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お題は不問!Qiita Engineer Festa 2024で記事投稿!
Qiita Engineer Festa20242024年7月17日まで開催中!

【個人開発】色彩検定1級合格のデザイナーが本気で「色彩検定の色名アプリ」を作った話

Last updated at Posted at 2024-06-18

作ったもの

色彩検定の学習アプリ

iOSアプリ

Androidアプリ

使用したもの

◾️フレームワーク

  • vue.js
  • sass

◾️パッケージ管理

  • npm

◾️ツール

  • figma
  • phothosop
  • Git
  • Xcode
  • Transporter

◾️プラットフォーム

  • firebase
  • monaca

◾️その他

  • Apple Developper
  • Apple Store Connect
  • Google Play Console

費用

◾️総額
¥59,082(自費)

◾️内訳

  • Appleへの申請代:¥15,535
  • Googleへの申請代:¥4,017
  • Android クローズドテスト外注代:¥12,500
  • Figma有料プラグイン代:¥860
  • monaca Proプラン代:¥12,000(契約継続中)
  • Php Stormエディタ有料プラン代:¥12,870(契約継続中)
  • その他雑費:¥1,300

ちなみに広告を貼っていないため、売上は¥0です💸
スクリーンショット 2024-06-18 11.21.46.png

期間

4ヶ月〜6ヶ月間
仕事終わりや休日に細々と...

アプリ開発の流れ

【1】ターゲット層の調査

色彩検定の受験者は女性が多く、
年齢は20代〜40代がボリュームゾーンということがわかりました。

◾️内訳
1)2級の受験者、3級の受験者

  • 男性2~3割:女性7~8割
  • 20代〜40代

2)1級の受験者

  • 男性4~5割:女性5~6割
  • 20代〜50代

実際に試験会場に足を運んだ際の所感としても
上記のデータ通りの印象を感じています。

【2】ペルソナ設定

スクリーンショット 2024-06-17 11.25.09.png

【3】コンセプト設定

サービス理念

irobenの目指すべきサービス像は以下です。
・勉強していることを忘れるようなサービス
・学習アプリでありながら”遊び”を彷彿とさせるサービス

マインドマップ

irobenと関連するキーワードを洗い出し、
その言葉が持つイメージを軸にさらにイメージを膨らませます。

◾️目的
・新しいアイデアの発見
・自分の思考や固定観念を視覚化

スクリーンショット 2024-06-17 13.25.19.png

スクリーンショット 2024-06-17 13.10.12.png

SD法

irobenの目指すべき方向性を定めます。

◾️目的
・アイデアの持つ心理要素の測定
・意味構造の視覚化

スクリーンショット 2024-06-17 12.55.44.png

ポジショニングマップ

他社と比較し、ポジショニングを考えます。

◾️目的
・市場の全体像の理解
・「iroben」の立ち位置の明確化

スクリーンショット 2024-06-17 12.54.16.png

イメージの可視化

既存のサービスや人物で、近い印象のものを探してまとめます。

◾️目的
・アイデアの整理と可視化
・方向性の確認

ちなみに私は「任天堂」「ディズニー」をはじめとした
明るくて親しみのあるブランドでまとめました。
(irobenにそのイメージが反映されているはず、です)

スクリーンショット 2024-06-17 14.08.35.png
※著作権の関係上ボカシを入れています

【4】WF作成

スクリーンショット 2024-06-17 13.43.14.png

機能、導線、画面構造のようなサービスを形作るのに必要な要素をまとめます。
ここでサービスの全容が立体的に見えてきます。

【5】UI/UX・デザイン

UI/UX

スクリーンショット 2024-06-17 16.08.36.png

目指したのは、「勉強していることを忘れてしまいそう」なユーザー体験

そのため、ビジュアルは遊び心のあるものに。
ゲームやテーマパークを連想させる世界観にすることを目指しました。

さらにシンプルなUIと画面遷移も欠かせません。

例えば、メインメニューのUI。
ワイヤーフレーム時点ではタブメニューを検討していましたが、
画面遷移のネスト化を極力避けたかったので、
ハンバーガーメニューに変更しています。

