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PerlAdvent Calendar 2018

Day 12

Windows な職場でみんなで共通の Perl を使ってる話

Last updated at Posted at 2018-12-11

この記事は Perl Advent Calendar 2018 の 12 日目の記事です。

Windows 環境な職場でみんなで共通の Perl を使っている、という話をします。

なぜ共通の Perl を使うのか

以下のような理由です。

  • 環境を統一したいため
  • (Windowsなのもあり)パッチをあてないとインストールできないモジュールがあるため
  • Perl に詳しくない人でも簡単に使えるようにするため
  • 共通の Perl を配ることで、職場内の標準ツールも同時に配ることができるため

これらを満たすために、全員で共通の Perl (以下 共通 Perl と記載) を使うようにしています。

Windows における Perl の選択肢

たくさん選択肢がありますが、楽にインストールできる代表格としては以下があります。

ほとんどのケースでどちらを使ってもよいと思いますが、今回の方法では Strawberry Perl を使います。

共通 Perl をインストールする方法

以下の手順で実施します。

管理者側の作業

最初にみんなで使うための 共通 Perl を git で管理します。
この作業は、管理者側で1回実施するだけで良いです。

  • 共通 Perl の git リポジトリを作る

使用者の作業

共通 Perl を使う人は、以下の手順を実施します。

  • 共通 Perl を設定する(初期設定)

後は、新しいモジュールを入れたり同期したり、という使い方になります。

  • 共通 Perl に新しいモジュールを入れる
  • 共通 Perl から同期する

具体的には?

書いている時点の最新版である 5.28.0.1 の 32bit 版を例として記載します。
具体的には June 2018 / 5.28.0.1 / 32bit / with USE_64_BIT_INT を使いました。

共通 Perl の git リポジトリを作る

以下から、 5.28.0.1 の Portable 版をダウンロードする。
http://strawberryperl.com/releases.html

git は *.exe 等を version 管理しないようにされている場合が多いと思うので、以下のように実行して local な .gitignore を設定しておいた方が無難です。

$ echo !* > .gitignore
$ git init . && git add . && git commit -m "strawberry-perl-5.28.0.1-32bit-portable"

あとは、どこかに push しておきます。
ここでは、例として https://example.com/sago35/perl に置きます。

$ git remote add origin https://example.com/sago35/perl
$ git push origin master

共通 Perl を設定する(初期設定)

以下から、 5.28.0.1 の MSI installer (*.msi) をダウンロードする。
普通にインストールすると C:\Strawberry にインストールされます。

01.png

その後、アンインストールではなく手動で C:\Strawberry 以下のファイルを削除します。

02.png

その後、 git clone https://example.com/sago35/perl C:\Strawberry することで git 管理された Perl がコピーされます。

$ git clone https://example.com/sago35/perl C:\Strawberry

03.png

このやり方で設定すると、インストーラ版 (MSI installer) により環境変数などが設定されるので手順がシンプルになります。

共通 Perl に新しいモジュールを入れる

普通に cpanm 等を使ってインストールした後、 git push します。
ここでは、 Array::Uniq をインストールしてみます。
この操作で、 共通 Perl が更新されます。

$ cpanm -v Array::Uniq
$ git status
On branch master
Your branch is up to date with 'origin/master'.

Changes not staged for commit:
  (use "git add <file>..." to update what will be committed)
  (use "git checkout -- <file>..." to discard changes in working directory)

        modified:   perl/lib/perllocal.pod

Untracked files:
  (use "git add <file>..." to include in what will be committed)

        perl/site/

no changes added to commit (use "git add" and/or "git commit -a")
$ git add . && git commit -m "Install Array::Uniq"
[master 8e8258d] Install Array::Uniq
 5 files changed, 201 insertions(+)
 create mode 100644 perl/site/lib/Array/Uniq.pm
 create mode 100644 perl/site/lib/MSWin32-x86-multi-thread-64int/.meta/Array-Uniq-0.02/MYMETA.json
 create mode 100644 perl/site/lib/MSWin32-x86-multi-thread-64int/.meta/Array-Uniq-0.02/install.json
 create mode 100644 perl/site/lib/auto/Array/Uniq/.packlist```
$ git push origin master

共通 Perl から同期する

既に git 管理されているので、 git pull すると同期されます。
以下のように、先ほど追加した Array::Uniq が同期されました。

$ cd C:\Strawberry

$ git pull
Updating cb25a0d..96d08d1
Fast-forward
 perl/lib/perllocal.pod                             |  22 ++++
 perl/site/lib/Array/Uniq.pm                        | 140 +++++++++++++++++++++
 .../.meta/Array-Uniq-0.02/MYMETA.json              |  37 ++++++
 .../.meta/Array-Uniq-0.02/install.json             |   1 +
 perl/site/lib/auto/Array/Uniq/.packlist            |   1 +
 5 files changed, 201 insertions(+)
 create mode 100644 perl/site/lib/Array/Uniq.pm
 create mode 100644 perl/site/lib/MSWin32-x86-multi-thread-64int/.meta/Array-Uniq-0.02/MYMETA.json
 create mode 100644 perl/site/lib/MSWin32-x86-multi-thread-64int/.meta/Array-Uniq-0.02/install.json
 create mode 100644 perl/site/lib/auto/Array/Uniq/.packlist

もちろん使うことができます。

$ perl -MArray::Uniq -e "print uniq sort (3, 1, 2, 1, 3)"
123

まとめ

Windows で職場内共通の Perl を使う方法を記載しました。
職場ではモジュールのインストール/アップデートは、プルリクエストという形で管理しています。
今のところ、うまく回っているように感じます。

シンプルなやり方で共通化できるので、共通化させたい思いがある場合は役に立つかもしれません。

おまけ

職場内の共通ツールとしては以下のようなものを作って共有しています。

  • perltidy が共通設定でかかるようにしたスクリプト
  • 職場内の PC を wake-on-lan するためのスクリプト
  • perl や golang のひな形 (職場内共通のひな形) を作成するためのスクリプト
  • diff 結果を excel に取り込むためのスクリプト
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