LPIC304を受験するので、まとめていきます。
LPIC304試験については、公式ページを確認ください。
1つ1つトピックのボリュームが多かったので、単元ごとに書きました。
330.1仮想化の概念と理論
重要度:8
仮想化とは
仮想化(Virtualization)とは、コンピュータリソースを抽象化すること。
サーバ仮想化のメリット
・H/W資産の柔軟な運用
・仮想マシンのテンプレート化
・ピーク時間の分散
・ランニングコストの削減
サーバ仮想化のデメリット
・物理サーバの故障やメンテナンス時の影響
・パフォーマンスの低下
・仮想化の専門知識が必要
サーバ仮想化の手法
- ホストOS型
- 特徴:ホストOS上に仮想化S/Wをインストールし、その上にゲストOSを動作させる。
- メリット:手軽
- デメリット:動作のオーバーヘッドが大きくなる
- 具体的なツール:VirtualBox、VMware Workstation、Microsoft Virtual PC、Parallels Desktop
#試験に出るのは、VirtualBoxの特徴くらい
- ハイパーバイザー型
- 特徴:物理マシンの上に仮想化ソフトウェアを直接起動し、その上にゲストOSを起動する。企業での仮想化の主流。
- メリット:ホストOS型に比べてパフォーマンスが良い
- ツール:Xen、HP社のIntegrity Virtual Machines、VMware社のVMware vSphere
ハイパーバイザーの実現方法
完全仮想化(H/W仮想化とも呼ぶ)、準仮想化(PV:ParaVirtualization)の2種類がある。
完全仮想化 | 準仮想化 | |
---|---|---|
H/Wエミュレーション | する | しない |
処理性能 | 低い | 高い |
ゲストOSの修正 | 不要 | 必要 |
CPUの仮想化支援機能 | 必要 | 不要 |
ゲストOSとしてWindowsを採用できるのが、完全仮想化。
完全仮想化を効率化する為には、CPUの仮想化支援機能を利用する。
これは最近のCPUに含まれている機能。
仮想化ソフトウェアが行う処理の一部をCPUが分担することで処理を高速化する。
Intel VT(Intel Virtualization Technology)やAMD-V(AMD Virtualization)として実装されている。
コンテナ型仮想化
コンテナ概要
仮想マシンを作成するほどの手間をかけずに、一台の物理サーバにおいて複数のサーバにそれぞれ独立した環境を提供できる。
クラウドコンピューティングの発展とともに注目を浴びている。
仕組み
Linuxの機能の組み合わせで成り立っている。「chroot」によるルートディレクトリ位置の変更、「NameSpace(名前空間)」による空間分離、「cgroup」によるグループ化されたリソースの制限等が使用されている。
つまり、
コンテナ内プロセスは、変更されたルートディレクトリまでの空間しか見えず、お互いが隔離された状態として動く。隔離された空間内でリソース制限をかけることにより、それぞれの環境にあった隔離空間が形成される。
各コンテナを、OS側から見ると、コンテナは通常のLinuxのプロセスであり、OSは一つしか動いていない。
試験に出題される範囲のコンテナ
コンテナ型S/Wとして、LXC、OpenVZ、Dockerがある。
- 特徴:仮想CPU、仮想メモリ、仮想ディスクという仮想的なH/W概念がないため、エミュレーションの必要性がない
- メリット:構築スピードが早い。集約率が高い。
- デメリット:OSの不具合、障害などが広範囲に及ぶ。異なるOSを稼働させることができない。OSレベルでのカスタマイズに制限がある。
クラウド
クラウドとは、ネットワークの向こう側にコンピュータ群やサービスたちを指す。
詳しくはこちら
5つの特徴
- オンデマンド・セルフサービス
- 必要なときに必要サービスを自由に利用できる
- 広帯域ネットワークアクセス
- インターネットを利用して、どこからでもアクセスできる
- リソースの共有
- リソースを蓄えておき利用できる
- スピーディーな拡張
- サービスやリソースの利用を迅速かつ柔軟に変更できる
- サービスが計測可能
- リソースの利用が計測できる
3つのサービスモデル
- SaaS
- 「S/W as a Service」の略。単にS/Wを利用する。O365、Salesforce、gmailなど
- PaaS
- 「Platform as a Service」の略。開発環境までを提供してくれる。Windows Azureなど
- IaaS
- 「Infrastructure as a Service」の略。サーバ、ストレージなどのインフラ環境を提供してくれる。Amazon EC2など
4つの配置モデル
- プライベート(自社)クラウド
- コミュニティクラウド
- パブリック(インターネット)クラウド
- ハイブリッドクラウド
マイグレーション
既存の環境をそのまま別の環境へ移すこと
- ライブマイグレーション
- サービスを停止することなく移行すること。
- 仮想化システムの魅力の1つ
- P2V
- 物理サーバから仮想サーバへの移行
- V2V
- 仮想サーバから別の仮想物理サーバ上の仮想サーバへの移行
- V2P
- 仮想サーバから物理サーバへの移行