3DCGを学習していた際にバンプマッピング、ノーマルマップ、ノーマルブレンドの三つの用語の違いについて混同したので、下記に特長や違いをまとめます。
バンプマッピング (Bump Mapping)
概要:
バンプマッピングは、表面の凹凸を疑似的に表現するための技術です。実際のジオメトリ(頂点)は変化せず、テクスチャを用いてライトの当たり方を変えることで凹凸があるように見せます。
特徴:
- テクスチャの利用: バンプマッピングでは、通常のカラーテクスチャに加えて「バンプマップ」と呼ばれるグレースケールのテクスチャを使用します。このテクスチャは各ピクセルの高さを示し、ライトの反射を調整します。
- ジオメトリは変更されない: 表面の実際の形状は変更されず、見かけ上のディテールを追加します。
- 計算負荷: 計算は比較的軽量で、古いハードウェアでも実装が可能です。
利点:
- 計算コストが低い。
- 簡単に実装でき、効果的なディテール追加が可能。
欠点:
- 表面のシルエットは変わらないため、特定の角度から見ると効果が薄れる。
- 高精細なディテールを表現するには限界がある。
ノーマルマッピング (Normal Mapping)
概要:
ノーマルマッピングは、表面の法線(ノーマル)ベクトルを変更することで、より詳細なディテールを表現します。これにより、光の反射がリアルに変化し、凹凸があるように見せます。
特徴:
- テクスチャの利用: ノーマルマッピングでは、RGBカラーチャネルを使用して法線ベクトルの情報を格納する「ノーマルマップ」を用います。このテクスチャによって、各ピクセルの法線ベクトルを直接変更します。
- ジオメトリは変更されない: 実際の頂点データは変更されず、視覚的に表面のディテールが向上します。
- 計算負荷: バンプマッピングよりも計算がやや複雑ですが、現代のハードウェアでは問題なく処理可能です。
利点:
- よりリアルな凹凸表現が可能。
- 高解像度のディテールを表現できる。
欠点:
- テクスチャデータの準備が複雑。
- 計算コストがバンプマッピングより高い。
ノーマルブレンド (Normal Blending)
概要:
ノーマルブレンドは、複数のノーマルマップをブレンドして使用する技術です。これにより、異なるノーマルマップの効果を組み合わせて、さらに複雑な表面ディテールを実現します。
特徴:
- 複数のノーマルマップ: 複数のノーマルマップを一つのサーフェスに適用し、それらを適切にブレンドします。
- 複雑なディテール: 一つのノーマルマップだけでは表現できない複雑なディテールを再現可能です。
- 計算負荷: 計算はさらに複雑になり、ブレンドのための追加計算が必要になります。
利点:
- 複数のディテール層を組み合わせることで、リアルで複雑な表面表現が可能。
- 柔軟な表現力が向上。
欠点:
- 計算コストが高くなる。
- 実装が複雑。
まとめ
バンプマップは凹凸のみを表現。ノーマルマップは法線を定義
- バンプマッピング: テクスチャを使って法線を変更し、視覚的に凹凸を追加。軽量で簡単。
- ノーマルマッピング: RGBテクスチャを使用して法線ベクトルを直接変更し、詳細なディテールを表現。よりリアルで詳細。
- ノーマルブレンド: 複数のノーマルマップをブレンドして使用し、複雑なディテールを表現。高コストだが柔軟な表現力。
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