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Enterprise Agile Forum 2024
~情報子会社・SIerがデジタル社会の共創パートナーになるために~
のイベントに参加しました。私自身の備忘のために感想をまとめておきます。
イベント概要はこちら。
基調講演① ちんもさん 「人がつくるソフト ~SIerがアジャイルになる旅について~」
大きなSI企業の中でアジャイルが広がっていくことについて、ちんもさんのアジャイル史をベースにした講演でした。アジャイルの立ち上げ→失敗→再度立ち上げ→徐々に拡大していく流れをとてもリアルに感じられました。
講演の中で一番刺さったのが「ファンタジーの力を求められる、OneTeamになるという「共同幻想」に合意、本気で目指す。そのためにも受託側からは放棄してはいけない」ということ。変えにくいこと・現実がある中で理想を目指すからこそ、目指す立場から放棄してはいけないのだなと耳が痛い話でした(引っ張る存在が妥協してちゃ、そりゃ周りもついてこないよなぁと)
講演者はみんな神みたいな存在だと思っていますが、それでもうまくいかないこともあるというのが新鮮な驚きでした。
学び
- チェンジエージェントの心理:変えにくいからこそ挑む
- 人を増やすことだけでなく増やさないことにも注力
- 社内事例発表→他のチェンジエージェントともつながり拡大
- 概念としてのブチョー
- エバンジェリスト就任:名前が付くことで役員や他部署の人が呼びやすくなった
- 現実がある中で理想を目指すファンタジーの力が必要
- バックオフィスの改革はバックオフィスにいたアジャイルエバンジェリストと結びつき、改革を加速
- 20年でうまくいかないこともある、それでもいつか増える
- →荒野をアジャイルにするのはいつもチェンジエージェント
- 協働というより協働体験の蓄積(あの時一緒にあれやったね、など成功していない体験でも良い)
基調講演② 横塚さん 「ビジネス×アジャイルなら イノベーションを創造できる」
横塚さんは日本企業のビジネスの問題という切り口で、価値創造ができないことの原因とその解決策の話についての講演でした。
多くの大企業で本質的なDXができていないことについて、課題を見つけるプロセスやそのスキルが無いなど視座の高い話が聞けました。「システム開発さえアジャイルをやらない会社は見捨てる」とまで言い切るくらい、変革しないと未来がないのだと強く感じました。
学び
- 新しい価値の創造や価値創造がマネジメントできない
- 解決策は自律したプロ人材がアジャイルするしかない
- 各人がプロとしての能力を生かし、組織の忖度なしで真の問題を探る
- 議論ではなく対話をとことん行う ← 議論と対話の違いを深堀出来なかった(後悔)
- 企業に対して今の認知をUNLOCKするプロ人材
午後:OST(Open Space Technology)
午後はOST形式で、計4つのカンファレンスに参加しました。
OST1:アジャイルでよくある失敗を共有したい
失敗談をふせんに書き出してみたら、全員出るわ出るわと、ボートに収まりきらないくらいでてました。改めて眺めてみると、アジャイルの失敗というけれど、WFでも失敗してたよね、の内容もあって面白かったです。
失敗談に「社内でOSTやったけどテーマが出なかった」というのがあり、社内でOSTにチャレンジしてみたこと自体が凄すぎて脱帽してました。
OST2:ファンタジーの作り方
ちんもさんテーマ。アジャイルの理想と現実のすり合わせ方について。
プラクティスで話をしていた時に「体制図でメンバー間の関係性を書いたものって恋愛相関図みたいだよね」というコメントからしばらく盛り上がりましたw
(でも恋愛相関図と表現するのはとてもいいメタファーだと思う)
ファンタジーでうまくいっていても、現実に引き戻されることがあり、その時にどうするか?が悩ましい…
OST3:アジャイル×マネジメント
OST1と近いテーマとして、PJの各フェーズでチーム・PJ・組織の切り口から何をやっている?をお互い出しあって話し合いました。
ここでの気づきは、PJのが見なければならない観点がめちゃめちゃ多い事。そしてスクラムは小さな単位で行っているからこそ、1チーム=1PJになりがちで、結果PMの仕事がスクラムチームに降ってくる(そしてSMがその業を負わされる)こと。SMにもやることがあるからこそ、PMの仕事を誰がどうこなしていくかを考えなければいけないなと学びになりました。
OST4:WELL BEING GAME CENTER
タイトルの通り、チームで使えるゲーミフィケーションのプラクティスを体験する回でした。
- Improv Cards
- 絵が描かれたカードを3枚配り、1枚ずつカードを出しながらストーリーを創造していく
- 感想:
- テーマと絵とつなげながら前の人とつながるストーリを考えるので、頭がとてもよく回る
- スクラムのふりかえりとかにも使えそう
- 生き甲斐カード
- 「私の好きなこと」についてカードを引いて、裏に書かれたテーマについて話す。周りはコーチ、メンターとして質問する(他に2つのテーマがあるが、時間の都合で1つのみ)
- 感想:
- 深いところを突く質問なので、赤裸々に話すことになる(例:幸せ、健康、仕事、人間関係、富について10段階評価)
- 「しゃべるか」というカードを持っているけど、それに近い感じで人となりを知れるプラクティスだった
その他つぶやき
OST形式のイベントに初めて参加しましたが、最初はめっっっちゃ緊張しました(;゚Д゚)
「え?今からテーマを自分で出すの?」「変なテーマ出したらどうしよう?」とか、OST初めて & ぼっち参加ゆえの不安感が半端なかったです。
実際に始まってみると、同じテーマを持つ人で議論になるので結構盛り上がり、あっという間に時間終了でした。そして集中して話すから結構疲れてしまい、帰宅時には頭がクタクタ。
最初はどうなるか不安しかなかった状態ですが、それでもOSTに初めて参加できました。
ちょっとズレますが「テスト自動化で0と1とではまるで違う」という話を聞いたことがあります。今回経験したことで未経験の時の私とはきっと違うので、これを糧に頑張ろうと思います。
最後に
情報子会社、SIer向けのイベントということであまりない機会でしたが、とても得られるものが多いイベントでした。周りも同じ立場の人が多い中で、一緒に考える場があるのはとてもラッキーだったなと思います。
ありがとうございました!