競プロで使えるC++のデバッグ環境を簡単に構築する方法(Windows向け)

本記事では、Visual StudioのMSVC（Microsoft Visual C++）を利用して、C++ファイルのデバッグ実行を行う方法を解説します。
競技プログラミング等でvscodeのデバッグツールを使いたい方におすすめです。

全体の流れ

1. Visual Studio 2022 のインストール
2. tasks.json/launch.json の作成
3. デバッグ実行

1. Visual Studio 2022 のインストール

まずは、以下のリンクから、Visual Studio 2022 をダウンロードします。
Visual Studio 2022

ダウンロードしたら、VisualStudioSetup.exeファイルからインストーラーを起動します。

Visual Studio Community 2022 をインストールします。

C++によるデスクトップ開発にチェックをいれて、インストールします。

2. tasks.json,launch.json の作成

vscodeを起動し、プロジェクトフォルダを作成します。

ルートディレクトリに、.vscodeフォルダを作成し、.vscode下に、launch.jsonとtasks.jsonを作成します。

作成したlaunch.json,tasks.jsonに以下をペーストしてください。
(tasks.jsonの"VsDevCmd.bat"は、必要に応じてパスを書き換えてください)

launch.json

{
  "version": "0.2.0",
  "configurations": [
    {
      "name": "Debug current file",
      "type": "cppvsdbg", // dbgのタイプ指定
      "request": "launch",
      "program": "${fileDirname}\\out\\${fileBasenameNoExtension}.exe", // 実行ファイル指定
      "stopAtEntry": false, // エントリーポイントで停止しない
      "cwd": "${fileDirname}",
      "console": "integratedTerminal", // 統合ターミナルを使用
      "preLaunchTask": "Build current file with cl.exe", // タスク指定
      "justMyCode": true // 自分のコードのみをデバッグ対象に
    }
  ]
}

tasks.json

{
  "version": "2.0.0",
  "tasks": [
    {
      "label": "Build current file with cl.exe",
      "type": "shell",
      "command": "cl.exe",
      "args": [
        "/Zi",
        "/EHsc",
        "/utf-8",
        "/Fe:${fileDirname}\\out\\${fileBasenameNoExtension}.exe",
        "/Fo:${fileDirname}\\out\\",
        "/Fd:${fileDirname}\\out\\",
        "${file}"
      ],
      "options": {
        "shell": {
          "executable": "C:\\Program Files\\Microsoft Visual Studio\\2022\\Community\\Common7\\Tools\\VsDevCmd.bat",
          "args": ["&&"]
        }
      },
      "group": {
        "kind": "build",
        "isDefault": true
      },
      "problemMatcher": ["$msCompile"],
      "dependsOn": ["Create out directory"]
    },
    {
      "label": "Create out directory",
      "type": "shell",
      "command": "if not exist \"${fileDirname}\\out\" mkdir \"${fileDirname}\\out\"",
      "options": {
        "shell": {
          "executable": "C:\\Windows\\System32\\cmd.exe",
          "args": ["/C"] // コマンドを一度実行し、cmd.exeプロセスを終了
        }
      }
    }
  ]
}

3. デバッグ実行

例として、ルートディレクトリにtest.cppファイルを作成して、デバッグを実行してみます。

test.cpp

#include<iostream>
using namespace std;

test.cpp
int main(){
    string s;
    cin >> s;
    cout << s << endl;
}

1. ブレークポイントを設定したい行の左端をクリックします。設置すると行番号の左に赤い丸が表示されます。
   (以下の例では、7行目に設置しています。)
   

2. Run and Debug(ctrl+shift+D)を開き、StartDebugging(F5)を押します。
   (参照ファイル上でF5を押すだけでも実行できます)

実行すると、以下のように /outディレクトリが作られ、exeファイルなどが保存されます。

その後、自動的に.exeファイルが実行され、デバッグを行える状態になります。

まとめ

以上の手順で、Visual StudioのMSVCを使ったC++プログラムのデバッグが可能になります。