Fortranでプログレスバー

#はじめに

長い計算の途中経過を知りたい場合、プログレスバーが欲しくなります。
端末上でプログレスバーを表示するサブルーチンをFortranで作ってみました。
ASCIIコードを指定して出力することで、(cursesライブラリなどがなくても)端末上に色々なメッセージを出すことができます。

#サブルーチン
端末の50文字程度を使ってプログレスバーを表示するサブルーチンです。引数の意味や注意点は以下の通り。

• iparcent 整数型で1〜100までの数
• uni 書き出す装置番号
• １行前に戻って行末まで削除し、その後進捗を表示
• 本ルーチン呼び出しの合間に他の処理で同一装置番号に出力が有る場合、プログレスバーの表示が崩れます。

subroutine progressbar(iparcent,uni)
  use iso_fortran_env
  implicit none
  integer,intent(in) :: iparcent
  integer,intent(in) :: uni
  integer :: i
  character(len=1),parameter :: esc=achar(27)
  character(len=1),parameter :: cr=achar(13)
  i=1
  write(uni,'(A)',advance='no') esc//"[1A"//esc//"[0J"
  write(uni,'(A)',advance='no') cr//"|"
  do while(i<iparcent/2)
    write(uni,'(A,I3)',advance='no') "="
    i=i+1
  end do
  select case(mod(i,3))
  case(0)
    write(uni,'(A,I3)',advance='no') "\"
  case(1)
    write(uni,'(A,I3)',advance='no') "/"
  case default
    write(uni,'(A,I3)',advance='no') "."
  end select
  do while(i<100/2)
    write(uni,'(A,I3)',advance='no') " "
    i=i+1
  end do
  write(uni,'(A,I3,A)',advance='yes') "|",iparcent,"%"
end subroutine

#テストプログラム

• sleepはGNU拡張なので、コンパイラによっては使えない場合があります。
• 何かの処理の合間に、整数で％を指定してコールするとプログレスバーが表示されます。
• 標準出力に書き出すことが前提で、ファイルに書き出すと読みにくいデータの羅列になります。したがって、出力先はerror_unitとしています。
• 動作確認はLinuxのターミナルで行いました。

program main
  use iso_fortran_env
  implicit none
  integer :: i
  !integer :: tb,te,cr,cm
  do i=1,100
    !call system_clock(tb,cr,cm)
    call sleep(1)
    call progressbar(i,error_unit)
    !call system_clock(te)
  end do
end program

#おわりに
数十分程度かかる計算をするとき、こういうルーチンを挟むことで計算時間を見積もり易くなりました。