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Pythonその4Advent Calendar 2020

Day 6

Macのpyenv環境下でtkinterを使えるようにする方法

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この記事について

pyenv環境下でのPythonでmatplotlibを使おうとすると、以下のようなエラーが出る場合があります。

$ python main.py
()
ModuleNotFoundError: No module named '_tkinter'

「tkinterというパッケージがない」というエラーです。しかし、tkinterはPythonの標準パッケージなはず。なぜだろう?と思う方もいるでしょう。
これは、tkinterがない、というよりはtkinterの依存先であるTcl/TkというGUIツールがないことで起こっています。
(tkinterはTcl/TkのGUIをPythonで扱うためのインターフェースなので、Tcl/TkがPCに入っていないと動かないのは当然です。)

この記事では、これを解決しpyenv下でmatplotlibを使えるようにセットアップする方法を紹介します。

使用する環境・バージョン

  • OS: macOS Catalina 10.15.7
  • pyenv 1.2.21
  • tcl-tk: stable 8.6.10 (bottled) [keg-only]

エラー解消のStep

0. (下準備)pipで入れたパッケージリストを保存しておく

これからpyenvで入れたPythonを一回抜いて再インストールする必要があります。
そのため現状復帰が楽にできるように、pipで入れたパッケージのリストを出しておきましょう。

以下のコマンドを実行します。

$ pip freeze > pip.txt

こうすることで、pip.txtに今どのパッケージがどのバージョンで入っているのかが全て書き出されます。

1. pyenvで入れたPythonのアンインストール

pipパッケージリストの保存ができたら、一回pyenvで入れたPythonを抜きます。

# 一旦システムのPythonに切り替え
$ pyenv global system
$ pyenv versions
* system
  3.X.X (set by /Users/myname/.pyenv/version)

# 3.X.Xになっていないことを確認したらアンインストール
$ pyenv uninstall 3.X.X

2. tcl-tkのインストール

tkinterインターフェースの依存先であるtcl-tkをbrewでインストールします。

$ brew install tcl-tk
()
==> tcl-tk
tcl-tk is keg-only, which means it was not symlinked into /usr/local,
because macOS already provides this software and installing another version in
parallel can cause all kinds of trouble.

If you need to have tcl-tk first in your PATH run:
  echo 'export PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/bin:$PATH"' >> /Users/myname/.bash_profile

For compilers to find tcl-tk you may need to set:
  export LDFLAGS="-L/usr/local/opt/tcl-tk/lib"
  export CPPFLAGS="-I/usr/local/opt/tcl-tk/include"

For pkg-config to find tcl-tk you may need to set:
  export PKG_CONFIG_PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/lib/pkgconfig"

brew install tcl-tkを実行すると、このように「これからtcl-tkを使うためにはどのような設定を行えばいいのか」という説明書きが画面に出力されます。
なので、ここで表示された内容はどこかに書き留めておくといいでしょう。

仮にこの内容を忘れてしまって、後からこの設定を確認したいという場合は、brew infoコマンドを打てば同内容を再び見ることができます。

$ brew info tcl-tk

3. tcl-tkの設定

先ほど表示された説明書きに従って、以下の内容を.bash_profileに追記します。

.bash_profile
# 以下の内容を追記

export PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/bin:$PATH"
export LDFLAGS="-L/usr/local/opt/tcl-tk/lib"
export CPPFLAGS="-I/usr/local/opt/tcl-tk/include"
export PKG_CONFIG_PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/lib/pkgconfig"

次のコマンドで、.bash_profileをviで開くことができるので、今の内容を書き込みましょう。

$ vi .bash_profile

4. Pythonの再インストール

tcl-tkの設定が終わったら、再びpyenvでPythonをインストールしましょう。

ただ、このpyenv installの際に以下のようなオプションコマンドをつける必要があります。

$ PYTHON_CONFIGURE_OPTS="--with-tcltk-includes='-I/usr/local/opt/tcl-tk/include' --with-tcltk-libs='-L/usr/local/opt/tcl-tk/lib -ltcl8.6 -ltk8.6'" pyenv install 3.X.X

出典:GitHub pyenv/pyenv Issue#1375 pyenv install doesn't work with homebrew installed tcl-tk

補足: このオプションコマンドは何をしているのか

実は、このオプションなしにpyenv install 3.X.Xとだけでthinterを使おうとすると、以下のようなエラーが出ます。

RuntimeError: tk.h version (8.6) doesn't match libtk.a version (8.5)

これは、brewでインストールしたtcl-tkがversin 8.6なのに対し、pyenvが使うデフォルトのtcl-tkが8.5であることに起因しています。
そのため、あのようなオプションをつけることで、「version8.6のtcl-tkを使ってPythonをビルドするように」という設定をしているのです。

5. 動作確認

実際にエラーが解消されたかどうかを見てみましょう。
先ほどインストールしたPythonバージョンに切り替えてから確認します。

$ pyenv global 3.X.X
$ pyenv versions
  system
* 3.7.4 (set by /Users/myname/.pyenv/version)

tkinterが使えるかどうか

以下のコマンドを打つことで、今使用しているPythonでthinterが使えるかどうか確認することができます。

$ python -m tkinter

無事にthinterが使えるようになっているなら、以下のようなGUIが自動で開かれるはずです。
スクリーンショット 2020-12-10 0.49.21.png

matplotlibが使えるかどうか

tkinterが入ったことは確認できましたが、matplotlibはどうでしょうか。

まずは、matplotlib含む、pipで入れたパッケージを戻しましょう。先ほどpip.txtにパッケージ一覧を保存しておいたので、それを元に同一パッケージ・同一バージョンのものを一気に再インストールします。

$ pip install -r pip.txt

パッケージを戻したら、実際にmatplotlibを使ったpythonコードを実行してみます。
以下のコードは、matplotlibの公式Tutorialから持ってきたものです。

#coding: utf-8
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np

fig, ax = plt.subplots()  # Create a figure containing a single axes.
ax.plot([1, 2, 3, 4], [1, 4, 2, 3])  # Plot some data on the axes.

plt.savefig('figure.png')

figure.png
エラーが出ず、このような画像ファイルが生成されればOKです。お疲れ様でした。

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