【旧案】

スクリーンショット 2024-06-17 15.53.46.png

【新案】

スクリーンショット 2024-06-17 15.53.37.png

irobenは非常にカラフルな画面が持ち味ですので
機能が埋もれないようにする必要があります。

メインビジュアルとUIのバランスを見て、
お互いが調和する色み・形・サイズを選定していきました。

スクリーンショット 2024-06-17 16.11.17.png

デザイン

自分への挑戦の意味も込めて、
「今まで作ったことのないデザインを作る」というのが裏テーマでした。

色彩検定の勉強時間から見積もると、
「iroben」の利用期間は”短期的”なことが推測されます。

だからこそ私は
「ユーザーの印象に残るインパクトあるデザイン」
を目指したかったです。

先進的だけど尖りのない・・・
良い塩梅になるよう、調整を繰り返し
サービスの印象を定めて行きました。

【番外編】困難だったこと

①「Androidの審査のハードルが高い」

コスト

◾️費用:約12,500円(外注代)
◾️期間:約3週間〜1ヶ月
→初回審査だったので、結構時間がかかりました。
(内部テスト+クローズドテスト+製品版申請の3つのステップを踏んでいます)

理由

以下の要件を満たさないと
Andoroidアプリはストアに出品できなくなりました。

  • 20人以上のテスターを集める
  • 14日以上連続でオプトインしてクローズドテストを実施

重要: テスターには、14 日間以上連続でクローズド テストにオプトインする必要があることを強調します。

引用元:ヘルプセンター

半年前('23年/11月)に規約が変更されていました。

個人開発の身ですと、
自力で20人分のAndroidを集めるのは至難の業でした・・。
そのため私は外注様にテストを依頼致しました。

②「iOSアプリのリジェクトが続く」

リジェクトが続きました。
原因は、単純に私のApple Store Connectへの理解不足。
「指示通り修正してもリジェクト」という事象が発生しました。

原因

修正後のバージョンを選択せず、そのまま審査に提出したため。

Transporterで修正済みの.ipaファイルを上げれば、
Apple Store Connect側で自動的に修正後の.ipaファイルが
上書きされると思っていました...

なぜそう思ったかというと、
画面にファイルを選択するエリア(※赤枠)が表示されていなかったためです。
スクリーンショット 2024-06-11 12.48.00.png

しかしこの赤枠エリアの表示には若干のラグがあるようで
少し待機した後に画面のリロードを繰り返すと
表示される・・・という現象に気が付きました。

私のように初めて利用するユーザーは、
陥りやすいミスになるもしれませんので
自戒の意味も込め
以下に解決方法の全体を記載します。

解決方法

1. Transporterで修正済みの.ipaファイルを上げる
2. デリバリーボタン押下
3. Apple Store Connectで修正後のビルドファイルを選択
※ビルドファイル選択エリアがない場合は、リロードを繰り返してみてください
4. ビルドするバージョンを選択。
 ここが過去のバージョンのままになっていないか確認するべし
スクリーンショット 2024-06-11 13.00.24.png
5. 審査に提出

③「実装に時間がかかる」

数年前はVue.jsを書いていましたが、
今ではデザイン作業が中心となり
ご無沙汰しておりました。

プログラミングは楽しいのですが、
やはり得意な人と比べて時間はかかると自覚しております。

それでも今回挑戦した理由は、
「jsが好きだから、好きという気持ちを形にしたい」
という気持ちがあったからです。

また、「事故のないサービス」を実現するため
私は何度も何度も見直し、テストを徹底しています。

そのおかげもあり、リリース後のクラッシュ率は0%を記録しています。
スクリーンショット 2024-06-25 9.04.34.png

④「アプリDL数が伸びない」

このセクションだけでもう1記事作れるくらい、長いトンネルです。
(まだトンネルの中)

