こんにちは！司空です！
今日は AWS Lambda を使ってる人ならぜひ知っておきたい
「構造化ログ（JSONログ）でCloudWatch Logs Insightsを快適に使おう！」
というお話です。

そもそも CloudWatch Logs Insights ってなに？

CloudWatch Logs Insights（以下 Insights）は、CloudWatchに溜まったログを検索・分析するためのクエリツール。
Lambdaのログをちゃんと整理しておくと、めちゃくちゃ便利に使えるんです。

でも普通のログって…

たとえば、こんな感じでログ出してません？

print("処理開始")
print(f"ユーザーID: {user_id}, ステータス: {status}")

CloudWatchでは、これが全部「ただの文字列」として保存されます。
なので、Insightsでフィルタするときにちょっとめんどくさいんです。

これをJSONにするだけで世界が変わる！

実は、JSON形式でログを出すだけで、CloudWatch側が中身を勝手に解析してくれて、各キーに対してクエリが書けるようになるんです。

import json
import logging

logger = logging.getLogger()
logger.setLevel(logging.INFO)

def lambda_handler(event, context):
    logger.info(json.dumps({
        "message": "処理開始",
        "user_id": "abc123",
        "status": "active"
    }))

たったこれだけで、CloudWatch Logs Insightsではこんな風にクエリが書けるように👇

fields @timestamp, @message, user_id, status
| filter status = "active"
| sort @timestamp desc

コツ：ログは全部JSONで出そう

Pythonなら json.dumps() で簡単にJSON化できます。
ポイントは、全部のログをJSONに統一すること。
途中で "Starting process..." みたいな普通の文字列を混ぜると、Insightsでは取り扱いにくくなるので、可能な限り全部をJSON形式で統一するのがおすすめ！

※日本語が文字化けしてしまう

json.dumps() を使って Python ログを JSON 形式で出力する際、日本語が文字化けして \uXXXX のようにエスケープされてしまうことがあります。
これは json.dumps() のデフォルト設定が ensure_ascii=True だからです。
json.dumps(..., ensure_ascii=False) を指定してください

import json
import logging

logger = logging.getLogger()
logger.setLevel(logging.INFO)

def lambda_handler(event, context):
    logger.info(json.dumps({
        "message": "処理開始",
        "user_id": "abc123",
        "status": "active"
    }, ensure_ascii=False))

※Lambdaだとboto3, botocoreのログが出てしまう

原因
この二つのライブラリはデフォルト設定でWARNING以上のログを出力されるようになっている。
下記を追加する

logging.getLogger('boto3').setLevel(logging.WARNING)
logging.getLogger('botocore').setLevel(logging.WARNING)

補足：FastAPI や Django でも応用できる？

もちろん！構造化ログはLambdaに限らず、どこでも便利です。
FastAPIやDjangoなら、structlog や python-json-logger を使うとスマートに出力できますよ。

まとめ

✅ CloudWatch Logs Insights を使うなら構造化ログがマスト
✅ Lambdaでのログは json.dumps() で出せばOK
✅ フィルタ・分析・可視化が一気に快適になる

おまけ：テンプレ関数

最後に、Lambda用の構造化ログテンプレを載せておきます👇

import json
import logging

logger = logging.getLogger()
logger.setLevel(logging.INFO)

def log_info(**kwargs):
    logger.info(json.dumps(kwargs))

def lambda_handler(event, context):
    log_info(event_type="start", user_id="abc123", status="active")
    # 他の処理
    log_info(event_type="end", result="success")

ぜひ、構造化ログで快適なLambdaライフを！