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プロジェクトに入ってスケジュールを用意しようと思って各担当にタスクの目処を聞いたらわからないって言われた時の考察

Last updated at Posted at 2024-07-08

自分は、webの制作会社ではデザイン、コーディング、ディレクションなどを担当し、webサービスを提供している会社ではプランニングやプロジェクト管理を担当していました。

今まで様々なプロジェクトを担当した中で、タイトルにあるようにまずはスケジュールを引こうとした際に「素材が用意できるのはいつ頃ですか?」「要素が固まるのはいつ頃ですか?」「CM動画があがるのはいつ頃ですか?」など聞いた際に、「お客さん次第なのでわかりません」「事務所確認があるので決められません」といった答えが返ってくることがたまにありました。
そしてそんな返事が返ってくるプロジェクトに限ってだいたい公開日や開催日だけが決まっているんですよね。

そういった状況で、「スケジュールが引けない」「いつになるかわからない」という返事をする思考について考えてみようと思います。

決められない、わからないと返事をしてしまうのはなぜか

このような返事をするケースを考えてみると以下のようなケースがあるのかなと。

  • 自身で意思決定ができない
    例えば、取締役の確認が必要でなかなかスケジュールが抑えられない、確認しても都度戻しがきてしまうなど。
  • タレントを起用しようとしていて返事がもらえない
    例えば、事務所に打診しても返信がこない、なかなかスケジュールが確定しないなど。
  • 関係者が多すぎて把握できない
    例えば、3社共同のプロジェクトで確認先が多岐に渡ってしまうなど。
  • 要件がまとまらず実施内容がきまらない
    例えば、クライアント案件などで先方の承認がずっとおりないなど。

他にも様々な理由があると思うんですが自分の経験で思い当たるものを記載してみました。
では「わからない」というい状況になぜなってしまうんでしょう。

なぜわからない状況になってしまうのか

わからないという場合の返事の理由をみると、
「タレントがきまらないと何をするかをきめられないからいつになるかわからないんですよ」
「社長のOKがでないと進められないのでOKでてからでないとひけないんです」
「製品が完成してからなでないと撮影できないので現状だとみえないです」
など様々です。

大きな要因としては、そもそもスケジュールがないからこのような事態になると思っています。
わからない=目処がないということだと思うので、仮の目安でもスケジュールにプロットしていくと少なくともわからない状態は無くなると思います。
目安のスケジュールがないことで、各所情報の提出などを依頼する際にいつまでに欲しいという期日を伝えずに依頼してしまう場合が多いです。用意する側にいつ用意できるかだけを聞いてしまうと、用意する側は全体のスケジュールを理解していないので、自分都合で用意できるを返事、またはわからない場合はその旨を返事してしまいます。
まずはプロジェクトが円滑に進行できる期日をたて、全員の共通認識として全体の期日、各担当の用意する期日を把握してもらい、全員が期日に向け意思をもって動けるようにする必要があります。
ではなぜスケジュールをひくことができないのでしょうか。

スケジュールをひけない理由はなんなのか

先で記載したように大きくは「わからない」が要因だと思うんですが、根本的なところをみると「スケジュール」の解釈もちがうように思います。
おそらくスケジュールは見えているものを記載するもの、なのでみえていない予定はわからないになってしまうのでしょうか。
スケジュールの意味を調べてみるとデジタル大辞泉には

予定。日程。また、予定表。日程表。「スケジュールを立てる」「スケジュールをこなす」

とあります。
なので予定として引ければいいので、記載しているターゲットは仮の情報でもかまわないのですが、そこの認識が違う可能性はあります。

あとは、公開日、開催日など、そこまでに必要なタスクが把握できていないという場合もありあそうです。
タスクの粒度はスケジュールの共有先や用途により変わってくると思いますが、まずは決められた日までにやらないといけないことが不明瞭だと日程どうのこうの以前にそもそも引くことができないためです。
ではスケジュールがないまま進むとどのようになるのか。

スケジュールがないとどうなってしまうのか

結果から言うと、失敗します。とはいっても全部が全部失敗するわけではないです。
規模の小さい一人、二人など少人数で全タスクをこなせる案件であればなくても問題ない場合はあります。とは言ってもスケジュールを引かないだけで各タスクのターゲットは見えている必要があります。
人数やタスクが増えてくるとスケジュールを引く必要があります。

そして失敗すると記載しましたが、失敗にもいろいろあります。
公開日に公開できない、イベント開催時に満足のいくクオリティで提供できない、目標としている成果が達成できないなど。
スケジュールがない=各タスクの洗い出しができていない、かつターゲットが明確でない状態になる可能性が高いです。
そうすると、公開近くになってあわてて突貫工事で制作となりデバッグがちゃんとできなかったりします。そしてまにあわせることが目的となってしまうので満足のいくクオリティだったり、目標の成果をだすことができない可能性が高くなります。
このように、様々なリスクが高くなり、期待している成果を出すことができなくなることは損失になってしまいます。ひどい場合には事故などにつながってしまいます。
ではスケジュールをひくことでなぜ回避ができるのでしょうか。

