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AI事業者ガイドライン(第 1.0版)まとめ

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2024年4月に、総務省と経済産業省が出したAI事業者ガイドラインについて、簡単にまとめてみるよ。

AIの事業活動を行うもの

このガイドラインではガイドラインの対象読者としてAIの事業活動を行うものを以下の3つに分類しています。

  • AI開発者
    AIシステムを開発する事業者
  • AI提供者
    AIシステムをAI利用者や業務外利用者に提供する事業者
  • AI利用者
    AIを利用する事業者

基本理念

2019 年に内閣府の統合イノベーション戦略推進会議が決定した「人間中心の AI 社会原則」では、
AIが Society 5.0 の実現に貢献することが期待され、人類の公共財として活用し、社会の在り方の質的変化や真のイノベーションを通じて、地球規模の持続可能性へとつなげていくことが重要だと述べられています。
そこで、以下の 3 つの価値観を基本理念として尊重し、その実現を追求する社会を構築していくべきだとしています。

1) 人間の尊厳が尊重される社会 (Diginity)

人間が AI に過度に依存したり、人間の行動をコントロールすることにAIが利用される社会を構築するようなことがあってはなりません。
人間がAIを道具として活用することによって、人間のさまざまな能力の発揮を可能とし、やりがいのある仕事に従事できるようにします。
物質的にも精神的にも豊かな生活を送ることができるような、人間の尊厳が尊重される社会を構築する必要があります。

2) 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会 (Diversity and Inclusion)

多様な背景と価値観、考え方を持つ人が多様な幸せを追求し、それらを柔軟に包摂したうえで新たな価値を想像できる社会は、現代における一つの理想であり、大きなチャレンジになります。
AIはこの理想に我々を近づける有力な道具となりえて、適切な開発と展開によって社会のありかたを変革していく必要があります。

3) 持続可能な社会 (Sustainability)

AIの活用によりビジネスやソリューションを次々と生み出し、社会格差の解消や地球規模の環境問題や気候変動などにも対応可能な持続性のある社会を構築する方向へと展開させる必要があります。
科学的・技術的蓄積をAIによって強化し、そのような社会を作ることに貢献する責務があります。

共通の指針

第2部では、AIにより目指すべき社会と、各主体が取り組む事項について述べられていますが、その中で、共通の指針が整理さています。

1) 人間中心

各主体は、憲法が保証し国際的に認められている人権を侵害することがないようにするべきです。
また、多様な人々の多様な幸せの追求が可能となるように行動を取ることが重要です。

①人間の尊厳及び個人の自律
②AIによる意思決定・感情の操作等への留意
③偽情報への対策
④多様性・包摂性
⑤利用者支援
⑥持続可能性の確保

2) 安全性

各主体は、ステークホルダーの生命・身体・財産に危害をおよぼさないようにするべきです。さらに、精神及び環境に危害をおよぼさないようにすることが重要です。

①人間の生命・身体・財産、精神及び環境への配慮
②適正利用
③適正学習

3) 公平性

各主体は不当で有害な偏見と差別をなくすよう務めることが重要です。それでも回避できないバイアスについて、許容可能かどうかの評価をした上でAIシステムやAIサービスの開発・提供・利用を行います。

①AIモデルの各構成技術に含まれるバイアスへの拝領
②人間の判断の介在

4) プライバシー保護

各主体は、プライバシーを尊重し、保護することが重要です。その時、関連法令を遵守するべきです。

①AIシステム・サービス全般におけるプライバシーの保護

5) セキュリティ確保

各主体は、AIの振る舞いに意図せぬ変更や停止が起こることがないように、セキュリティを確保することが重要です。

①AIシステム・サービスに影響するセキュリティ対策
②最新動向への留意

6) 透明性

各主体は、社会的文脈を踏まえ、検証可能性を確保しつつ技術的に可能な範囲で、ステークホルダーに合理的な範囲で情報を提供することが重要です。

①検証可能性の確保
②関連するステークホルダーへの情報提供
③合理的かつ誠実な対応
④関連するステークホルダーへの説明可能性・解釈可能性の向上

7) アカウンタビリティ

各主体は、トレーサビリティの確保や「共通の指針」の対応状況などについて、合理的な範囲で説明責任を果たすことが重要です。

①トレーサビリティの向上
②「共通の指針」の対応状況の説明
③責任の明示
④関係者の責任の分配
⑤ステークホルダーへの具体的な対応
⑥文書化

8) 教育・リテラシー

各主体には、AIの正しい理解と社会的に正しい利用
ができる知識やリテラシー、倫理観を持つために、必要な教育を行うことが求められます。また、ステークホルダーに対しても教育を行うことが求められます。

①AIリテラシーの確保
②教育・リスキリング
③ステークホルダーへのフォローアップ

9) 公正競争確保

各主体は、持続的な経済成長の維持と社会課題の解決策の提示がなされるように、公正な競争環境の維持に務めることが期待されます。

10) イノベーション

各主体は、社会全体のイノベーションに貢献するように務めることが求められます。

①オープンイノベーション等の推進
②相互接続性・相互運用性への留意
③適切な情報提供

参考

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