本記事は、
箱根駅伝データ分析物語 #2-1:箱根高速化(散布図-往路)
の続きになります。
2.3. 分析結果
前記事にも記載しているが、今回はまずは全データにおいて近似直線を引き、近似直線からの距離が遠い上振れ、下振れそれぞれ上位2.5%のデータを外れ値とみなし、
当該データを除外したうえで再度近似直線を付与していることに留意
6区:山下り区間
第95回以降 オレンジ色 N=98
第94回以前 青色 N=73
縦軸:6区区間タイム
横軸:出走時10,000mベストタイム
- 直近5年(オレンジ)の方が全体的に近似曲線は下にあるため、高速化していることが読み取れる
- ただし差分は緩やか、下りは厚底による高速化の程度は小さいか
7区:ザ・繋ぎ区間
第95回以降 オレンジ色 N=88
第94回以前 青色 N=201
縦軸:7区区間タイム
横軸:出走時10,000mベストタイム
- 直近5年(オレンジ)の方が全体的に近似曲線は下にあるため、高速化していることが読み取れる
8区:遊行寺の坂区間
第95回以降 オレンジ色 N=85
第94回以前 青色 N=189
縦軸:8区区間タイム
横軸:出走時10,000mベストタイム
- 10,000m30分以下は直近5年(オレンジ)の方が全体的に近似曲線は下にあるため、高速化していると言っていいか
- 厚底導入により、以前よりも差がつきやすい区間になっていることが読み取れる(なぜだろう、遊行寺まででどこまでスタミナを残せているかで、遊行寺での差がつきやすくなった?)
9区:裏エース区間
第95回以降 オレンジ色 N=83
第94回以前 青色 N=201
縦軸:9区区間タイム
横軸:出走時10,000mベストタイム
- 直近5年(オレンジ)の方が全体的に近似曲線は下にあるため、高速化していることが読み取れる
- ほぼ平行に近いため、区間戦略などはそこまで変わらず、シンプルに高速化したか
10区:アンカー区間
第95回以降 オレンジ色 N=76
第94回以前 青色 N=165
縦軸:10区区間タイム
横軸:出走時10,000mベストタイム
- 直近5年(オレンジ)の方が全体的に近似曲線は下にあるため、高速化していることが読み取れる
- ほぼ平行に近いため、区間戦略などはそこまで変わらず、シンプルに高速化したか
2.4. まとめ
往路
1区:やや高速化、以前より10,000タイムに対する差はつきづらくなっている
2区:シンプルに高速化
3区:高速化、以前より10,000タイムとの相関は大きくなっている
4区:シンプルに高速化
5区:高速化、以前より10,000タイムとの相関は大きくなっている
復路
6区:やや高速化、以前より10,000タイムとの相関は小さくなっている
7区:シンプルに高速化
8区:高速化、以前より10,000タイムとの相関は大きくなっている
9区:シンプルに高速化
10区:シンプルに高速化
3. 全体所感
- 予想通り、ほぼ全区間で高速化している
- 厚底によってトラックタイムも早くなっているが、それ以上にロードのタイムが伸びていることがわかる(トラックもロードもどちらも早くなるだけであれば、近似直線は以前と変わらないはず)
4. 次分析
今回は散布図に対する近似曲線の傾きから視覚的に高速化の有無を判断したが、
せっかくなので統計学的検証も実施する(F検定&t検定)
お願い
皆さまからのローデータ提供など、いつでもお待ちしています。。。