スケジュールの役割とは

スケジュールは以下のような役割があると思います。

  • 公開時期などのターゲットの把握
  • タスクの把握
  • 各タスクの完了までの期間の把握
  • 稼働時期の把握
  • 進行状況の把握

スケジュールがないとこれらのことが把握できずトラブルにつながります。
公開時期などのターゲットについては、公開日を理解していればいいですが、例えば公開のフェーズが3段階などの場合は明記しておかないとメンバー間で齟齬がでてくる可能性があります。
そしてタスクの進行や稼働時期についても、同時期に進行できないタスク、順番に進めるタスクなどの考慮ができず連携が難しくなるのと、各タスクが順調に進行しているかどうかの判断も迅速にできないです。
なにより公開時期が変更になったり、タスクに遅れが出た場合にスケジュールがないと全体把握が難しく調整や共有に時間がかかってしまいます。

スケジュールがないとトラブルの原因が増えリソースや費用を無駄に消費してしまう可能性が高くなります。常に状況を把握し、問題なく公開するためにもスケジュールはあった方が無難だと思います。

スケジュールを用意しよう

ということで用意した方がいいんですが、用意するにあたりその手順についても考えてみましょう。
まずスケジュールを引く時の手順について考えてみます。

  1. タスクと担当を洗い出す
  2. 各タスクの工数と制作期間を把握する
  3. タスクの処理順序を整理する
  4. 公開日などのターゲットとなる日程を確認する
  5. ターゲットから逆算して各タスクの期日を設定する

プロジェクト規模や制作するものによって変わってくると思いますが、大枠で言えばこんな感じでしょうか。
まずはタスクと担当を洗い出す必要があるのですが、この時点でタスクに漏れがあるとあとからの調整が大変なので漏れのないようにする必要があります。
続いて各タスクの完了までにどれだけの期間があればいいのかを把握するのですが、作業にかかる工数とタスクを完了するまでの期間は異なるケースが多いので注意しないといけないです。実装工数は3日としても他にも案件を抱えているメンバーの場合は、他作業との兼ね合いもあるため期間は4日などリソース状況なども加味して引く必要があります。
タスクの処理順序は要件定義が終わらないと仕様策定ができないなど工程の順番を制作に支障がないようにする必要があります。
そして大事なのがターゲットの日程ですね。いつ公開なのか、開催日なのかなどは重要です。
あとはターゲットの日程に対して整理したタスクと期日をプロットしていけば完成です。
当たり前ですが期間が足りなく間に合わない場合が出て他場合は、制作するもののボリュームを減らすか、ターゲットの日程を後ろにずらすか、リソースを追加し短縮するかなどの検討をしスケジュールが破綻しないようにしないといけないですね。
なのでプロジェクトが動き出した時点でまずは大枠のスケジュールを用意し、時点ごとに目標のターゲットが現実的かどうかは判断していくことが必要です。間に合わない場合の調整なども早めに共有、理解することで調整が可能だが、直前だと調整が難しい、調整に損害が出てしまうなどの場合がでてきますので。

スケジュールができたらあとはスケジュール通りに進行していくんですが、期日に間に合わないものが出てきたり、要件の追加など仕様が変わる場合は都度調整が必要です。
都度調整が必要なのですが、期日からはみ出すタスクなどは間違いなくでてくるので、あらかじめバッファを見ておくと良さそうです。ただし、バッファが多すぎるのも問題なのでバッファについてもある程度予測をたてて確保しておくのがよさそうです。
あとは実際の進行ですね。最後に進行する上での注意点を考えてみましょう。

進行する上で気をつけること

進行していく中で様々なことが起こります。

  • 要件に変更が入る
  • 公開日が前倒しになる
  • デザインが期日をすぎてもFIXしない
  • 実装途中で予期しないトラブルが発生する
  • 担当者が病気になる

などなど。

そのような状況では迅速なスケジュール調整が必要です。
ここで大事なのは、期日に遅れるタスクが出てきた時点で都度スケジュールを調整し、最終的に破綻しないかを確認するようにしましょう。
もし調整してもターゲットの日程に間に合わせることができない場合は、スケジュール制作時と同様に制作するもののボリュームを減らすか、ターゲットの日程を後ろにずらすか、リソースを追加し短縮するかなどの検討が必要です。
期日に遅れが出ている状態にもかかわらず、その後の期日を変更しないと事故につながるので、日々の確認と調整はすごく大事ですね。

最後にひとこと

ということで、タスクの目処がわからない状況でもターゲットの日程から逆算して期日を決めることはできます。その期日がまもれないのであればそもそも全体の見直しが必要になってしまうので、早い段階でスケジュールを用意しましょうということを伝えていこうと思います。
そして内容については様々なケースや考え方があると思うのですが、今回は自分の頭の整理として記載しているのでおかしい部分や気になる部分についてはご了承くださいませ。

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