私が行った策で、効果的だった2つをご紹介します。

策1「公式X「iroben」の活用」

Xでアカウントを開設し、色彩検定受験者のメリットとなるような投稿をしています。

全然更新されていないと「死にコン(=死んだコンテンツ)かな?」と思われてしまうため、
「生きたサービスですよ」ということを強くアピールするべく毎日投稿&ユーザーのフォローを怠りません。

泥臭い作業ではありますが、RpやDMで直接感想いただけるので今ではそれがモチベーションになり、楽しんで運用しています。

IMG_8245.jpg

IMG_8247.jpg

スクリーンショット 2024-06-17 9.40.05.png

※他メッセージについては、noteにも一部掲載しています

策2「noteの活用」

これがなかなか反響良かったです。
noteさんから注目記事にも選んでいただきました。

スクリーンショット 2024-06-17 9.04.42.png

ユーザーの方からコメントもいただき、感無量でした。

スクリーンショット 2024-06-17 9.26.52.png

スクリーンショット 2024-06-17 9.27.02.png

スクリーンショット 2024-06-17 9.27.07.png

おかげで、ダウンロード数も以前より(少しですが)上がりました。

Xにしてもnoteにしても、宣伝する際は
質の良いメディアを形成した上で 発信することが重要です。

根気が必要なところですが、関連メディアも開発したアプリと同じ熱量で
大切に育てていく必要があります。

⑤「体力にリミットがある」

当たり前ですが、1人でできることには体力的にも時間的にも限りがあり、
ひいてはサービス全体の品質にも影響します。

1人で切り盛りする個人開発の厳しい現実を知りました。

リリースするまでも、した後も、本当にエネルギーが必要です。

サービスを生み、育てるということは持久戦なのだと身をもって学びました。

そのため、これから個人開発に挑戦する!という方がいましたら
どうかペース配分はお間違えのない様に・・・とお伝えしたいです。

リリースした後もまだまだ走らないといけないので
たっぷり力を蓄えておいてください。

【最後に】あとがき

長々とここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ここから先はポエムになります。(飛ばしていただいて大丈夫です)

デザイナーである私が、なぜ個人開発を行うことになったか
その理由を以下に記載しております。

==================

①『誰かの役に立つサービスを作ることへの憧れ』

色彩検定の勉強中、私は暗記カードを作るのがとても面倒だと感じました。

またある時は「間違えた色で落書きしてみたい」など思い、
色々思うところがあった自分は、試験勉強用にプログラムを作りました。

そのおかげもあり、1,2,3級全ての色名問題は全問正解しており
これを知った方が「こういうのあればもっと楽に学習できたのにな」と言ってくれました。
彼女もまた、過去に色彩検定を受験したことのある方でした。

この時「このプログラムを元に何かできないか?」と思い、
製品化を決意いたしました。

②『一貫してサービスを作ることで、開発者として総合的な視点を養いたい欲求』

「デザイナーだからデザインのことだけしておけばいい」というのも
一つの考えとして尊重しておりますが、
私はデザイン”だけ”をしていきたいというよりは
「万人から愛される、シェアのトップを掴めるサービスを作りたい」という気持ちがあります。

質の良いサービスというものは、さまざまな工程が緻密に組み合わさり
はじめて花開くもの
です。

そのため、私は多様な視点を持つことの必要性を感じ、
一貫して1人でサービスを作ることに致しました。

③『若手へのモチベーションになれば...という望み』

私の勤め先は内製の技術力が課題です..

技術力というのは1日にしてならず、
また、いつも恵まれた案件に関われるとも限りません。

そこで、社内の若手の方に
「デザイナーだけど、アプリリリースしてみました」と言うと
「自分もできるかもしれない!」「挑戦してみよう!」と言う気持ちに
なってらもえるのではないかと考えました。

==================

最後に...

色んな想いを馳せ、どのフェーズも何度も何度も考え直して、
やっと出来たのが「iroben」です。

0から1を生み出すことの難しさと、楽しさを存分に肌で味わった半年間でした。

iOSアプリ

Androidアプリ

公式note

公式X

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