はじめに
東京大学 理学系研究科物理学専攻を受験しました。(内部生)
A2サブコース(素粒子・原子核実験)第一志望、A4サブコース(物性実験)第二志望の筆者の院試体験記です。理論系の人は参考にならないと思いますが、実験系を希望している人の参考になれば嬉しいです。
結論から言うと、研究室見学には行きましょう。早めに勉強を始めましょう。そして友達は大事です。
院試勉強
6月まで
6月まではほぼ何もしていませんでした。TOEFLのReadingの問題集と、詳解と演習大学院入試問題〈物理学〉(以下黄色い本)という本だけ買っておきました。一応3年の春休みに物理学演習を解き直したりしてみたのですが、面倒くさくて物理学演習1,2のみで力尽きたので意味なかったです。
また、4Sセメスターには有志が院試ゼミを開講していました。自分は授業が入っていたのと、特別実験が忙しかったのと、面倒くさかったので、 参加しませんでしたが、参加したほうが良いと思います。これは後でも述べますが、Driveの過去問の解答は当てにならないためです。
7月
7月中旬になると授業も終わり、流石にやばいという焦燥感から、買った2冊の本をやり始めました。英語に関しては、そんなに難しくないのと、配点が英語100、専門科目400ということからほとんどやりませんでした。物理は本当に忘れていて、統計力学は、分配関数の出し方から忘れている始末。しかし、7月中には黄色い本は終わりませんでした。
8月
8月の第1週のうちに黄色い本は終わらせて、過去問を解き始めました。過去問は新しい方から順番に1日1年分解いていきました。しかし、解答が無いので解いたら解きっぱなしでした。ゼミに参加するか、一緒に解いてくれる友だちがいると良いと思います...
物理は最近のほうが若干難しい気がしたので、数年分やったら、それ以上昔の過去問はやらずにもう一度解き直しました。数学は年によって難しかったりしますが、複素積分と線形代数が主なので、出題範囲はかなり狭く、何年分もやる必要はないかなと感じました。
結局物理は9年分、数学は4年分だけ解きました。
試験本番
筆記
午前中に約2時間でTOEFL ITP、午後は13:30から17:30で専門科目の試験でした。
英語はリスニングの最初の方が緊張して聞き取れず、10問目あたりから落ち着いて聞けました。筆記はかなり簡単だった(感覚)ので、おそらく
リスニング 7-8割
文法と読解 9割ちょい
とかだと思います。
専門科目は量子力学の最後の問題以外一応全部解いたのですが、全体的に合ってる自信がないので、おそらく
量子力学 6-7割
統計力学 7-8割
電磁気学 8-9割
物理数学 7-8割
で合計7割くらいだと思います。(自己採点ではなく解いた感覚)
結果が出たらまた書きます
追記 開示した試験の結果(2023.10.11)
試験の点数を開示したら
英語 80点
量子力学 55点
統計力学 70点
電磁気学 100点
物理数学 87点
計 392/500
でした。
A2,A4サブコースの場合、8割弱でも筆記は通るようです。
同じ学科の人は量子力学と統計力学でも100点近く取っていたので、ちゃんと勉強していれば取れるのだと思います。
口述試験
口述試験に関しては内容を話すことはできないのですが、サブコースによって全然違いました。僕の場合、先にA4サブコースで受けて、なるほどこういう感じなのか、と思ってそのままA2サブコースに行ったら全然違う形式で面食らいました。
理論系は分かりませんが、実験系は口述で落としにきている感じはしなかったので、そこまで心配しなくてもいいと思います。
結果
第一志望のサブコースの第一志望の教授に配属になりました。第一志望の教授に配属になるかどうかは、その年の志願者の偏りの部分が大きいと思うので、運が良かったのだと思います
アドバイス
研究室見学
研究室見学は絶対にしたほうが良いです。ウェブサイトだけでは分からない、教授や院生たちの雰囲気が分かります。
早めに対策を始める
僕の場合は特に、長い時間勉強をするのが苦手なタイプで、高校受験も大学受験も早めに勉強を始めてそのまま逃げ切るスタイルでした。今回は追い込み型でしたが、そんなに長い時間は勉強できませんでした。
追い込むのが得意な方は8月からとかでもいいかもしれませんが、早めに、せめて4Sセメスターが始まったくらいから準備しておくと心の余裕ができると思います。
一緒に勉強する友達を作る
院試の過去問は解答が無いことが多いです。学科のdriveにありましたが、最近のものはなかったり、間違えていたりします。院試ゼミに参加したり、仲の良い友達と一緒に解いたりするのをおすすめします。
外部の英語試験は早めにやっておきましょう
来年度からTOEFL ITPではなくなり、外部の英語試験のスコアを提出するようになるらしいです。詳しいことは既に物理学専攻のHPに書いてありますが、TOEFLとTOEICどちらでもいいらしいです。
https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/g_info/38517/