#はじめに
DataPower Gatewayは、DataPower Gateway for DockerとしてDockerイメージが提供されています。このDockerイメージをDockerで動作させる方法については、次の記事で説明されています。
Docker版のIBM DataPower GatewayをMacで動かす
Dockerは、2021年8月31日に有償化が発表されています。そこで、Dockerの代わりにPodmanでDataPower Gateway for Dockerを動かすことができるか、試してみました。なお、この記事の執筆時点では、DataPower Gateway for Dockerでは、Podmanをサポートしていません。DataPower Gatewayの手軽な学習の手段としてご利用下さい。
#環境
Processor: Intel Core i5-8250U CPU @ 1.60GHz x 8
Memory: 16 GB
OS: Ubuntu 20.04.3 LTS
Podman: version 3.3.1
#手順
##Podmanの導入
こちらの手順に従い、Podmanを導入します。
##イメージの取得
$ podman pull ibmcom/datapower
? Please select an image:
▸ docker.io/ibmcom/datapower:latest
quay.io/ibmcom/datapower:latest
docker.io/ibmcom/datapower:latestを選びます。
##ディレクトリの準備
$ mkdir datapower
$ cd datapower
$ mkdir config
$ mkdir local
$ mkdir certs
$ chmod -R 777 config local certs
これらのディレクトリの詳細は、こちらのページを参照して下さい。
##DataPowerの起動
Podmanを使ってDataPowerを起動します。次に最小限の指定を行うコマンドの例を示します。
podman run --name datapower -it \
-v "$(pwd)/config:/opt/ibm/datapower/drouter/config" \
-v "$(pwd)/local:/opt/ibm/datapower/drouter/local" \
-v "$(pwd)/certs:/opt/ibm/datapower/root/secure/usrcerts" \
-e DATAPOWER_ACCEPT_LICENSE=true \
-e DATAPOWER_INTERACTIVE=true \
-p 9090:9090 \
ibmcom/datapower
-eで追加する環境変数については、こちらのページを参照して下さい。
また、DataPowerで使うポートは、-pで追加して下さい。上記の例では、DataPowerのGUIで使う9090だけを指定しています。
ログが表示された後、
login:
と表示されます。
##CLIにログイン
ユーザーadmin、パスワードadminでCLIにログインします。
login: admin
Password: *****
Welcome to IBM DataPower Gateway console configuration.
Copyright IBM Corporation 1999, 2021
Version: IDG.10.0.3.0 build 333705 on Jun 16, 2021 9:06:57 PM
Delivery type: CD
Serial number: 0000001
##GUIを有効化
CLIで次のコマンドを実行しGUIを有効化します。
idg# configure terminal
Global mode
idg(config)# web-mgmt
Modify Web Management Service configuration
idg(config web-mgmt)# admin-state "enabled"
idg(config web-mgmt)# exit
##GUIにログイン
FirefoxなどのWebブラウザで次のURLを開きます。
https://localhost:9090
Potential Security Risk Aheadなどが表示されますが、そのままアクセスします。するとDataPower GatawayのGUIのログイン画面が表示されます。
ユーザーadmin、パスワードadminでGUIにログインします。
すると、The running configuration of the device contains unsaved changes. Review changes.
と表示されています。
##設定の保管
Review changesをクリックします。
CUIで変更した設定を保管し忘れていたことが分かります。Save Configをクリックして設定を保管します。
#おわりに
DataPowerを停止するには、
$ podman stop datapower
開始するには、
$ podman start datapower
を実行します。
ディレクトリにファイルが追加されていることを確認してみます。
$ tree
.
├── certs
│ ├── luna_cert
│ ├── webgui-privkey.pem
│ └── webgui-sscert.pem
├── config
│ ├── auto-startup.cfg
│ ├── auto-user.cfg
│ └── default.cfg
└── local
└── luna_config
├── Chrystoki.conf
├── configData
│ └── token
│ └── 001
└── data
├── client_identities
├── partition_identities
└── partition_policy_templates
この記事では、Dockerの代わりにPodmanを使ってDataPower Gateway for Dockerの基本的な動作を行えることを確認しました。繰り返しとなりますが、この記事の執筆時点では、DataPower Gateway for Dockerでは、Podmanをサポートしていないので、ご注意下さい。