Javaの境界ワイルドカードについて

はじめに

Javaの境界ワイルドカードについてまとめてみた。
主に3つの形式がある。
・非境界ワイルドカード
・上限境界ワイルドカード
・下限境界ワイルドカード

非境界ワイルドカード

<?>のようにジェネリクス宣言時にワイルドカード「?」を使用することで型パラメータとして使用できるクラスを制限せずに扱うことができる。主に２つの特徴がある。
・メソッドの戻り値の型はObject型になる。
・メソッドの引数にはnullリテラルのみ渡せる。

Main.java

public class Main {
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        // 非境界ワイルドカードを使用しリストを宣言
        ArrayList<?> list = new ArrayList<>();

        ArrayList<String> strList = new ArrayList<>();

        ArrayList<Integer> intList = new ArrayList<>();
        
        list.containsAll(strList);
        list.containsAll(intList);
    }
}

上限境界ワイルドカード

<? extends T>のようにジェネリクス宣言時に「extends」を使い、型パラメータとして使用できるクラスの範囲を制限する仕組みである。
<? extends T>の場合、TまたはTのサブクラス型のみ扱うことができる。
・メソッドの戻り値は任意の型にすることができる。
・メソッドの引数にはnullリテラルのみ渡せる。

Main.java

public class Main {
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        
        ArrayList<Integer> intList = new ArrayList<>();
        
        ArrayList<String> strList = new ArrayList<>();

        // IntegerはNumberのサブクラスのため呼び出すことができる
        testList(intList);
        // StringはNumberのサブクラスではないためコンパイルエラー
        testList(strList);
    }

    // 上限境界ワイルドカードを使用したメソッド    
    public static void testList(List<? extends Number> list) {
        // listに関する処理
    }
}

下限境界ワイルドカード

<? super T>のようにジェネリクス宣言時に「super」を使い、型パラメータとして使用できるクラスの範囲を制限する仕組みである。
<? super T>の場合、TまたはTのスーパークラス型のみ扱うことができる。
・メソッドの戻り値の型はObject型になる。
・メソッドの引数には任意の型を渡せる。

Main.java

public class Main {
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        
        ArrayList<Number> numList = new ArrayList<>();
        
        ArrayList<String> strList = new ArrayList<>();

        // NumberはIntegerのスーパークラスのため呼び出すことができる
        testList(numList);
        // StringはIntegerのスーパークラスではないためコンパイルエラー
        testList(strList);
    }

    // 下限境界ワイルドカードを使用したメソッド    
    public static void testList(List<? super Integer> list) {
        // listに関する処理
    }
}