はじめに
AWSには様々なサービスがありますが、実務でよく使われる機能やコンセプトについて整理してみました。
本記事は、ハイパフォーマンスコンピューティングとネットワーク基礎に焦点を当てています。
ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)
AWS ParallelCluster
HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)環境を迅速に構築・デプロイできるAWSのサービス。概念実証から本番稼働まで、必要なコンピューティングリソース、スケジューラ、共有ファイルシステムが自動的に設定される。
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EFA(Elastic Fabric Adapter)
特定のインスタンスタイプで使える高性能ネットワークインターフェース。
HPCや機械学習ワークロードに最適。 -
MPI(Message Passing Interface)
並列コンピューティングで使用される標準的な通信プロトコル。
ユースケース
銀行取引に対するハイパフォーマンスコンピューティングと機械学習を利用した不正検知システムなど、膨大な量の計算処理を高速に実行する必要があるケースに適している。
AWS ParallelCluster + EFA + MPI = 高性能な分散処理環境
ネットワーク関連
VPCエンドポイント
インターネットを経由することなくAWS内のサービスにアクセスするための機能。
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ゲートウェイエンドポイント
VPC内のサービスからS3やDynamoDBなどのサービスに、インターネットを介さずに接続できる。 -
インターフェースエンドポイント
その他のAWSサービスに対してプライベート接続を提供する。
オンプレミスとAWSの接続方法
オンプレミス環境とAWSネットワークを接続する主な方法
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AWS Direct Connect
専用線接続を構成。低レイテンシーで可用性の高い安全な接続が可能。 -
AWS Site-to-Site VPN
インターネット経由のVPN接続。コスト最適ながら、パフォーマンスはDirect Connectよりも低下する。
プライマリ接続には低レイテンシーで可用性の高いDirect Connectを使用し、セカンダリ(バックアップ)にはVPNを利用する構成が一般的。
Amazon Route 53
DNSサービスとして様々なルーティングポリシーを提供している
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位置情報ルーティング
ユーザーの地理的位置に基づいてトラフィックを処理するリソースを選択。この機能によって、ユーザーの位置に応じて言語表示やトラフィック処理方法を変更できる。 -
地理的近接性ルーティング
レイテンシーを向上させたい場合に使用する。 -
複数値回答ルーティング
DNSクエリに対する応答として複数の値(ウェブサーバーのIPアドレスなど)を返すように設定可能。
IPアドレス単位でのヘルスチェックを実施して、複数のIPアドレスにDNSレスポンスを分散できる。
Route 53レコードタイプ
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Aレコード
IPv4に基づいたドメイン設定に使用 -
AAAAレコード
IPv6アドレスの時に使用 -
ALIASレコード
CloudFrontなどのAWSリソースをRoute 53レコードに設定する場合に使用する、AWS独自のレコード -
CNAMEレコード
特定のドメインに対して別のドメインを設定して、ドメイン間の名前解決を設定する際に利用
CloudFrontと連携した構成例
ドメイン → Route53(ALIASレコード、Aレコードタイプ)→ CloudFrontディストリビューション
まとめ
この記事では、AWSのハイパフォーマンスコンピューティングとネットワーク基礎について解説しました。
次回は、AMI・EBS・ELB等について詳しく見ていきます。