかといった部分については、私の理解した内容は下記の通りです。
他者の著作物を使用した学習は非享受目的、つまり単なる学習のデータとして使う分には問題ないとのことです。
一方で享受目的が共存する場合や著作者を害する場合は著作権侵害に当たります。
例を挙げると、他者の書いた絵を学習目的で収集する行為は享受目的、絵を楽しむことやその絵の特徴を学習する目的が入ってしまうので非享受目的で集めているとは言いにくい状態になってしまいます。
この対策として
- 自身が著作権を持つもので学習すること
- 著作者から許諾を得ること
- 著作権保護期間(2024年時点では1954年までに亡くなられた方が作成したもの)が過ぎたもの
を利用することが挙げられています。Adobeなどが学習関連の利用規約が入ったり、たびたび炎上しているのはこのあたりが原因ですね。
また、生成AIが作成したものでも、他者の著作物と類似していないかとうは確認しないといけません。
特に類似性を疑われた際、学習データに疑われた元となるデータがあった場合、依拠性が認められやすくなってしまいます。
対策としては作成物をWeb検索やツールを用いてチェックすることが重要となります。
意匠権や商標権について
こちらに関しては、
①学習の際に、登録されている意匠や商標を含むものを学習で用いる分には権利侵害とはならないと考えている
②生成AIで作成したものが意匠や商標に類似する場合は権利侵害の可能性が発生する
とのことです。
肖像権、パブリシティー権について
人物の写真など、人が移った物を無断で学習に使用することは肖像権侵害の可能性が発生します。また、生成AIを用いて、有名人の画像や音声を生成した場合、パブリシティー権の侵害に当たる可能性が発生します。
この辺りは、FaceBookやYoutubeなどで無断で有名人の画像や人工音声を使用した動画が出回り、問題視されていましたね。
その他
その他の内容として、学習する際は
①データ提供者との契約を確認すること
②営業秘密や個人情報等の秘匿性が高いデータを使用する際は十分に気を付けること
が挙げられています。
生成する際は
①使用する生成AIのサービス規約を理解すること
②プロンプトに対して個人情報を入力することや、出力された個人情報の扱いは注意すること
③秘匿性の高い情報を入力する際はその秘匿性が喪失しないよう、注意すること
④作成物が著作権侵害していないこと
が書かれていました。
感想
生成AIが世に広まって2年がたち、まだまだ生成AIブームが続いている中、法的な話は使う側としては知っておくべき内容だと思いました。
特に様々なサービスが展開されてきた今だからこそ、知らなかったではすまない話になってきますので、お時間ある際に一読してみるのはどうでしょうか?