こんにちは、タイミーでデータアナリストをしているさこです。普段はワーカーマーケの分析をしています。
今回は、FY2023年下期からBIグループのOKRに組み込まれた「ビジネス貢献」に関するOKRを紹介したいと思います。
タイミーのBIグループが、成果をどのように捉えているかの参考になれば嬉しいです。
この記事は Timee Advent Calendar 2023 シリーズ 3 の14日目の記事です。
BIグループのOKRについて
BIグループは期ごとの目標管理をOKRで行っています。
Objective(達成目標)の一つに「プロダクト、マーケ、事業部目標への分析を通したビジネス貢献」があります。
Key Result(主要な成果)には「ビジネス貢献をポイント換算でxxxPt達成する」という形で設定しています。
メンバーのOKRへの関わり方
前提として、データアナリストの人事評価は能力やバリューの体現度合いで決まるため、組織のOKRとは直接紐づきません。
ここで紹介するOKRはあくまで組織としての事業貢献度合いを測るものです。
メンバーは関心のあるOKRにコミットすることができ、OKRごとにチームを組んで取り組むことが多いです。
「ビジネス貢献」だけはデータアナリストの基本業務ということもあり、特定のチームは組まず、ほぼ全員が関わっています。
基準を決めるまでの流れ
「ビジネス貢献」をOKRに入れることになった背景
「ビジネス貢献」が策定されるまでは、BIグループのビジネスへの貢献を測るようなOKRは存在していませんでした。
- 策定前の課題:多岐にわたる分析に対して全体のアウトプットを定量的に評価する仕組みがなく、貢献度を評価しにくい
- 策定の目的:貢献度ベースでアウトプットを指標化したものを用いて、部署全体の生産性について検査する仕組みを作りたい
MTGを重ねつつ1~2ヶ月で決める
内部事情により急ぎめで作成する必要があり、CAO、EM、データアナリスト2名(サコ含む)の4名のチームで議論を進めました。
▼ 決めるまでの大きな流れ
流れ | やったこと | |
---|---|---|
キックオフ | MTG | ・前提とゴールなどのすり合わせ ・メンバーから回収するフォーマット案の作成 |
メンバーから回収 | 作業 | ・メンバーからビジネス貢献になりそうな事例を回収 |
すり合わせ① | MTG | ・メンバーに記入してもらった事例を元にどの項目に該当するかを各人評価 ・評価がすれ違ったところを重点的にすり合わせ |
論点整理・基準の更新 | 作業 | ・MTGで出てきた論点を集約し、基準の修正版を作成 |
すり合わせ② | MTG | ・修正版基準を元に再度評価を実施 ・新たに出てきたすれ違い箇所を重点的にすり合わせ |
論点整理・基準の更新 | 作業 | ・MTGで出てきた論点を集約し、基準の修正版を作成 |
すり合わせ③ | MTG | ・修正版の反映 ・細かな論点を回収 |
ドキュメント化 | 作業 | ・メンバーや他部署への説明用にドキュメント作成 |
記入フォーマットの作成 | 作業 | ・評価の効率化と可読性向上のため、PJの記入フォーマットを作成 |
Fix | 作業 | ・レビューを経てFix。Fix後はメンバーへの展開など。 |
議論したこと例
かなり多くの論点が出たので一部紹介します。
Q. 外的要因によって分析が中断した場合や施策に繋がらなかった場合は?
A. OKRとしては評価対象外。OKRはあくまでビジネス成果を評価するものであるため。
良い取り組みとして、データ統括部内で評価・共有する。
Q. 切れ目のないPJの中で分析と効果検証を繰り返す場合は?
A. 分析内容やアウトプットの変化に合わせてよしなに別々の施策で切り分ける。一つのPJ内で、対象やセグメントが変わり、分析内容やアウトプットが一定変化するものは別々の施策として切り出す。単純に集計対象の変更で集計結果が変わるだけなら、同一の案件として評価する。
「ビジネス貢献」の基準
項目 | pt | 詳細 |
---|---|---|
施策寄与 | 2pt | BIからの提案や仮説構築を経て施策の実施に繋がる、または施策の進行に重要な貢献を行う。 |
効果検証 | 2pt | 現場で仮説の構築などを終えた後、分析者が効果の設計・検証段階からジョインし、効果の測定と施策への提言を通じて施策に貢献。 |
インパクト | 3pt | 施策が定性的な重要な示唆を得る、または定量的に大きな貢献を行った |
良いアウトプット | 0pt | 外部要因で施策を中断したが、分析の進め方やアウトプットが優れていて共有に値するもの。 |
各基準はより詳細な基準を設けています。
例えば、「施策への寄与」だと、主に下記3点のいずれか
に該当するかを判断する項目としています。
- 施策立案につながる仮説構築への寄与
- 既存仮説施策実行の内容決定、成功確度や効率の改善への寄与
- 施策実行自体への寄与
具体例)
■ 施策立案につながる仮説構築への寄与
- 課題を構造化し施策につながる仮説を構築した
- 施策に関わるKPIを可視化した
- 施策に関わるKPIの重要性を示した
■ 施策実行の内容決定、成功確度や効率の改善への寄与
- 施策内容の示唆を出した
- 施策遂行に必要な指標の設計を行った
- 施策内容の優先度の示唆を出した
■ 施策実行自体への寄与
- 顧客に提供するダッシュボードを作成した
- 顧客に提供するデータ自体を作成した
OKRの運用方法
基本的には以下のように運営していきます。
- メンバーは「ビジネス貢献DB」に任意のタイミングで記入。基本的に自薦。
- 1-2ヶ月に一度、CAO、EM、シニアデータアナリストの3名で協議しポイント付与
今後の展開
短期間で作ったこともあり、まだまだ改善点があります。
厳密な評価をしているところだと、貢献価値を売上換算していたり、社内受発注という形を取っていたりするとか。
今後も運用や基準についてブラッシュアップしつつ、ビジネス貢献案件の社内への知見共有やBI内の振り返りを通じた再現性の向上に取り組んでいきたいと思っています。
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