「どのようなモデリングをするか?」その答えは人や組織によって異なるでしょう。モデリングの進め方には様々な方法があり、その効果が異なるからです。
そもそもモデリングをなぜするか?を考えてみましょう。
モデリングの目的
プロセスモデリングが、伝える、実行する、議論する、改良する、管理する、支援する、自動実行する、 ことを目的とした様に、モデリングを行うと、以下のようなことが可能になります(「ソフトウェアプロセスもソフトウェアである」というメタファからすると先祖帰りです)。
- 伝達の道具
- どのように実現するかを理解する
- 現状を理解する
- 協調作業の前提
- ルール
- インタフェース
- 思考・議論の道具
- 仕様の理解
- 実現方法の検討
- 組織活動
- 支援・改良
- 管理
- 実行基盤の実現
- データベースの構築
- 制約違反の検出
このようにモデリングには多くの目的があります。実際には、これらの複数の目的を考慮しながら、モデリング、レビュー、打ち合わせ、開発を実施します。その比率や順序はプロジェクトや組織によって異なるでしょう。
同じ目的でモデリングを行うとしても多くの手法がありますので、どのような戦略でモデリングを実施するかによってその効率は大きく変わります。
特に小規模なプロジェクトの場合は、必要と思われる全てのモデリングは不可能ですので、目的や方法の取捨選択やその組み立て方がプロジェクトの成否に大きく影響します。
次回は効率的なモデリングの戦略について述べます(効率的なモデリングをマネージメントする その2 - モデリングの戦略 -)。